58話:かぐや姫の呪い
なんちゃって花妖精から元に戻ったジンフィーリア。
(ギルマス〜ギルマス〜?)
(は?な、なんだ??)
(こちらかぐや姫、かぐや姫〜)
(な、、、、)
(我の作った魔具嵌めてるから、通話出来るのじゃ。まだ、皆に金一封渡してないな?)
(ああ。)
(あとだしで悪いがの。)
(な、なんだ?)ドキドキ・・・
(かぐや姫は獣人を愛しとる!)
(はい?)
(でな、獣人を差別しないやつだけ受け取ってくれ、と条件を付ける。
金貨受け取った後、約束を反故にしたやつは、男はハゲになる、女は眉毛とまつ毛がなくなる呪いを受ける、と言って渡すのじゃ。頼んだぞ!!ではの。)
(おっ、おい!)
(あ、忘れとった!)
(・・おぅ・・。)
(今回のスタピーの情報提供報酬って出るかの?)
(勿論だ。) スタピ・・・
(なら明日にでもこっち来るな?第2王子のとこに。)
(明日行けるかわからん。)
(別にギルマスでなくてもいい。その時に第2王子たちにも人数分金貨渡してくれ。呪いの件もしっかり伝えてな!
王子、近衛たち、あと我の護衛のきんにも。そいつ第2王子に同行させたんじゃ。
実は第2王子の密偵だったんじゃが。)
(なにぃ??)
(追加で指輪に金貨100枚送っておくからな。くれぐれも頼んだぞ!!呪いの件。
ああ、渡す金貨は我が渡した金貨から絶対!絶対!皆に渡すように。)
(え?)
プツン・・
(金貨に呪いかけてあるのか?まさかな・・・。)
さてと金貨100枚ギルマスへ移送〜
チャリン・・
はいOK。
メモに、ラナへ 明日冒険者ギルドから第2王子に面会があるから入館許可頼む、と書いて
「翡翠〜、これラナに届けて。」
ーーメモが消えるーー
「翡翠、サンキュ!」
メモに、
・殉職した近衛への遺族へ 特別報奨金なるものは、王国から出るのでしょうか。
因みに、とある国は状況によって加算がありますが1人につき大金貨30枚です。
・殉職した近衛の身分と遺族の財政状況を教えてください。
貴方の隣人 ジンフィーリア より
「翡翠〜、何度もごめん。これ第2王子に届けて。」
ーーメモが消えるーー
「翡翠、サンキュッキュ!」
翌朝朝食後[獣人会議]
議長 : ゴウル
コテージ : ラナ・カイ・マミ・ミミ・ナーナ・ニーナ
獣人化 : ゴウル・ジルバ・ジンフィーリア
ラナ 「神獣様方、それが本来のお姿ですか?
ゴウル&ジルバ「ああ。
ナーナ「神秘的な美青年なんですね・・。はあ〜ステキですね〜♡
双子「姫様は?
ジン「ノリ
「「「「「「のり?」」」」」」
(*)ジーンメモより抜粋
ノリ⋯その場の調子に合わせてのおちゃらけ
ゴウル「では、はじめる。
質問等は、我が一通り話し終えてから頼む。
本来ならば、ある程度確定してから言うべきなのだが。夢物語と思ってくれても構わない。」
「我らが一族の姫ジンは、建国するつもりである。
ここ数週間で目まぐるしくことが起こった。
ジンの視力解放→声を取り戻し覚醒→一族皆と合流→身元がわかる→覚醒の弊害認識
①まず優先することはここからの全員で一旦逃走、これは確定
②一緒に来てほしいが各個人の考えに沿うとする。」
「まずはここまでで質問あれば受け付ける
・・・ないのか、ちょっと拍子抜け・・。
②だが、ラナはどうする?翡翠と協力してすぐに宿を経営できそうだが?もう少し心を休めるか?」
ラナ「そうですね、あともう少し・・・。
ゴウル「一応帝都へ居を移す。昨日のスタピーまで、各地に散開して建国地を調査中で候補はまだ出ていなかった。だが昨日の帝都でのジンの血縁会合でいきなり候補地が決まった。
午後から帝都で土地を探し、購入する。勿論翡翠が根づける広さで探す。
土地が決まったら即転移する。
で、ジンの身元だがここを領地とするキャンデック侯爵の娘ではなかった。ジンの母も平民ではな
なかった。
帝都のカンタベル公爵の娘だった。ジンの母上はカンタベル公爵と結婚後、誘拐され、どうゆう
経緯かわからんが記憶をなくしキャンデック侯爵の妾にされたらしい。母方の両親は健在で侯爵家
である。ジンの父上は現皇帝の第3皇子だ。
!!!!!!
