70話:フィリア邸改造と新従業員
ドラゴン騒動の翌朝、ジンフィーリアは、早い時間から邸改造に着手した。
フィリアの大切な者たちに、悪意を持つものは邸に入れないようにした。
安全なわけだが、それでも趣味で隠れ部屋等を造った。
さらに、司令塔室を創った。有事に備えるためだ。
邸自体に回数制限のない超変質も加えた。
外壁等も臨機応変に質・高さを変えられるようにした。
そして珍界へ行き、連れてきたものたちを放った。
きれい好きなクリアスライムだ。別名:潔癖君。
大抵は厨房や風呂・トイレに多く集まる。
風呂に入るだけで寄ってきて勝手にすべすべな肌にしてくれる。
この邸ではルールが異なるが、これはやらなくていい、やっちゃダメと1匹にだけ教えておけば問題ない。
全部に即時に伝わるからだ。
これから獣人の孤児を引き取ることでもあるし、安全にも配慮してもらおう。
例1:木登りしていた時に落ちたらクッションとして機能してもらうなどのお助け要員。
例2:プールで遊ぶ時、浮き輪になってもらうなどの便利要員
『見た目は邸やしき・実は難攻不落の要塞城!!』完成なり!
後々、合体ロボも作ろう、フフフ。男の子のヒーロー!!
忍者装束とかもいいな、よし!隠密部隊を作ろう。
さて、バトラーが来る前に、家を用意しよう。
5人家族だったな。来客が泊まれるようにもしておこう。
従業員部屋もいるな。
長男は結婚が近いかもしれない、それも用意しておこう。
誰もがプライベート空間は欲しいはず。
カップル用に、それぞれの個室から入室できる寝室を用意しよう。
その部屋のベッドは特大、家族風呂を用意。
取り敢えず2セットでいいかな。
時間が余ったので、孤児たちの住居も構築。
一定年齢以上になったら個室に移動できるようにしよう、思春期はイロイロある、配慮は大事だ。
遊び重視だが計算などを学ばせ、侮られないようマナーも教えるべきだな。
『性状はやんちゃ、実際は貴族並みの所作』うん、これでいこう。
あとでスラムに捕獲、いや保護に行こう。
ああああ楽しみ♡
子供なら耳を長く触らせてくれるかもしれない。もしかしたら、尻尾も許してくれるかも。
そしてそしてもしかしたら、無制限おさわり可能な子もいるかもしれない。はう〜。
ここにも潔癖君に来てもらおう、子供は汚すものだ。
家に入ると玄関で自動洗浄されるようにしておく。
1日に何度も風呂へ入れるのは大変だからな。
子供の面倒を見てくれる人を探さなければ、求職ギルドに依頼するのは最後にして、まず自分の足で探すか。
瑠璃は、今日も求職ギルドへ。
急ぎで今日から働ける人を紹介してほしいとギルド嬢に告げる。
メイド3人と料理人1人。
ギルド嬢「本日からですと、全員獣人でしたらご紹介できます。ただメイドは2人しか、
それもメイド職業訓練済みですが実動は未経験です。
瑠璃「その訓練は、自費で受けたのですか?
ギルド嬢「2人ともそうです。
瑠璃「ではその費用はこちらで用立てます。
ギルド嬢「よいのですか!2人とも喜びますわ!
瑠璃「3人といつ会えますか。
ギルド嬢「即可能にございます。即日から働けるものは毎日ギルドで待機しているのです。
因みに待機時間等は3時間以内で本人が自由に選べます。
それをこちらで調整し予定表を組みます。
運の良いものはタイミングよく仕事が決まります。
先の3人は只今待機中にございます。
3人が連れられてくる。3人の希望条件が記入された用紙に目を通した。
瑠璃は3人と面談し雇うことを決める。
メイド2人は、訓練費用のことを聞き喜ぶ。
そして給与は、希望の3倍で雇うとメイドに伝える。料理人には5倍と伝える。
(獣人の立場はひどいものですね、あの希望給与でないと雇主が現れないということですか。)
3人とも泣きそうになって喜んでいた。
【フィリア邸内バトラー邸】
瑠璃は3人を従業員フロアへ案内し、好きな部屋を急ぎ選ぶように言う。
3人は雇用主の気が変わらないようにと慌てて部屋を決める。
瑠璃は3着ずつ制服を渡す。
まずは、料理人を厨房に案内する。
今ある食材や器具を確認し、なくて欲しいものは紙に書いておくよう告げる。
メイドたちに各部屋を案内する。
その後、全員で厨房に集まる。
コックは、器具は問題ない、寧ろどう使うかわからないものがあると言った。
食材はしばらくはあるもので事足りるようだ。
3人に指輪を渡しはめるように言う。
この指輪に給料を振り込みます。
給料日は月末ですが、今月は1ヶ月分を先払いします。
数日過ぎていますが即勤務を決めてくれた礼金と思ってください。
「「「給金のことを喜びつつも・・・???」」」
指輪の使い方を教える。
指輪にはあなた方の名が彫られています、他人には使えません。
給与が既に入っていることに驚く。
コックは、食材購入に収納機能は大変ありがたいと喜んでいた。
「あ、先ほどの足りないものですが、指輪を利用して伝えてくれても構いません。」
「は、はあ。」
「で、本題ですがあなた方はここバトラー邸で勤めてもらいます。
バトラーは、奥に見えたフィリア邸のバトラーです。私はフィリア邸におります。
あなた方の主人はバトラー家族です。忘れないように。
彼の家族構成は、奥様、お坊っちゃま2人、お嬢様1人です。」
「今日おそらく1時間以内にバトラーがここに来ます。
自己紹介後、メイドたちは各部屋をご案内するように。
それが済んだら、3人は自分の荷物を取りに行きなさい。
収納には家具も入りますからね。そのままぶっ込んでここへ戻ってくればいいのです。
その後は、各自部屋の片付けをするなり自由に過ごしてください。
勿論、入浴もしなさい。」
メイドを見て、「浴室だけは、掃除不要です。いつでも入れます。コックにも風呂等部屋のことを教えておくように。
フィリア邸の姫様は汚いものが大嫌いです、毎日お風呂を使うように。」
「「「!!!」」」
「コック、軽食を作って3人で食事するように。」
「メイドたち、食後お茶を入れて3人で飲みなさい。」
「あなた方の主人はこの邸の方々です、それを忘れないように。
では、後で。」




