忠義 by 上杉軍
謙信はノブナガ軍の側面をつこうとしているA・H軍の前に立ちふさがっていた。
「まあ来るならここよね」
「え!待ち伏せ?めんどくさいんだけど」
このA・H軍を率いているのはA・Hによって大名の位を与えられたプレイヤー、キャサリンSSだ。
キャラネーム 上杉謙信
レベル 487
職業 お天気お姉さん
特殊スキル 天候予知 天候管理 天候破壊
キャラネーム キャサリンSS
レベル 418
職業 いばら姫
特殊スキル 拘束する者 荊園 薔薇の王
「ノブナガがいなかった間は上位職についてたみたいだけど、もう中位職に戻ったんでしょ?しかも何か前よりショボい感じになったみたいじゃん。一回反則的に上位職になったからその分のペナルティとか受けてるのかな?」
「知らないわよ。そんなのはGMに聞きなさい」
「ああ、もう男の振り止めたんだ」
「今更でしょ」
「それもそうか。じゃあ、、、殺すね」
「ただの小娘が上杉謙信を殺せると?」
謙信は鼻で笑う。
「お前もただの小娘だろーが!」
ー荊園―
キャサリンSSは辺り一面を埋め尽くす荊を生み出しながら謙信に飛び掛かってくる。
「、、、キモいわね」
謙信は刀を抜き四方八方から襲い掛かってくる荊を切り落としていく。
「荊園に終わりはないわよ?いつまで持つかしら?」
「さっきからのセリフが全部負けフラグだってこと気づいてないの?」
「はぁ!?」
「なるほど、たぶんあんた外国人ね。日本語の細かいニュアンスが伝わってない。じゃあこういうのはどうかしら」
―天候予知―
―天候管理―
―天候破壊―
中位職になった謙信だが全てのスキルを同時に使えば疑似天候操作が可能となる。
「はぁはぁはぁ」
ただ3スキルの同時発動はかなりの負担になる。
その代わりその威力は絶大。
空は荒れ狂い。スコールのような雨が降る。雨だけでなく雷も降る。
つまり雷のスコール。更にその雷は水で満たされた地面を縦横無尽に暴れまわる。
「「「「「「ぐああああ!!!!」」」」」
キャサリンSSの兵たちは大ダメージを受ける。
「別にモブがいなくても私一人でどうとでもなるわ」
キャサリンSSは自分の周りに荊の盾を作り謙信の攻撃を無効化する。
「はぁはぁはぁ」
「そしてあなたは今ので大分お疲れのようね。殺さなくても死にそうじゃん。まあ殺すけど」
部下たちなど見向きもせずキャサリンSSは謙信に向けて無数の荊を飛ばす。
「はぁはぁはぁ」
荊が謙信に向かってくるが謙信は動けない。
「呆気ないわね。モブを一掃しても私にダメージを与えられなきゃ何の意味もない。私があなたを殺して終了。この戦場は私たちの勝ちよ」
だが謙信の目は全く死んでいない。
「はぁはぁはぁ、道は開いた。屠りなさい。私の上杉軍」
謙信は力を使い果たしながらも不敵な笑みを浮かべる。
その瞬間キャサリンSSの四方八方から上杉兵が飛び掛かる。
戦国最強クラスの兵たちだ。
「なんで!?」
キャサリンSSは困惑している。
「部下を捨て駒にする将なんてたかが知れている。捨て駒に使うなら最強の駒に決まってるでしょ。上杉の切り札はいつだって兵たちなのよ」
謙信はそう言って気を失う。
だが上杉軍は勢いを増す。
「謙信様に勝利を捧げろー!!!」
「謙信様の期待に応えられないことは上杉軍にとって最も恥ずべき行為だ!!!」
「謙信様の策に間違いなどない!!!信じて突き進めぇ!!!」
「上杉軍は戦国最強だー!!!」
スキル『忠義』により上杉軍全兵のステータスにバフがかかる。
そして一人一人がまるで鬼と化した上杉軍がキャサリンSSへと襲い掛かる。
「あり得ない!『忠義』ってこんなに強力なスキルじゃないでしょ!てかある一定の忠誠値を超えた奴にしか効果ないはず!なんで全員バフかかっちゃってるの?」
「我らの謙信様への忠義は貴様が測れるようなものではない!!!」
「バグかよ!!!ちきしょー!!!」
謙信が目を覚ましたとき、目の前には跪く上杉軍とキャサリンSSの首があった。
フラフラの身体で立ち上がった謙信は配下に声をかける。
「よくやった」
「「「「「「はっ!!!!」」」」」
「今の部隊が主力だと思うけど他にも小隊が気をうかがっているかもしれない!全て叩き潰すわよ!」
「「「「「「はっ!!!!」」」」」
駆けだして行く自軍の兵たちの背を見ながら謙信は寂しそうな顔をする。
「この天下取りももうすぐ終わりなのね」
謙信にとってはこの戦争で出来ることはここまでとわかっていた。
なぜならこの後自分の助けなど必要なくノブナガはA・Hに勝つ。それは信じているとかでなくそうとしか思えないからだ。
「今日この楽しかった戦争、というかゲームは終わる。私がゲームの中で出来るのはここまで。私の本当の仕事は天下取りのあと。オフ会の開催よ」
謙信はこのゲーム始めて最も輝いた瞳をする。
「謙信様、めぼしい店の選出はお任せください。リアルでは食べ歩きが趣味なので」
謙信の側近の一人『ある凍る忠臣』が謙信に声をかける。
「マジ?心強いわね。でも食べ物だけじゃなくお酒も重要よ?織田信長なんて絶対酒飲むでしょ」
「安心してください、謙信様。私はアルコール中毒。そもそも酒が飲めない店になど行きません。親からの仕送りで酒と飯を食いまくっている大学8年生ですよ?」
ある凍る忠臣は誇らしげに胸を張る。
「あ、そうなんだ。、、、うん、そうなんだ。はは。じゃあ、その、予約お願い」
「了解いたしました!」
謙信はある凍る忠臣を側近として信頼しているがたまにどういう反応をすればいいのか迷子になるときがある。
そう!ある凍る忠臣がクズ過ぎることを爽やかに言うことによって毎回おかしな空気になるのだ!!!
それはそうとまだまだ戦争は続く!
次はABCDサイドだ!!!
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