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サルと鷲

ノブナガ、秀吉軍は山道を通って大きく迂回しながらA・H軍本陣のすぐ目の前まで辿り着いていた。


「まだ敵には気付かれていない。だがそのためにこちらは寡兵で動いてきた。まあ奇襲だからな。ここからは速さがものをいうぞ、サル」


「はい、殿はA・Hとの戦いを楽しんできてくださいませ。誰にも邪魔はさせません」


「ふっ、頼んだ」


秀吉の言葉に笑みを浮かべて答えたノブナガはA・H軍の本陣へと一直線に駈け下りて行った。


そしてノブナガを見送った秀吉はアイヒマンの軍と向かい合って立ち止まる。


「おい、ヤセ狐。お主の相手は儂じゃ。主の元に駈けつけたいなら儂の首を獲っていけ」


「大丈夫です。駈けつけるつもりはありません。私もあなたを待っていたので。ヒトラー様はノブナガとの真っ向勝負を望んでおられる。だから私も足止めなんですよ、ハゲ鼠」


「なるほど儂と一緒か。だが貴様はさっさと倒させてもらう。助太刀をするつもりはないが、殿の本気の戦争を是非傍で見届けたい」


「ふっ、私も同じです。だからこそお前を殺します」


「ははは!戦の世の武将の目だ。それもかつてないほどの強者。滾るわい」


秀吉は獰猛な笑みを浮かべる。それはまるで獲物を目の前にした本物の獣のようだった。


「死ね」


アイヒマンは恐ろしいほど冷たい目でそう言った。


そして秀吉軍とアイヒマン軍の戦いが始まる。



羽柴秀吉


レベル 556


職業 猿神


特殊スキル 飛行 天上の眼 魅了SSS 煽動 神獣化




アイヒマン


レベル 572


職業 大量虐殺者ジェノサイダー


特殊スキル 大量虐殺 人種破壊 文化浄化 民族浄化 聖絶




「と言ってもあなたの軍はもうほとんど意味をなさないんですが」


「なに!?」


「私の能力は雑魚狩りに特化していますので」



ー大量虐殺ー



アイヒマンがそう唱えた瞬間、秀吉軍の兵たちがバタバタと倒れていく。というか絶命していった。


「貴様何をした?」


「私の『大量虐殺』は私のレベルの半分以下の者の命を無条件で奪います」


「随分便利な能力だ。ということはうちの兵の3分の2は死んだのか」


「自軍の3分の2が殺された割には案外冷静ですね」


「戦争とは人が死ぬものだからな」



ー民族浄化 文化浄化 人種破壊ー



アイヒマンが畳みかける。


『大量虐殺』から生き残った秀吉軍たちは『民族浄化』で敵味方の区別がつかなくなり、『文化浄化』で知能を失い、『人種破壊』で人の姿も失い魔物と化した。


その魔物たちは見境なしに暴れだす。


もちろん秀吉にも四方から襲い掛かってくる。


「まったくムゴイことをする」


そう呟いて秀吉は飛び掛かってくる魔物を一瞬で切り刻む。


「元部下でも容赦ないんですね」


「戦場に出たからには殿のために命を賭ける覚悟は皆できている。ならば殿の邪魔をすることは死よりも屈辱的だ。ならば将としては首を刎ねてやるのが何よりもの慈悲だろう」


「さすがサムライ。ヨーロッパの腰抜け共とは違う。ドイツと同じ戦闘民族だ」


「儂は農民の出じゃ。血ではなく己の力で侍になったのじゃ。そこら辺の侍とは一味違うぞ?」


「ですが現状そちらの兵はほぼ全滅。残っているのは理性を持たない魔物たち。あなたの仲間はもう居ません。どうしますか?」


次々飛び掛かってくる魔物たちを切り捨てながら秀吉は答える。


「味方?そんなものいなくなったなら作ればいい」


「作る?」


「ん?戦国とはその連続だぞ?」


「何を言っているんです?」


「さあ始めるか」


秀吉はそう呟き、スキルを使いながら大声を上げる。



ー敵兵たちよ!!!俺につけ!!!天下の夢を見せてやる!!!ー



この言葉には秀吉のスキル『魅了SSS』が付与されている。


そしてさらに秀吉は続ける。



ー血が沸く高揚を!肉が躍る快感を!儂の元で味合わせてやる!!!だからまずは裏切りの味を堪能しろ!!!ー



秀吉の『魅了SSS』はゲーム内で最も強い洗脳系スキルだ。


まあ洗脳系最強と言っても自軍の士気を限界まで高める程度のもの。


だがこれに天性の人たらしである秀吉の言葉が加われば、、、



「「「「「「おおおおお!!!!」」」」



敵兵を寝返らせることも可能となる。


戦国時代など裏切りの連続、調略も立派な戦い方だ。


そして戦国の世で調略を最も得意としたのが羽柴秀吉である。


完勝とは戦わずして勝つ事だというノブナガの考えを一番理解していたのは秀吉だったからだ。


「やってくれますね」


「さあこれで五分だ、アイヒマン」


兵の半分が秀吉に寝返り、アイヒマン軍は共食いを始める。


そして魔物と化した秀吉軍は敵味方なく暴れまわる。


つまり地獄絵図がここに完成した。


「アイヒマン、両軍全滅は時間の問題だ。ここからは儂と貴様の一対一で勝負が決まる」


「はぁ、私の力は雑魚狩りに特化しているので一対一には向いてないんですよ」


「だろうな。なら儂の勝ちじゃ。案外呆気なかったのう」


「向いてないだけで負けるとは言ってませんよ」


「向いてないなら負けるだろ。儂を誰だと思ってる?」


「サルでしょ?」


「ああ、織田軍最強のサルだ」



ー神獣化 斉天大聖ー



秀吉は西遊記の孫悟空のような姿になる。


「この状況では軍での勝利や敗北はよくわからないものになりました。ならば敵将の首を獲るしかないでしょうね」



ー人種破壊 聖絶ー



アイヒマンはスキルを今度は自分に使う。


そしてアイヒマンは人の姿を捨て巨大な鷲となり、聖なる妖気に包まれる。


「まるで妖怪戦争じゃな」


「互いに化物同志。決着をつけましょう」


秀吉とアイヒマン、二人にとって最も似合わない一騎打ちが始まった。


お読みいただきありがとうございます。


『面白そう!』


『続きが気になる!』


と少しでも思ってくださった方は、ブックマークと広告下の【☆☆☆☆☆】からポイントを入れて応援していただけると幸いです。


よろしくお願いいたします!

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