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パプルの思いと謙信の決意

「謙信様!!!」


ABCD軍と真田軍が勝利したという報告から2時間後、武田軍とアイヌ軍の戦いの結果が報告された。


「武田軍、アイヌ軍は完敗。岡崎城、伏見城は落とされ、A・H軍の侵攻を許しました。雪崩れ込んできます!!!」


「岡崎城と伏見城を抜かれた?」


伝令の報告を聞いた謙信は膝をつく。


「は、はい!両軍の被害は凄まじく、、、」


「ABCD軍と真田軍の援軍は!?」


「間に合わなかったようです」


「そんなバカな!援軍が届くまでは持ちこたえられたはずだ!」


「それが武田軍はあっという間に全滅させられ、アイヌ軍は一瞬でどこかに消されてしまったとのことです」


「なんなのよ、それ。一城でも抜かれたら終わりだった状況で二城抜かれた。もうどうしようもないじゃない」


「謙信様?」


謙信の狼狽え方に家臣が心配そうに声を上げる。


「これから我らノブナガ軍の領地は侵略される。そしてもうそれを黙ってみていることしかできない。それなら一人でも多く逃げなさい。これでA・Hが天下を取るだろうけど、A・Hの懐に入ってその座を奪うことも出来るでしょう」


「何を言ってるんですか!謙信様!」


「もうどうしようもないもの。無駄に死ぬ必要はないわ」


「だ、だったら謙信様も一緒に!」


「それはできない。私はノブナガ軍の軍師。最後までここで戦うわ。私はノブナガについて行くと誓ったんだから」


謙信は儚げな笑みを浮かべる。


「、、、ならば私たちもお供します。あなたがノブナガ様に最後までついて行くと決めた様に私たちもあなたについて行くと決めているので!」


「でもここは死地よ?」


「私たちはプレイヤーです。もし死んだら新しいキャラを作ってゲームを続けます。ただ、今のこのキャラはあなたに忠誠誓ったもの。最後まで貫かせてください」


「、、、ありがとう。じゃあ最後まで悪あがきをしてみましょうか」


「はい、最後まで足掻いてみましょう!」


今まさに本陣の近くまで迫ってきているA・H軍を正面から迎え撃つことを謙信は決めて待ち構える。





岡崎城での武田軍はよく戦った。武田信玄は攻め込んできたA・H軍の大将、池田恒興の首を獲ったのだから。というか敵軍の大将の首を獲ったのだから普通ならここで武田軍の勝利だったはずなんだ。だが武田軍は敗北し岡崎城を落とされる。


自軍の大将を討たれても止まることなく武田軍を倒したA・H軍。止まらなかった理由は一つ。A・H軍には森長可がいたから。


森長可は規格外のキャラである。


そう、本物の一騎当千。


誇張でも何でもなく森長可は本当に一人で千の兵を倒せるのだ。


総大将の首を獲られても長可は動揺することも止まることもなく岡崎城を落してみせた。


策も何もない。ただただその圧倒的な力で。



森長可


レベル 1008


職業 戦鬼


特殊スキル 一騎当千 戦の申し子 超直感 超再生



スキル一騎当千は敵の数が多ければ多いほど自分にバフがかかる。戦の申し子は経験値が倍になるというもの。つまり普通のキャラの二倍の速さでレベルが上がる。


故に桁違いのレベルを誇っている。


「森様!岡崎城は落とせましたが、総大将である池田様が討ち取られてしまいました。これからどうすれば!」


「池田が死んだところでどうでもいい。所詮アレが弱かっただけだ。どうするもこうするもない。進むだけだ。ノブナガ軍の心臓部浜松城を落とす」


当たり前のように長可は答える。総大将が死んだことが何でもないことの様に、いや長可にとっては本当に何でもないことなんだろう。


長可の行動原理は単純だ。


戦に勝つ。そのために一人でも多くの敵兵を殺す。


至ってシンプル。気持ちのいいぐらいにだ。


なんならこれが純粋な武士なのかもしれない。


長可の頭に余計な考えはない。だから迷いもない。


敵本陣へと一直線に進むのみ。


そしてその道に立ちはだかる者は全て殺す。


長可に策はない。だから強い。


考えるという行程をすっ飛ばし、敵将の首を獲るというその一点へと最短距離で駆けていく。


「敵将の首を獲るぞ!ついて来い!」


長可は浜松城を次の獲物として完全に捕らえた。





「駿府城と小牧山城は守られましたが、この伏見城と岡崎城は突破したとのこと!」


「大方予想通りだな。どうせ長可は全速力で浜松城へ向かって行ったんだろ?じゃあ俺たちもぼちぼち行くとしよう」


報告を受けた明智光秀もまた兵を率いて浜松城へと向かう。


ここからは早い者勝ちだ。


駿府城、小牧山城、岡崎城、伏見城。A・H軍にとってはこの四つのうちどれか一つでも落とせれば勝ちが決まるような状況。


そのうち二つを落とせたのだ。


勝ちは決まった。ならば森と明智にとってはどちらが最期の一手を決めるか、どちらがこの戦での最大戦功を上げるのか。あとはそれだけ。


そう、もうA・H軍はノブナガ軍を見ていなかった。決まり切った勝利。ここからは敵ではなく味方に目が向く。


何度も言うがここからは早い者勝ちだ。


ノブナガ軍の敗北は決定したのだから。





「そうか」


現状の報告を聞いて謙信は力もなくつぶやく。


謙信の前には残っている幹部、パプルとぷにぷに大将軍がいた。


「あなた達は忍び。でももう情報があってもなくても変わらない。ノブナガ軍の配下である契約を解除して逃げていいわよ」


「ノブナガ様がいないのに契約解除なんてできないでしょ!」


「おい、お前気付いてないのか?」


パプルの言葉を聞いてぷにぷに大将軍が言う。


「え?」


「最初からノブナガは好きな時に契約解除できるようにしてるぞ?」


「な、なんで!」


「それは俺にもわからねーけど、ノブナガは俺たちがいつ裏切ってもいい状態にしている」


「そ、それこそなんでなんですか!?」


「それは俺にもわからない。でもノブナガは配下を縛ろうとしてはいないように思えた。だから謙信さん、俺は自由だ。従うも裏切るも。俺に選択権がある。そして決めている。最後までノブナガ様の配下でいることを。最後の最後まで」


「もう負けが決まったような状況よ?」


「それでも最後までノブナガ軍でいたい。俺はここにいるのが好きだ。好きなことをしないでどうするんだよ。これはゲームなんだから」


「私はノブナガ様とBLをするためにこのゲームをやっています」


「「・・・はぁ!?」」


「だから私がノブナガ軍から離れることはありません!」


パプルは言い切る。そこには気高ささえも感じられた。この土壇場においてもパプルのオリジンは一切ぶれていないのだ。


「「あ、そ、そうなんだ」」


パプルの熱い言葉に謙信とぷにぷに大将軍は考えるのを辞めてそう答えるしかなかった。


「ま、まあ理由はこの際なんでもいいわ。覚悟があるのならここで最後まで戦いましょう!!!」


歯を食いしばって、なんとか無理やり、無茶だろってぐらい無理やりに気持ちを立て直し、謙信はA・H軍と真っ向勝負をすることを宣言した。

お読みいただきありがとうございます。


『面白そう!』


『続きが気になる!』


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