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83話:遺族の元へ

(日時が決まりました。引渡し役は私が選ばれました。)


(OK。ところで、亡くなった騎士爵家2人の生年月日を知りたいの。)


(?・・調べて連絡します。)






[ザクセン王国王都・遺品引渡しの日]




騎士爵家に向かうクース横に、美少女の影あり。


まずは、指輪の騎士遺族に会う。




家の中に通され、遺族3人と対面に座る。


遺族側:両親・弟(街の騎士団所属

対面:クースとジンフィーリア




簡単な自己紹介の後、亡くなった経緯を話す。


クースがテーブルに、白いハンカチに包まれた遺品を置く。


母親が躊躇いながら、包みを広げる。


まず遺髪が遺族の目に入る。涙を溜め、2つ目の遺品を見る。


「「!!」」「ひっ。」


青褪めた妻を抱き寄せる夫。


「これは・・息子の指?」夫の言葉にさらに青ざめる夫人。


ジンフィーリアが答える。「はい、このままでも100年不朽で在り続けること可能です。」


「どうして、こんな・・。」


そこでクースが、ジンフィーリアが1,800体ものゾンビ犇めく中に飛び込み遺品を探し回収したこと、彼女がやらなければ遺品はここにない。他の者には不可能だったことを話した。


この遺品には、ジンが時間をかけ丁寧に魔法を施したということも伝える。


遺族たちは、心より感謝したが・・・感謝したが、目が指に張り付いて離れない。


「この状態では、生々しくてお辛いですか?」


遺族たちが躊躇いがちに頷く。


「では、こうしましょう。」


指輪+指が一振りの剣に変化した。鍔部分には、指輪の装飾が施されていた。


「「「!!!」」」因みに、クースも驚いている。


「さあ、どうぞ。」と死んだ騎士の弟アベルに差し出す。


躊躇いながら受け取り、「こ、これは・・ミスリル?」と声が出る。


ジンフィーリアが肯首する。



「それとこれは、私の手作りです。」


ジンが箱を出し、フタを開けて中身を見せる。


「酒のつまみの盛り合わせです。3つずつ入れてありますので。」


((うまそうだ・・)) (きれい・・・。) もう『指』のことは、どこかにいっていた。


そして、ワイン3本をテーブルに置くジン。


ラベル側を見せ、「亡くなられたご子息の誕生年に作られたワインです。」と言う。


見ると、確かに息子(兄)の生まれた年が刻印されていた。夫人の目から涙が止めどなく流れた。


「このワインを飲みながら、故人を偲ばれてはいかがかと・・。」



「これも私からです。」と袋を置いた。


クースに目で合図して、静かに騎士爵家を後にした。



ジンたちが帰った後、落ち着きを取り戻した遺族たち。


父親が袋を見てみようと言うので皆で中身を見た。


「「「!!・・・・。」」」


ロジウム金貨(*)が5枚入っていた。




(*)ロジウム金貨1枚 = 金貨100枚






次に向かう。


母親と弟(ウィル、故人の5歳下) 、故人の父方の祖父母。妹2人はここにいない。




対面に座り、自己紹介後、遺品の包みををテーブルに置くクース。


今回は躊躇なく包みを開く。


ベルトが現れる。母親は、ハッとし、涙ぐむ。


次に、宝石のように美しい眼球が。[いつのまにか飴玉から宝石にグレードアップ!]


「「「「!!!」」」」


(おおっ、さすが!この母親は肝が座っている。)(注 : クース心の声)


(肝っ玉母ちゃんて感じですね。老夫婦も年の功といったところでしょうか。)(注 : 隠密中、楓心の声)




「これは、息子の・・?」


「はい、殉死されたご子息の瞳です。」


(この付添の男、段々と動じなくなってきたな。)(注 : ジルバ心の声)


因みに、子が3人いるからと癒し要因で呼ばれた。子虎姿だが無駄になった模様。


(若返っていますし、『耐性』を手に入れたかもしれませんね。)



クースは、死亡となった経緯を話し、またしてもジンフィーリアの努力を今度は熱く語った。


「俺も兄さんのような騎士になる。」


(あれは、守らなくていいですからね。)

(むしろ、守るな。)


「では、剣が必要ですね。」(二人とも聞こえてるから。)


そう言ってジンは眼球の入った小瓶に触れる。


淡く発光した後、そこには剣があった。鍔には眼球と同じ色合いの宝石が埋め込まれていた。


「「「「!!!!」」」」


そしてつまみアソートを渡す。[4人+ジジババ2セットの全種各8つ入り]


ワインは6本出す。


故人の生まれ年のワインと告げる。


ロジウム金貨入りの袋をテーブルに置く。


袋にはゴウルとジルバ(向かい合ってのウィリー状態、頭上には王冠)が刺繍されてあった。

これは、これから立ち上げるタイガ商会のエンブレムとなる。


皆が静かに泣いている中、そっと席を立ったジンフィーリアたちであった。






瑠璃「鞠、あの時の映像は勿論あるんでしょう?


鞠「当然にゃ。


瑠璃「椿様に売れます、素晴らしいお礼がもらえますよ〜。


鞠「そうにゃんか!瑠璃も見る?


瑠璃「もちろんです。


瑠璃「椿様の偉いところは、価値の高い映像の独り占めをしないことですね。

まあ、姫様の素晴らしさを共に分かち合いたい気持ちはよくわかりますから、きっとそれでですね。


(見せびらかしたいだけじゃないかにゃ。)




椿は、鞠からドラゴン変体時の映像を受け取った。


対価は今は、いいにゃ。と鞠は言った。

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