Akashic突入作戦
「ていうかなんでABCDと謙信がウチに来てるの?どうやって住所調べたのさ!」
「私もABCDも呼ばれたんだ。羽柴秀吉に」
「え?秀吉?いないじゃん」
「パソコンの中から呼ばれたんだ」
「どういうこと?」
「秀吉は電脳世界にいる」
ノブナガが落ち着いた調子で言う。
「余計にどういうこと!?」
そしてランはもちろん全く理解できていない。
*
『信長の覇道』から強制ログアウトさせられてからすぐノブナガには秀吉から連絡が入っていた。
『ノブナガ様!』
「サルか!?」
『はい、ノブナガ様の元へと泳いで来ました』
「どういうことだ?」
『戦争の真っただ中だったので言っていませんでしたが、儂はノブナガ様とは違い生きている人間としてこの世界に来ているのではありません』
「はぁ!?じゃあお前はどこにいる?」
『儂はノブナガ様とは違い一度完全に死んでおります。儂が飛ばされたのはこのネットの中です。そこからノブナガ様を探し『信長の覇道』の中で羽柴秀吉というキャラの中に入り込んだのです。まだノブナガ様がゲームの中のどこにいるのかはわかりませんでしたから」
「アカウントを乗っ取ったってことか?」
「はい、羽柴秀吉は生きた人間が操作していたのでハックし運営にばれないように偽装して使っていました。この名前の方がノブナガ様にいち早く気付いてもらえると思ったので」
「つまり精神体のようなもので肉体はないと?」
「そうです。魂というデータとしてこの電脳世界に入り込んだんだと思います」
『信長の覇道』運営会社『Akashic』へと向かってください。そこへ行けば復旧は可能です。ついでにノブナガ様の配下の者も呼んでおきました!』
*
「と言った感じだ」
「うん、幽霊ってことね!あと『デンノウセカイ』とかそういう外国語使われてもわからないから!まあ私はキレ者だから察したけどさ!」
「キレ者、、、。言葉の意味が分かってないようだから電脳世界と一緒にググってみろ」
「オッケーオッケー!」
やはりランは何もわかっていない。ノブナガの皮肉も。
そしていつものようにノブナガはこのバカの子を諦める。あっさり、迅速に。時間の無駄だとわかっているからだ。
そしてノブナガはバカは置いといて、謙信とABCDに対して話を始める。
「俺はどうしてもA・Hとあの世界で決着をつけなくちゃいけない。という訳で『信長の覇道』にはサービスを再開してもらう。お前らにはそれを手伝ってほしい」
「手伝うのはいいけど、一体どうしようって言うんだ?大将」
「秀吉の話によると『Akashic』本社地下4階に『信長の覇道』全てを司っているところがあるらしい。だからそこに行ってサービスを再開させる」
「現実の世界でそれをするのはリスクが高すぎねーか、、、」
「まあ別にお前らは来なくてもいい。そもそも一人で行こうと思っていた。お前らを呼んだのは秀吉の独断だ。ただまあせっかく呼んだんだから一応誘っとこうと思ってな。せっかく遊びに行くのに誘わなかったらあとで文句を言われろうだったからな」
ノブナガは本当にその辺に遊びに行くかのような調子で話した。
「、、、私は行くわ」
「マジか、謙信」
「あとで楽しそうな話聞かされたらたまらないもの。ノブナガが何か面白いことをするなら私は同じ場所にいたい」
「はぁ、確かにな。ゲームにお腹に戻った時に俺だけのけ者にされるのはごめんだ。で、ランの嬢ちゃんはどうするんだ?」
「ぐーぐーぐー」
「え、寝てる!?」
「やっと薬が効いたか。このバカは連れて行かない。バカだからな。それにこいつはゲームの中でだけ楽しんでいればいい」
「まあ確かに。バカだからな」
「うん、その方がいいかも。バカだから」
という訳で爆睡しているランを置いて三人は部屋を出て行った。
まあ『Akashic』に乗り込む前に色々準備もいるから。
この日、ノブナガはゲーム収益を全額降ろした。
*
ガチな『Akashic』本社地下4階
「よかったのか?突然このゲームを終わらせてしまって」
「目的は果たした。それにこれ以上は危険だ。プレイヤーたちの動き方が予想を大きく上回ってきている。彼らのお陰で我々の目的は予想よりも大分早く達成できたが、このままじゃ悪影響になりかねない」
「では我々も撤退しようか。本当の戦争の準備が始まる」
「うん、そこからが我々の本当の仕事だ」
「そうだったな」
ビービービー!
