2 体験してもらう、どれだけの効果があるのかを
「あ、そう」
支援魔術の使い手はそう言うと自分に強化魔術をほどこした。
詰ってくる連中には低下魔術を使う。
さらには様々な状態異常を与えていく。
朦朧に嘔吐感に痺れに目眩、虚脱感に視力不良、雑音などなど。
一つ一つは小さなものだが、まとめて襲ってくると意識をかき乱されるものをかけられていく。
ケチをつけてきた連中はおもわずその場に倒れていく。
まともに立ってられないほど気分と体調が悪くなったから。
使ったのは一般的な状態異常魔術より効果の小さなものばかりだ。
無いよりマシ程度の支援効果しかない。
だが、まとめて食らわせれば大きな効果をあらわす。
なにより優れてるのは、もともと威力の小さなものということ。
その分、使っても精神力の消費や消耗が少なくて済む。
なので、長時間にわたって効果を持たせるのに都合が良い。
能力低下をかけられてる所にそんな事をされたのだ。
魔術の効果を打ち消すための抵抗もままならない。
貶してた連中はうずくまるしかない。
躊躇する事無く使い手はそいつらを踏みにじっていった。
文字通りに足で手足を踏んでいく。
力を込めていたので、手足が粉砕される
能力強化に攻撃威力強化、弱点看破などを使っていたのだ。
相手がレベルを上げた探索者であっても耐えられるわけがない。
もちろん、のたうち回ってる者の中には治療魔術の使い手もいる。
それが状態異常を解除すればのたうち回ってる者達も回復する。
それを見越して、使い手は治療魔術の使い手を先に殺した。
働いてない奴を治療しないといって使い手を蔑ろにしていた奴だ。
ことあるごとに嫌味を言ってくる奴でもあった。
出来れば痛め付けてなぶり殺しにしたかった。
だが、治療される危険性を考えるとそうも言ってられない。
「残念だ」
即座に処分してしまわねばならない事を嘆いた。
それ以外の連中には相応に処分していく。
いずれも使い手を役立たず・足手纏い・邪魔者などと呼んで虐げていた。
支援魔術を受けて戦闘をしていたにもかかわらず。
おかげで特に怪我もなく戦闘を乗り切れたというのに。
迷宮内の探索においても、正しい道や罠を発見する為の魔術を使っていた。
おかげで道中はかなり楽だったのだ。
これらを運が良かっただとか、探知・捜索する者が優れてるからなどと言ってたが。
適切な支援魔術を受けられない瞬間は確かにあった。
しかしそれも使い手に問題があるというわけでもない。
支援魔術だけではどうしようもない瞬間などいくらでもある。
何より支援魔術を考慮せず動いてるのが問題だ。
これでは効果的な支援など出来るわけがない。
問題が起こるのは、たいていこういう時だ。
そして、こんな時だけ「支援魔術のせいだ」と原因を使い手のせいにする。
上手くいってる時は使えない・意味が無いなどといって存在を否定してるにも関わらず。
だったら、問題がおこっても支援魔術のせいにするべきではない。
しかし、そういう考えは一切無い。
自分の都合しか考えずに行動してるからだ。
そんな連中ばかりなので、遠慮など何一つしない。
容赦なく叩き潰していく。
今までされた分の恨みを何倍にも増幅してお返しする。