87話:ケケケ怪獣の捕獲
「アラタ、やっぱり、ケケケたちの放牧は、やめる。また気が変わるかもしれないけれど。
それで3匹は眷属化してみる。(もしかしたら連れていけないかもしれない。)」
夜の森
ホーホー、ホーホー
ウッキッ、ウッキッ
ケケケケケッ、ケケケケケッ
・・・ウッキって鳴くものが気になる。
「梢、行くぞ!」
「はっ。」
「今夜の任務は、よさげなのを3体確保!アメーバ網でよろしく。」
「お任せください。」
そして・・・捕まえた三匹を目の前にして。
「梢、この者たちと意思の疎通はできる?」
「やってみます。」
「眷属になるなら衣食住を保証すると伝えて。
ここの凰桃を与えて、草食なら喜ぶでしょう?・・・多分。」
「姫、2人は肉を食わせてくれるなら、諾、と。」
「え!・・・食わせると伝えて。」
「姫、風呂に入りたい、布団で寝たい、叶えてくれるなら、諾と。」
「え!!・・・・・叶えると返事で。」
「梢、彼らにバングルをはめて。」
「タロー、ジロー、風呂&布団の子はサブローで。」
「あのね、私は、この界と類似した珍界を拠点としているの。
おそらく、そろそろ強制的に・・・」
「キタ━━━ヽ(∀゜ )人(゜∀゜)人( ゜∀)ノ━━━!! 」
(チンアナゴ回収してっ)
「おかえりなさいませ。」
「椿、ただいま。これ、部屋に頼む。」
「私がいただいても宜しゅうございますか?」
「え!貰ってくれるなら、ありがたい。」
「ありがとうございます。そちらは、新しい眷属ですね、歓迎致します。」
チンアナゴたちは、椿のストカールームの住人(魚)となった。
椿同様、ジンフィーリアのことを見守ることとなる。
そろーっと三ローを見る。
ほっ、人間体だ。外見は鱗・羽なし。
ジンフィーリアは男に変身し、「食事しながら話そう。」と言った。
<慰労会>
参加者:アラタ・蓮殿下・ヴィオ(柊分体によるスラオムツ装着中)・梢・柊・3ロー
「皆、お疲れ!」
発泡酒で乾杯する。
ヴィオはメエから、ミルクをもらっている。
タローとジローは、ガツガツと肉を食べ続けている。二人は筋肉美女に見える♂だ。
サブローは、黒髪・涼しげな目元のさわやかイケメン。(byアラタ)
アラタ「草食だったんじゃあないの?
サブロー「肉食獣です。飯がうまくて泣きそうです。あの、鏡を見たいのですが。
姿見を出してやる。
サブローは鏡の中の己を見、ホッとしたようだった。
サブロー「人間に戻れて嬉しいです。
ジン「風呂と布団という言葉が出た時に、そうかと。
蓮「もしかして、異世界から?
サブロー「そうです、周りに居たものから判断しても。気がついたらあのヴェロキラプトルになっていて。
アラタ「転生ではなく、魂の転移?
サブロー「うーん、死んだ覚えはないのですが。と言っても思い出せないことも多いです、名前とか。
違和感がないので以前もこの姿だったのかもしれません。あの桃を食べたら思い出したんです。
人間だったと。
ジン「すまないが、今は人間体になっているだけで、ヴェロ・・ケケケ怪獣に戻れるし、それがれっきとした本体だ。
サブロー「二度と戻る気はないです、干からびた鳥のような爬虫類顔なんて、ひどい。
アラタ「肉食なのに、なぜ肉を食べてなかったの?
サブロー「あそこでは、単純にヒエラルキーの底辺にいたってことですね。
((ヒエラルキー・・。))
アラタ「つまり、ヴェロキラプトルたちは、どっかから、ごっそり転移させられたってことかな。
サブロー「俺は、そう思っています。
蓮「なら、そこで浮かんでるヴィオは、よだれものの馳走だっただろう?なぜ食わずに消滅させたんだ?」
サブロー「あの赤ちゃん、腹たつことばっかしてきて、怒りが突き抜けちゃって・・・
ザマーミロってスッキリしたものの、あとで食べればよかったと後悔したんです。
でも今は、人を食べなくてよかったと思っています。
ジン「ふーん、サブローがヴィオを消滅させたんだな。まあ、生きてるからいいが?
サブロー「えっ、いや、その・・。
アラタ「本能より怒りが勝ったんだ。知能が高いよね、君だからかな。
ジン「おい、タロー、ジロー、飯は美味いか?
コクコク頷く二人。
ジン「なんか、話してみろ。
タロー・ジロー「・・・
柊「姫、我らと違い、急に眷属になったのです。しばらくかかりましょう。
ジン「ここに置いておくか、しばらく。食事の作法は悪くないな。
アラタ「そうだね、ヴェロキラプトルの姿から想像するときれいに食べてるよね。
ジン「タローとジローは皆が放っておかないだろうから、心配ないな。イロイロ教えてもらえるだろう、強制的に。
次は約束の2つ目、風呂に行くぞ、サブロー。
サブロー「はい!!
サブロー「はああ〜。気持ちいい〜。
ジン「それは、何よりだ。あとで、ここでの部屋を決めるといい。
ここは我らの拠点だが、もう一つの拠にいることが多い。そのうち呼ぶから手伝ってくれ。
頷くサブロー。
蓮「なあ、帰りたくないのか?
サブロー「え、ヴェラキラプトル姿で帰ったら、実験材料にされるだけですから。帰りたくないです。それに、これからは楽しそうですから。
蓮「そうか・・・。
ジン「・・・サブローはどんな仕事がしたい?考えておいてくれ。
ヴィオは飛んだまま、眠りかけている。
ジン「明日の朝、邸へ帰る。では、皆、・・健闘を祈る!
ヴィオを抱いて、自分の部屋へ行く。
ヴィオを寝かしつけ、椿の元へ急ぐのだった。