急な警報が鳴り響く。
「なにがあッた!?」
『侵入者です!SPたちを制圧しながら真っすぐ地下四階へと向かっています!』
「はぁ!?このビルに地下四階があることは秘匿事項の筈だぞ!」
ビービービー!
再び警報が鳴り響く。
今度は別な場所からだ。
『侵入者です!おそらく地下四階目指しているのではないかと思われます!』
「どういうことだ!?」
『うがぁぁ!!』
『ひぃぃぃ!!!』
ブツ!
ブツ!
緊急事態の連絡は叫び声を最後に一方的に切られる。
「本当にどうなってるんだ?」
「ウチのセキュリティーが破られるなんて普通にあり得ないだろ」
「敵国が送り込んできた特殊部隊と考えるのが自然だろうね」
「機密性には最善の注意を払っていたはずなんだが」
「はぁ、勘づかれたみたいだね」
「警備を更に強化する。ここに辿り着かれるわけにはいかない」
*
こちらはランサイド
「ちょっとあんた何をしてるの?」
もちろん私もノブナガについて戦う。
という訳で私はなんか強そうな武器をネット注文した。
それを完全装備して今みっちょんの前に立っている。
「何その恰好。ランボー?」
確かにランボーをモデルにしました。さすがみっちょんと言ったところか。
「で、なにごとよ」
「つまりかくかくしかじかで『信長の覇道』のサービスを復活させるための戦いが始まろうとしているのよ」
「その戦いっていうのはどういう戦いなのよ」
「うん、そこでみっちょんなのだよ」
「なんでそこで私なのよ」
「だからこれから始まる戦いとは具体的に何なのかをみっちょんに聞きに来たってわけ」
「あんたバカなの?ああ、バカなんだった」
「早く答えをプリーズ!」
「ノブナガに聞けばいいじゃない」
「ノブナガは何も言わないで行っちゃったんだもん。というかノブナガがどこに行ったのかも教えて欲しいの!」
「はぁ、本当に、、、はぁ、もう本当に。あんたはどうしようもないわね」
うん、みっちゃんも覚悟が決まったようだ。さて我と共に行こうぞ!
みっちょんは『信長の覇道』を開発した会社が『Akashic』って名前だと教えてくれた。
そして今私たちは『Akashic』にカチコミをかけるべく乗り込んでいた。
「ていうかなんで私も一緒に来させられてるのよ。しかも私までランボーの格好させられるし」
「みっちょんはどうせ準備出来てないと思って私がみっちょんの分の装備も買っておいたのさ!感謝したまえ!」
「あんたこの状況でよく私に感謝を求められるわね」
「どんな時でも感謝を忘れない女のだよ、私は!」
「それ感謝する方が言う言葉だから。というかその前に謝罪が先でしょ」
「え??」
「え??」
まったくみっちょんは何を言ってるんだか。本当たまに不思議ちゃんなところがあるわ、この子ったら。
まあここはお姉さんとして海のように広い心で受け止めてあげますか。
「ふふふ。いいのよ、みっちょん。大丈夫、私はわかってるから」
「すごくめんどくさいこと考えてるわね、あんた。でももういいわ。いちいち反応してたら面倒極まりないからね」
というわけで私たちは『信長の覇道』運営会社『Akashic』に辿り着いていた。
待っててね、ノブナガ!今妻が行きます!
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