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84話:付属界にて

「アラタ、付き合わなくてもいいのに。」

「いやいや、興味津々だよー。」


「ねえ、今更だけど、蓮救出時、ゴウル1人でも大丈夫だったんじゃ?」

「うん、そうかもしれないね、でも防御に不安がなかったから3人で1回だけ!ドーンでいいかな、と。

それに3色の方がきれいじゃないか。」


「あ、そうね、見た目大事ね、せっかくの大技現象なのだから。」


「ところで、蓮はともかく、その背中のヴィオも連れて行くの?」


「私から離れると泣くのよ。泣き叫ぶヴィオは、誰もなだめられないって言うの。

分身体は、これから行く場所を考えると不安要素いっぱい、やめておこうと思ったのよ。

まあ、いっときのことだと思うのだけれども、人見知りなんて。

さあ、蓮のところに行くわよ。」


(人見知りじゃなくて、姫のことが大好きなんだろうな。)




「蓮、こんにちは。」


「・・・。」


「体は、内側も回復しているようね。でもまだ話せないのね。・・少し荒療治しましょう。

心配しないで、私もそれで話せるようになったのよ。」とニッコリするジンフィーリア。


(え?蓮にナニする気?)


「精霊王、感謝するわ。蓮は連れて行くわね。」


『ああ、よしなに。』




<珍界:付属界ゲート前>


クリアスライムたちが微睡んでいる。


「誰か、付いてくる?」


一匹がぴょんとジンフィーリアの肩に乗る。


「おまえはしょうよ。」


ヴィオのお尻をぽんぽんと優しく叩いて、「おまえはしゅう。」




「長いと飽きるから、『1日』にするわ。アラタもそれでいい?」

「ああ、構わないよ。」


「さあて、みんな行くわよ。」蓮と手を繋ぎ、ゲートをくぐる。




「まずは、ぐるっと見て回りましょう。」


「一族の者には、見知った顔はいないわね。師匠への対価はアラタが払ってね。」


「えっ!俺一人で??干からびちゃうよ〜。」

「頑丈な鬼人族が何言ってるのよ、白々しい。」


「蓮・・・。」


(蓮を凝視して、どうした・・?)


「蓮、あなた・・精霊に近い高位の存在とはいえ、実体があるし・・それに付いてるわね。

なら、蓮も対価を払ってちょうだい。よかったわね、アラタ、同志が出来たわ。」


(えええ!愛らしい妖精猫になんてことを!)


「アラタ、蓮、師匠を選んで。何人選んでもいいわよ。」

「っ・・2人で十分。」


「蓮の心は、まだ何処かを彷徨っているのかしら?」

「そうみたいだね。」


「なら、逆指名で!・・師匠方!この子の師匠になりたい人いる?」




ーーーーー




付属界1日目の夜、集合して飯食い中。




ジン「お疲れ様。明日からは、梢と柊にも師匠を付けるわ。


アラタ「へえ、取り込んだバングルが透けて見えるね。


ジン「そうなの、だから死に戻り機能が使えるわ。それに念話が使えるようになって会話が楽しいのよ。


アラタ「・・・世界一物騒なスライムが誕生しそうだね・・・。


ジン「さっきから、何睨んでるのよ蓮。


蓮「おまえのせいで、俺は!・・・・。


ジン「(普通に話せるじゃない。)蓮の師匠方、何が?


蓮師匠3人のうち一人Aが代表して言う。「初っ端からドラゴンブレスにあたり、塵芥と化した。」


蓮師匠B「ぼさっとしてるからよ。


蓮師匠C「心ここに在らずだったからな〜。


蓮師匠A「死に戻り、目に光が灯って、話すようになった。


ジン「よかったわね、蓮。


蓮「お、おまえ!他に言うことはないのか?


ジン「しっかり象徴があるってことは、あなたたちは、交尾で増えるの?自然に生まれた存在ではなく。


蓮「ああ、そうだ。・・・じゃなくてだな!


ジン「!!・・もしかして異世界の存在?


蓮「師匠たちの話からするとそのようだ。


ジン「師匠方の話は、適当に流したほうがいいわ。


「「「ひどっ!」」」




蓮は、気付いたら囚われていたらしい。はじめはしっかり意識があった。


が、私たちが助けた頃は、意思がある時と曖昧な時を繰り返すようになっていたらしい。


(まだらボケ、痴呆症状の初期のようなもの・・?)


