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77話:断罪劇

[エース兄弟の元パーティーメンバー断罪]


元メンバーA・Bと新メンC・Dの2人



ギルド前で公開裁判となった。


催しがあるとしか聞いてなかった冒険者たちは、ざわつきながら始まりを待っていた。



議長:ギルドマスター

傍聴席:百合、青年獣人化ゴウル・ジルバ、楓、他冒険者と街の人




A〜Dが場に連れられてきた。


4人は、何がなんだかわからない状態。周りを見て狼狽えている。




ギルマス「この4人は、ダンジョン中層で戦闘中に足を滑らせ崖下へ転落したアランをエースが追っていった、戦闘中の怪我もあり生還は絶望と報告した。おまえたち、その報告で間違いないか?」



4人は、顔を見合わせながら、頷いた。



ギルマス「エース、アラン来てくれ。」


2人が登場する。



「「「「「!!」」」」」


「生きてたのか!」

「どういうことだ? 」


「つまり・・・。」

「あいつら!」ギリリ!!


冒険者たちは、犯罪者認定した者たちを睨んでいた。


(でも、生きていてくれてよかった。)

(彼女たちのことを考えると、ホッとしたわ。)




「「「「・・・・・。」」」」


4人は、驚愕し目を見開いたあと、目に見えて真っ青になりガタガタ震えだした。




エース「俺たちは、そいつらに背中から毒のナイフで刺された、そして、両足を潰されて崖下へ突き落とされた。」



ここで空中に映像が現れる。



体を青黒く変色させたアランが横たわっていた。グシャグシャに潰された両足も映る。


そしてアランが薬を与えられ、白く発光したあとの奇跡のような回復を皆が目の当たりにする。


その後、「エース!」と穴に向かって叫んでいるアランが映る。




場面変わって。


腹の膨らんだ巨大蛇が映し出される。


!!!


「なんだあれ!」

「何か食ったのか?」




蛇の腹が裂かれ、エースが引っ張り出される。やはり、変色した体・潰された両足の態だった。


!!!!!!


「エース!」

「エースだっ!」



そして、エースが生き返り、薬を与えられ白く発光し全回復する。ここで映像が終わる。


しーん


・・・どよどよっ


(・・もう驚きすぎて、どっから突っ込んだらいいのか。)

(何を見せられたんだ、俺たち。)

(あの映像、魔導具、なのか?)



ざわざわ、ざわざわ




ギルマス「皆の想像通り、2人に与えられたのは欠損部分も治るという伝説の霊薬だ。

そして、エースを蘇生させた方法は俺たちでも可能だ、ただし蘇生できるかどうかは半々だそうだ。」


「死亡してからの数分が明暗をわけるらしい。ちなみに、これがエースを丸呑みした蛇だ。」


と言いながら、蛇の頭、胴体と見せていく。



!!!


「どこから、出したんだ?」





A「だから、即死毒にしろと言ったんだ!あいつらが無茶苦茶頑丈なの知ってるだろ!」


B「だからだよ!人外並みに丈夫だから落ちたくらいじゃ死なないと思って、足を潰して動けないようにして長く苦しませてやりたかったんだよ!それで選んだ毒だ!おまえだって、納得したじゃないか。」


(あいつらだけ、いい思いしやがって・・。絶対に許せなかった。)


C「黙れ!おまえのいらん小細工のせいで俺らも終わりだ!」


D「これ以上余計なことを言うな、罪が重くなる。」


C・Dは顧客たちが助けてくれると思っている。

今まで多種多様な要望に応えてきた、俺たちの存在を手放すには惜しいはず 、と。



この空気の中、暴露発言するA・Bは愚かでしかない。



ギルマス「罪状は明白だ。追って沙汰する、4人を連れて行け!」


(では、食材は返してもらうわよ。)

(! 了解だ。)






(角の生えた、人間?)


(獣が喋ってる・・・。)


(蝶のような羽!!のある美少女・・。)


(崖に底があり、さらに深いところもあったんだ!)


(色々と衝撃すぎる、何者たちなんだ?)



エースとアランもこの映像を見て、衝撃に震えていた。通常助かるはずがない。

関わったのが、あの姫さんだからこそ、俺たちは助かったと改めて理解した。




翡翠館で、ステラ姉妹も断罪の様子をリアルタイムで見ていた。


(あり得ないわ!あの状況で生還できたのだ。ああ、ありがとうございます。感謝してもしきれません。)


(姫様がいなかったら・・・。姫様、一生をかけてご恩返しします。)




なのに姫様は・・・。


「生還できたのは、彼らの運と執着よ。」

「執着?」


「よっぽど、あなたちのこと、誰にも渡したくなかったのね。愛されてるわね~。」


姉妹は頬を染める。


「それと、心臓が止まると遅れて脳が活動を止めるの。蘇生しても機能障害が残ることもあるの。」

「機能障害?」


「そう、半身麻痺だったり、言語が不自由になったり・・・。治癒できる薬があるなり、それを手に入れる力がある人はいいけれど。」


「「・・・。」」


「あと、そうね、男としてダメになったり・・・。」


「男としてダメ・・?・・・あっ。」セーラとステラは顔を赤くした。



「でも大丈夫だったでしょう?確認済みよね?」と笑みを深くして言うジンフィーリア。


さらに真っ赤になる姉妹。




落ち着きを取り戻した、ステラたちが問う。


「どうして、助けてくれたんですか。ダンジョンにまで行って。しかも未知の崖下へ。」

「私たちとは縁もゆかりもないのに。」


「獣人だからかしら。私は獣人たちを愛しているの。勝手な押し付けだけれどね。貴女たちが獣人でなければ無視したわ。」


姉妹は、姫様ったら・・・、誰にでも手を差しのべるお方でしょうに、と思った。




ジンフィーリアが言ったのは真実だ。


百合はギルドで、偶々、あるじの好きな獣人(姉妹)だったから興味を持った。


冒険者ギルドでの死亡事故は日常茶飯事、気にしていたらきりがない。



獣人至高主義のジンフィーリアは、他を差別しているとも言えるのだが、まあよいということにしておこう。



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