感のよい皆のことだ、薄々気づいていると思うが、護衛の黒は奴隷商の手下だ。ただ、カイ・双子
関連でない。10歳のジンを買った奴隷商の方だった。売買契約後ジンを掠め取られたが諦めず
機会を狙っていた。今回は黒がジンを捕獲するつもりのようだ。皆外に出るなよ。黒は別荘に
いるからな。ジン。
ジン 「私は獣人が大好き。容姿も愛らしい。覚醒し獣人の現状を知り獣人国建国を目標にした。最近までただ生きてるだけだったけれどもう自分で動ける。
私の領地に保護した鬼人族が300人くらいに増えて、外の世界に出してあげたくなったの。今のままなら安全だけれど・・・。
それにね、何百年単位でしか生まれない鬼人族の王が此度誕生したの。王は3本角で他の皆の角は1本なの。生まれた瞬間に王とわかるのよ。
獣人と鬼人の共生は無理でも協力できればと。彼らは邪悪ではないのよ。
ツノからは清浄さを感じるの。個々の力が強いから防衛面を任せられる。
それから蒼と紫蘭の親、その上の世代たちも領地に閉じ込めてしまってて。鬼人族も龍族も外へ出る
かどうするか同族内で検討中なの。
でね、ここからが本題で。当初、建国の裏方に徹するつもりだったの。だから帝都でのお披露目も
簡素にするつもりでお祖父様:皇帝を説得したところだったんだけれど。
今回ここから逃げる前に、王子が2人来て。そして、昨日のスタピよ。第1王子を助けたのは私たち
で、霊薬も2本売ったの。まだ未入金だけどね。
それを交渉材料の一つとして、まさにこの土地を王国から奪い取るという話まで発展して・・・。
急遽、私が表に出る方向に反転したの。
建国までの時間を考えればそれが早い。裏方だと時間がかかる。
勿論、王となるものが見つかれば託すけれど、今はふざけてると思うかもしれないけれど 私が
女王になって王配5人くらいと言われているのよ。
それと次期皇帝の第3皇子が既に婚約者になってるの。双方に都合が良いから契約なの。
時期が来たら婚約は解消するの。
私の内情は、ここ翡翠館でしか話に出さないでね。外ではだめよ。
というわけでこれからもよろしくね。
そろそろキャンデック侯爵が私をどこかに売ろうと考えてるから急ぐわ。
疑問に思ったことあったら鞠になんでも聞いてね。
急に手の届かない存在に・・・。
「『カ〜イ』」
「! なんだよ。」
「諦めるんですか〜?」
「・・・。」プイっと横を向くカイ。
『俺らが大切な姫さまを、どうでもいいやつに任せると思うか?』
「・・・。」
『こいつわかってないぞ、楓。』
「とりあえず、人族の常識をレクチャーします。
貴族との婚姻は乙女であることが条件です。皇子とかありえないんですよ。
姫さまは、既に資格がないのです。」ニッコリと笑う楓。
『まあ、資格があっても、姫さまは貴族とは結婚する気ないぜ。』
『ただなあ、おまえが唯一の男ってのは無理かもな・・。そこはすまんな・・。』
「一妻多夫制ですね。」
「っ・・・。」
『それが無理ならおまえが去っても仕方ないと姫さまは思うだろう、無理強いはしないさ。』
「あのですね、あの時覚醒前とは言え物理もなかなかの腕前なんですよ、姫さまは。
本当に嫌だったら『おまえは死ぬほどボコられただろうな。』
「え・・・。」
『少しは、自信持てよ。』
「ひどい状態でしたからね。完全に体力が戻ったらいつも姫さまのそばに居ればいいんですよ。」
『それには強くなってもらわんとな。
ちょっと強引だけどチートになる方法あるぜ、死ぬかもしれんけどな。』ニヤリと笑うジルバ。
「獅子の子落とし、ですね。」
『俺は虎だけどな!』
『鞠や子ドラたちと遊んで心も癒せよ、しんどい思いしたんだ、もう少しゆっくりしろ。』
「それまでは、私たちが守ります。」
「ああ・・。」