(姫、蓮は脳の病気じゃないよ。まあ、あのままだったら、近い未来に曖昧な存在になってしまったかもしれないけれど。)


蓮は、異世界・精霊族の王族だそうだ。




アラタ「では、蓮殿下と呼んだほうが?


蓮「苦しゅうない。


ジン「ぷっ、バカ殿みたい。


蓮「はあ?


(姫、バカ、はつけなくてよいと・・。)


蓮師匠A「ああ、記憶玉を視るといい。


ジン「!!!ここにもあるの?


蓮師匠A「? あるが?


ジン「・・・そう。


(・・考えるだけ無駄ね。)




そして、蓮は、師匠たちに連れていかれた。健闘を祈る・・。




ジン「アラタは、初日どんな修練を?


アラタ「師匠たち超スパルタで。死にかけたよ。

ジン「あら、死んだほうが『力』が手に入るわよ。私は死ぬわけにはいかないけれど。


アラタ「そう、、、なんだ、、、、、。姫こそ、今日はどうしてたの?


ジン「メエとモウにヴィオにおっぱいあげてもらいながら、この体でドラゴンブレス吐けるか試したの。

山に向かって。どうせ修復するからいいと思って。そのあとは梢と柊の闘いを見てたわ。


アラタ「それでブレスは?

ジン「問題なく出たんだけれど、梢と柊が絵面的によろしくないと言うから。

封印することにしたの。

でね、お返しみたいにどっかからドラゴンブレスが来て、ヴィオのことは、サッと助けたんだけれど。

・・・メエとモウが熱蒸発しちゃって・・・。


アラタ「えええ!!!どうすんの!あの不思議生物は復活できないんじゃ・・。


ジン「私もそう思って、メエ、モウ、ごめんて謝ったら、

はいはい〜って呑気に走ってきたの。


アラタ「・・・そうなんだ・・。


ジン「彼女らだけは、どの時間軸でも全く同じ姿よね。あ、そうだ、凰桃の木もどきもあったわ。


アラタ「もどき、とは?


ジン「ただ中身の色が違うだけ。けれども果肉が青いのはちょっと、ね。蛇の舌を思い出しちゃった。


(その蛇を食べるくせに。)


ジン「一応、希凰桃ごと収穫したわ。


アラタ「希凰桃!よかったね。手持ちがもうなくなる頃じゃ?


ジン「あ、言ってなかったっけ?希凰桃も複製できるのよ。とても貴重だと周りには言っているけれども、本当は、在庫がふんだんにあるの。


アラタ「なっ・・・。どうりで。知らない奴にもホイホイよく使えるなぁと思ってたら・・・。


ジン「凰桃を液体化して、劣化版となったそれを商会で売り出すことも考えてるわ。


アラタ「それはいいね、ただ、値段設定は従来のものを邪魔しないようにしないと恨まれるよ、姫。



ジン「それはそうと、『10倍で呪い返し』の機能を追加したいわね。早めに解呪と召喚をものにするわ。早ければ、数日で帰ることになるかもしれないし。


アラタ「本当に興味深いよ、ここ。現実世界での時間経過を指定し、その後飛んだ世界で何年過ごすかは、ランダムなんて。話に聞いてたから、姫が復活したら是非来てみたいと思ってた。


ジン「一応、指定期間が長いほど、飛んだ先で過ごす時間は長くなるのよ。比例しているってことね。

・・・以前は、そうだったのよ、でも、今回は、ちょっぴり不安なの。


アラタ「ええ?・・・・・でも、まあ、実際は1日な訳だし。


ジン「滞在期間100年なんてやだわ。飽きちゃう。・・大変!ヴィオの寿命が尽きちゃうわ!!


アラタ「・・ここに連れてきた時点で眷属化してるじゃないか。


ジン「あ、そうだった。・・本人の意思は未確認だから、将来謝るわ。

でも、・・私から離れられないヴィオにも責任があるわよね?ねえ?ヴィオ。

ふふ、可愛い。


アラタ「メロメロだね〜。


ジン「まあね。ヴィオだけは、どのタイミングでも好きなだけモフらせてくれるかもと思うと。ふふふ。


アラタ「・・・。




そして、アラタも師匠たちに拉致られていった・・・。





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