デート回、巻く
様々なデートを通して絆を強固なものにしてきた私とノブナガだが、今回は少し趣向を変えたデートを計画している。
そろそろ二人の絆を形あるものにしたい。
ここでそこそこのカップルならペアリングとかを買うのだろうが、私とノブナガほどの絆を表現するには既製品では力不足だ。
私たちの絆を可視化するとなると手作り以外の選択肢はないだろう。
そこで目を付けたのがこれだ!
「陶芸!?」
「そう!私たちは夫婦茶碗を作りに行きます。行き先ですが色々吟味した結果、山口に行って萩焼を作ろうと思います!」
「茶碗つくりに山口まで行くのかよ!」
「京都の楽焼も考えたけど、せっかくのデートなんだから行ったことないところに行こうということで!」
「いや、デートってか旅行だろ。これ」
「もう私たちレベルのデートとなれば一般人の旅行に匹敵するということだよ!!!なので山口行っきまーす!!!これは決定事項でーす!異論は認めませーん!」
「マジかよ」
*
ぞんな感じでやってきました。
ヤ・マ・グ・チ☆
「よし!陶芸教室は明日の午前中に予約してるから、今日は思いっきり観光だー!!!」
朝一の新幹線でやってきたのでまだギリ午前中。せっかくの旅行だから食事は全て山口のご当地メニューで統一しようということで、今日はまだ何も食べてない。
「さっさと飯にしよう。朝から何も食べてないからいい加減腹が減った」
「もちろん私もペコペコさ!その辺を歩いている人間たちが食肉に見えるほどにね!!!」
「いや、こわっ!!!さすがにそこまではいってない」
「よし、それじゃあそこで食肉が客引きをしてる店に入るとしよう!」
「だから怖いんだって!」
私たちはフグ料理屋に入った。やっぱり山口に来たらこれでしょ!
「うん、食ったことなかったけどフグ美味いな」
「それこそこれから戦う徳川家康はフグの毒で死んだらしいよ」
「ああ、その話本当かどうか怪しいらしいぞ」
「え、そうなの?」
「まあどうせ死んでるんだから死因とかは別にどうでもいいけどな。というか興味ない」
「でも盟友だったんでしょ?」
「また一緒に飲みたいとは思うが、もう居ないんだ。残念だが、それだけだ。死んだ理由なんて別にどうでもいい」
「ふーん、そんな感じだ」
「何ならウケる死に方をしてる方が笑える。フグはかなり間抜けで面白かったんだがな」
「今ググってみたら天ぷらの食べ過ぎで死んだ説もあるらしいよ」
「お、そっちの方がいいじゃん。まあまあ面白い!やるじゃん、竹千代」
「まあよくわかんないけど、食べ終わったならホテルに戻って今日は早く寝るよ!本番は明日なんだから!」
「、、、茶碗作るだけだろ」
「ただの茶碗じゃないよ!め・お・と茶碗!」
「わかってる、わかってる。夫婦茶碗ね」
「全然心がこもってないんだけど」
「大丈夫。こもってる、こもってる」
「ちゃんと本気で、というか天下取りぐらいの熱量で作ってよね!」
「オッケオッケー」
「だから軽いんだってば!」
*
「よし、できたな。夫婦茶碗」
「え?」
なんか夫婦茶碗を作る過程が丸々カットされたような感じがするんだけど。
「どうしたよ?夫婦茶碗できたぞ」
「う、うん。それはそうなんだけど」
わかるよ。確かに茶碗づくりを詳しく描写されたところで誰も興味ないのはわかるけど、それにしてもあっさり出来過ぎじゃない?
*
「帰りの新幹線もうすぐ来るぞ」
え!?また時間が一気にとんだ!?茶碗作りも盛大に飛ばされ、日にちも一気に飛んだんだけど。
これ完全にデート回巻かれてない!?
徳川との戦いを早く見たいのはわかるけどさ。
でもこの私とノブナガとの絆が深まっていく過程も同じぐらい大事だと思うんだけど。
*
「ラン、いよいよ徳川との戦いだな」
あ、また飛んだ。
いつのまにか帰って来てた。というかもうゲームの中にも入ってるし。
さすがに端折り過ぎじゃない!?
え、そんなにデート回つまらない?
「おい、ラン。ボーっとするな。戦だぞ」
はいはい、わかりましたよ。戦すればいいんでしょ。やりますよ。
「はいはい、式神たちを動かせばいいんでしょ?」
「まあそうだけど、なに不貞腐れてんだよ」
「気にしないで。私はどうせ都合のいい女よ。どの式神をどこにアレすればいいの?」
「ちょっと待て。その前にやって欲しいことがある」
「え、キス?」
「ウヌカルと二人でちょっくら海に出てくんない?」
「華麗にスルーですか。わかりましたよ。海にでればいいのね。え?海?」
「ああ、船やるから海に出ろ」
「え?」
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