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ノブナガと秀吉

空を飛ぶ火の鳥にノブナガ軍は驚きを隠せない。


なぜならランとその式神たちはA・H軍に捕まっていたはずだから。


でもランも式神たちもこの場にいる。


このことが何を意味するのかノブナガ軍にはすぐにわかった。


ノブナガが帰って来たのだと。


「「「「「うおおおおおお!!!!」」」」


ノブナガ軍は歓喜し再び兵たちに力が戻る。いや、開戦前以上の力が。


そんなノブナガ軍を見ながらランはA・H軍との開戦前に交わしたにノブナガとの会話を思い出す。





『ノブナガ!これってヤバいんじゃないの?』


A・H軍の戦力は開戦前の時点でノブナガ軍のを超えていた。


数だけでなくA・H軍の、元織田軍の武将たちの力もすさまじかったから。


さすがのラン(バカ)にも勝ち目がないことは見て取れた。


『ヤバいな。絶体絶命。笑える』


だがノブナガはそんな劣勢な戦争を前にしても楽しそうに笑っていた。


そんなノブナガを見てラン(バカ)は確信する。


『わかった!なんか一発逆転の作戦があるでしょ!いや今の感じ絶対にある!オラにはわかる!』


『、、、策とかじゃないがまだ俺たちの味方になってくれそうな奴がいる』


『え、そんな人いたっけ?』


『いやお前は会ったことねーよ』


『なるほど!新キャラっすな!でもこの終盤で新キャラ!?ちゃんと回収できる?物語が後半駆け足になるの嫌だよ?』


『すでに駆け足だろ。でも新キャラじゃない。序盤から登場してるやつだ』


『なに言ってるのさ!序盤なんて私しかいないじゃん!』


『ノブナガ軍の人間じゃない。A・H軍にいる』


『もしかして、、、A・H軍にはバイト感覚でやってる武将がいて、こっちの方が時給がいいよって言えば寝返ってくれるってこと!?』


『時給でもらってる奴がまずいねーだろ』


『じゃあ誰が寝返ってくれるって言うのさ!』


『サルだ』


『サル!?そりゃサルには金銭という概念はないからバナナでもあげとけばいいとは思うけど。戦争の役にはたたないでしょ!ふざけないでよ、ノブナガ!!!』


『本物の猿なわけないだろ。あだ名だ、あだ名。羽柴秀吉のことだ』


『あ、最終形態豊臣秀吉のことね。でも秀吉ってA・Hの右腕で一番の忠臣でしょ?本当に寝返るの?』


『いや、違うな。サルは俺の忠臣だ。それがどんな時代であろうが、どんな世界であろうがだ』





時間は遡り、ノブナガが明智光秀によって琉球に飛ばされ、柴田、羽柴とばったり出会ってしまった場面。


「貴様ノブナガだなぁぁぁ!!!」


柴田は問答無用で目の前のノブナガに斬りかかる。


なぜこんなところにノブナガがいるのかだとかいった事は後回しにして斬りかかった。


細かいことは斬ってから考えればいい。柴田はそんな人間だった。


丸腰で飛ばされたノブナガにとっては絶体絶命な状況。


「ぐはぁぁぁ!!!」


だが柴田の太刀はノブナガに届くことはなかった。


なぜなら背後から羽柴秀吉に斬られたからだ。


「は、羽柴。き、貴様、き、き、気でも狂ったのか?」


「それはこっちのセリフだな。ノブナガ様に剣を向けるとは万死に値する」


「な、何を言って、、、」


「殿の御前だ。見苦しい。さっさと死ね」


一切ためらわず秀吉は柴田の首を刎ねた。


そしてすぐさま馬から降り、ノブナガの前に跪く。


「殿!!!お会いしとうございました!!!本当に!本当に!!!お会いしとうございました!!!」


「やっぱりサル、お前だったか」


ノブナガはすすり泣く秀吉の頭を撫でる。


「サル、、。サル!!サルでございます!!!またそう呼んでいただけるとは、、、。まさに夢のようにございます」


「でもなんでお前がこの世界にいる?」


「儂が寿命を全うし死を迎えようとしていたその時、あの世とのはざまで殿の気配を感じたのです。現世ではないどこか遠くの世界に殿の気配を。震えました。何よりも嬉しかった。殿はやはり生きていたと。第六天魔王にあらせられる殿が明智ごときに殺されるわけはない。やはりそうだったと。ならもう儂に後悔はないとも思いました。ですが安らかに行こうとしたその時、殿の近くに明智の気配も感じたのです。あいつだけは許せない。血眼になっても終ぞ奴の亡骸を見つけることは出来なかった。その時、成仏しようとしていた自分の奥底から再び炎が燃え上がったのです」


