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68話:ドラゴン鑑賞会



キラ皇太子は、まだかな、まだかなと子ドラたちが来るのを待っていた。

外が騒がしくなってきた。

「うわああ、ドラゴンだーーーー!!」

「騎士を呼べー!!」


なぜ、ここに来ず騒がれておる?

焦って騒ぎの方に行くと、、、、大きな金色のドラゴンが降り立っていた。

「・・・・・。」


「あ!」人垣の中にキラを見つけた鞠がドラゴンの背から

「キラー!!お世話になるにゃーん。」大声で叫んだ。手もブンブン振っている。

ドラゴンを見ていたものは、グルンと振り返って妖精猫が呼んだのは誰だ?と見た。


皇太子だった。

「「「「「「!!!!!!!」」」」」」


その騒ぎの中、ライルとクリスが、危ないと止める者らを手で制し、ドラゴンに近づいていく。

「フィリアなのか?」と小声で。

目をキラキラさせて頷く。

「はい、お父様。」「伯父様、ご機嫌うるわしゅう。」と小声で。


金ドラへんげ中のジンフィーリアは、すり鉢状の闘技場を寝床として借り受けることとなった。

そして闘技場の観覧席は、無人ではなかった。

飲食を楽しみながら、金色のドラゴンを見ている多くの人がいた。


実は、ちゃっかり入場料を取っていた。

鞠がディル〜と猫なで声で提案すると即採用された。

その余剰金は、譲位式で、国民に振舞うでもよいし、孤児院に寄付してもらってもいい、ディルに任せることとなった。


いつ元に戻ってもいいように、ゴウル・ジルバ・楓・瑠璃が待機している。


ジンフィーリアは考える。

へんげ中の能力は、元に戻っても変身すれば使えた。輝夜姫バージョンがそうであった。

このドラゴン体から元の姿になったら、再度ドラゴン化して試してみよう。


それから屋敷の調整が済んだら、もっと服を作って収納しようと思った。

かぐや姫体の服は、十二単だったが収納にあったものだった。

つまり変化(へんげ)の度、収納からの衣装を身につける可能性がある。

変化前にジンが身につけていたものは、自動的に収納されたのだ。

だから今回、ドラゴン体になっても、周りに破損した服は落ちていなかった。

へんげが解けたら、元着ていた服を身につけているはず。


それにしても、こんなすり鉢状の中にいると、アリジゴクになった気分だ。

観覧席から落ちてきたものは、食ろうてやるぞ!フハハハハ ・・・なんちって。



パーマー前公爵夫妻とジョゼとジーンも闘技場へ到着した。

ライル・クリスがいる観覧席まで来た。王族と近しい席である。


親族一行の勢揃いに気づいた金のドラゴンは、飛行して近づき、目の前でホバリングした。

「「「「「おおおお」」」」」

観覧席の貴族たちは、大興奮だった。


ジンフィーリアの祖父母とジョゼは、目を丸くしていた。

が、そのうち楽しそうに笑い出した。

ジーンは最初からキラキラした目で見ていた。


(乗ってみたい。)


「背に乗ってみるか。」

「え、いいの?ほんと?」ジーンが両親を見ると、了承してくれた。

瑠璃がジーンを横抱っこして観覧席から闘技場へ飛び降りた。


「「「おおっ?」」」


そしてジーンが乗りやすいようにジンは体を低くした。

ジーンが跨ると、青透明の鞍が目視出来た。

ですので、安全ですよと瑠璃がライルたちに説明する。

ジーン様ごとバック転してもドラゴンから落ちることはありません、とも。


ジンフィーリアは、闘技場内を低空飛行しはじめた。

ジーンはご機嫌だ。

そのうち、闘技場から上空へ。

ライルたちに見えるように、体を斜め下に傾けジーンの様子を見せるサービスっぷり。

ジーンは大興奮。


「フィリア姉様、宙返りして。」

「ちびるなよ?」とニヤリとしてジーンの要望に応えた。


「「「「「!!!!!」」」」」」


ライルたちは、肝が冷えた・・・。

ジーンは、興奮が止まらない。


最後、急上昇した後上空で止まり、いきなり頭から真っ逆さまに急降下!


「「「「「っ!!・・・・。」」」」」


リアたちは、心臓が止まると思うくらい驚いた。。

ジンフィーリアはやり過ぎた。貴族女性の心臓は大抵やわい。

毛は生えていないのだ。


そして、当然、闘技場に激突することなく滑らかに水平状態になり、低空飛行でライルたちに前までやってきた。

瑠璃がエスコートしてジーンを観覧席へ。


余談だが、興奮し過ぎたジーンはこの日、なかなか眠れなかった。








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