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正義とは何かについて

作者: 大村進次郎

 さて、昨今は正義という言葉は余り聞かれなくなりました。

 正義と言いつつ、特定の利益を主張することが多くなったからだと思います。

 では、利害得失のみがあり、正義というのは無いのでしょうか。少し考えてみます。


 少し省略して書きますが、正義とは広辞苑によると、「①[荀子]正しいすじみち。②[漢書]正しい意義または注解。③(justice)㋐社会全体の幸福を保障する秩序を実現し、維持すること。(中略)近代では社会の成員の自由と平等が正義の観念の中心となり、自由主義的民主主義社会は各人の法的な平等を実現した。(後略)㋑社会の正義にかなった行為をなしうるような個人の徳性。」とあります。


 全文を書きたいのですが、煩雑ですので少し省略しています。

 まあ、これは話のきっかけです。正確に知りたい人は広辞苑を引いてください。


 ①から考えると、理屈として筋が通っていないと間違いということになります。

 ②から考えると、言葉の解釈がいい加減だと間違いということになります。まあ、言葉の解釈についてはかなりの幅が生じるのでしょうが。


 ここで、筆者の私見を入れますが、正義と言うためには何らかの基準が必要だと思います。

 基準に合致していれば正しくて、合致していなければ間違いというものです。


 この基準を考えるのは難しいです。例えば、"平等"という概念にしても、機会が平等ならば平等であると考えることもできれば、結果が平等でなければ平等ではないと考えることもできますから。


 "自由"についても、誰かが自由を主張すれば誰かが我慢して不自由になったりするので、何をどこまで自由にするのかが問題になります。

 身近な例では、言論の自由はあっても、誹謗中傷の自由はありません。


 もう一つ私見を述べれば、宗教的な価値観を述べたり、政治的な意見を述べるのは言論の自由ですが、憶測などで他人を貶めるのは言論の自由ではなく、誹謗中傷だと思います。

 これも線引きが難しいです。


 結局基準が人それぞれなので、多数の人々にとって分かりやすい基準を元にして、正義を考えることになります。


 この考え方からすれば、正義ではなくなる自明の場合が二つばかり存在します。


 一つは言行不一致です。

 自分で言っている基準を自分で破っているからです。

 これでは、基準の意味がありません。


 二つ目は、ダブルスタンダードです。

 これは、どちらを基準として選んでいるのか分からなくなるからです。

 そういった人は、自己都合のみで発言していると考えて良いでしょう。


 上の二つに該当する人は信用できなくなるので、不正義の人と言っても良いと思います。

 完璧には無理なので、程ほどで良いと思いますが。


 自明でないような場合については、③㋐のような考え方が正義の一例でしょう。

 この場合、社会というものを形成していないと、正義の基準が分からないことになります。


 その際に重要なのは話し合いでしょう。

 話し合いが行われない場合は、社会が分断してしまうからです。

 違う社会に属している者同士については、話が通じないので、お互いの正義が一致しなくなると思います。


 まあ、話して分からないので、争いが発生するのですが。

 その場合には、正義というよりも、利害得失を念頭において考えることになります。

 そして、正義と利害得失の境界もあいまいです。


 現代日本では価値観が多様になってきて、何が正しいのかについては一概に言えなくなりましたので、ここに一つの基準を提示してみました。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  初めまして。“正義”とは、個人の価値観によって、多種多様ですよね。しかし、その者の都合の良い“正義”を押し付けられては、堪ったものではないですものね。それは、“正義”を騙る只の暴力みたい…
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