『もう一度殿のお役に立ちたい!今度こそお守りしたい!、、、いや、もう一度だけでも殿にお会いしたい!!!』


そして―


『明智を殿の前で頭蓋が見えるまで地面に頭を擦り付けさせ、今度こそ殺してやる』


「、、ル、、サル、、、サル!」


「は、はい!失礼しました!何でしょうか?」


「お前が知っている限りの今の現状、あとはこの琉球で手に入る力について教えろ。知っているんだろ?」


「もちろんです」





「殿は行方不明。そして安土ではランという式神使いを式神と一緒に幽閉しているらしいです」


「はぁ?ランを幽閉?ランに手を出したのか?」


「そ、そう聞いています」


「そうか。あいつらは殺す。それはもう無残に。というかそれ以外の選択肢がなくなった」


急に空気が変わる。


ノブナガは落ちつた様子で殺すと断言した。


「ごくり」


秀吉はノブナガの圧に息を吸うのも吐くのも一瞬忘れる。


そして思い出す。自分が心の底から憧れた男のことを。


魔王とまで呼ばれ、日本中に恐れられ、焦がれられたあの織田信長を。


「の、ノブナガ様ぁ」


秀吉は涙を流しながらひざまずく。


「泣いてる暇はない。行くぞ。ランは必ず奪還する」


「作戦のほうは?」


「おい、サル。わかってるだろ?」


「はい、もちろん。確認しただけです」


「策もクソも必要ない。俺の大事なものに手を出したんだ。力づくで叩き潰してやる」


「御意!」


ノブナガと秀吉はここからかなり無茶苦茶なことをする。


まず隠しステージ琉球で手に入る神話級アイテム『魔法の茶釜』を手に入れるため首里城へ向かう。


魔法のランプはキャラクターたちの生死に関わらない願いごとであれば一つだけ叶えてくれるというチートアイテムだ。


そしてこのアイテムの入手条件は首里城の主である琉球ステージのラスボス『キジムナー』の討伐である。


隠しステージである蝦夷と琉球には独特なうま味がある。


蝦夷なら強力な式神たち、琉球ではチート級アイテム。


そしてノブナガと秀吉は待ったなしで首里城に攻め込んでいく。


ノブナガには一分一秒も惜しかった。


「サル!


ノブナガは信頼しきった顔で振り返る。


これは秀吉にとって何よりも幸福な瞬間だった。


「もちろんです!お任せください!!!」


そう言った秀吉の姿が獣のように変化していく。



羽柴秀吉


レベル 556


職業 猿神


特殊スキル 飛行 天上の眼 魅了 煽動 神獣化



秀吉の能力の一つだ。


いきなり姿を変えた秀吉を見てもノブナガの表情は一切変わることはなかった。


まるで知っていたかのように。


だがもちろんノブナガが秀吉のゲーム内での能力を知っているわけはない。


ただ単純に『サルならそれぐらいやっても当たり前』そう思っているのだ。


本物の戦国時代でノブナガは羽柴秀吉という男にこの何倍も驚かされてきたのだから。


「殿は一直線にキジムナーの元へと向かってください!梅雨払いは儂が!!!」


「頼んだ!」


「、、、はっ!!!」


恍惚な顔で秀吉が答える。


秀吉にとってノブナガから何かを頼まれることはこの世で一番嬉しいことなのだ。


秀吉はキジムナーの配下である妖怪たちを片っ端から屠っていく。


そしてノブナガはなんの邪魔も受けず最短距離でキジムナーの前に辿り着く。


『我の―


「うるさい。さっさと死ね」


ノブナガはキジムナーの登場ゼリフを言わせる間もなく首を刎ね飛ばす。


戦を楽しむいつものノブナガらしくはない。敵の前口上ぐらい楽しそうに聞いてやったはずだ。


だがそんな僅かな時間さえノブナガにとっては許容できるものではなかった。


理由は一つ、ランが囚われているからだ。


何の盛り上がりもなく隠しステージ琉球のラスボスをあっさりノブナガは殺し『魔法の茶釜』を手にする。


「さすが殿です」


そして後ろから返り血で真っ赤になった秀吉が現れた。


「さすがサル。仕事が早いな」


「ありがたきお言葉です」


「では早速このアイテムを使う」


「はっ!」


『茶釜よ。俺たちを安土城へ飛ばせ』

お読みいただきありがとうございます。


『面白そう!』


『続きが気になる!』


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