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57話:ラースの正体は?



「ねえ、父上。」

「なんだい?」


「鞠たちの会話で、わからない言葉が多くて。つい、どういう意味?って聞きたくなるんだけど。」


「ああ、そうだな。でも私はまあ気にしていないかな。

ジーンが聞きたいなら、通常の会話の時には聞いてもいいんじゃないかな。

フィリアワールドの住人は、時の流れが私たちとは違うから、本日のような話の時はやめた方がいいね。」


「さよう、質問したことで話が逸れていく気がするからな。」


「フィリアワールド語ですね、通称フィリア語で。」とキール。


「ジーン様、書きとめておいてまとめて聞くのもよいですね。そうすれば私たちもジーン様に教えていただけますし。」

「そうだね、そうするよ。」


「それにしても我が孫娘は、頼もしいな。」

「本当に獣人国の女王になりそうだね。我が姪は。」

「絶対になるよ。」


「目立つと敵も多くなる、しかも獣人擁護だからな、下手したら暗殺もあり得る。ライル、クリス、しっかり守るぞ!」

「「勿論です。」」


「でも、王国は、あんな王子でいいの?臣下は付いてくるの?」

「傀儡にするにはよいですよね、耳障りのよいことばかり伝えておけば、間抜けなので踊ってくれますよ。」


「王国と敵対関係にあるなら、アホ王子の選択もありだが、国民が気の毒すぎる。」

「ゴウルたちの『クズ!』に笑ったよ。あはは。立場ないよね。」

「自尊心ばかり高い王子のようだ。フィリアが逆恨みされないとよいが。」

「なんか、面倒臭そう。」



「お待たせしました。」と瑠璃が戻ってきた

では、ゾンビ遺品収集奮闘記!!


男性陣は、想像以上にグロい、リアルだ、と思った。

眼って球形なんだとジーンは思った。



瑠璃は男性陣の反応を見、満足した。

そして、例の奴隷商を拷問するときに使ってみたいと考えた。ふふふ。


「ご視聴誠にありがとうございました。」


「というわけで、姫様がゾンビ海の中に一人で2回も飛び入り、苦労して手に入れた遺品なのですが、第1王子の近衛に託した方がよいかと思いました。

それで、第2王子にお願いして、第2王子の近衛で人柄に問題のない方を連れて来ていただきました。

キャンデック侯爵子息シールも同行してもらいました。」


「自領で起こったスタンピードであるのに、街の代官と会わなかったこと、領民を守ってくれた冒険者に労いもなかったことで、『自覚を持ちなさい!』と姫様はシールに言いました。

そして、シールが退出した後、第2王子にシールのことを守ってほしいとも仰いました。」


「シールがキャンデック領を継げるようにと姫様は考えたと思うのですが、その後キャンデック領を奪取する方向になりました。

ですので私瑠璃は、貴族家への婿入り先を探してやってほしいと第2王子にコッソリ頼んで参りました。」







[別室の鞠たち]



「まあ、フィリアはそこまでしたのね。」

「そうにゃ、姫様の憔悴ぶりに、ゴウルたちはもうやめとけって言ったにゃ。」


「姫様は、近衛ゾンビは出来立てだから鮮度があって見分けやすいと思ったにゃん。

けど実際は腐り切ってたにゃん。」

「「・・・。」」」


「それで、今度は破れてない服を探そうと思ったにゃん。

すぐ見つかって喜んだ姫様がイ・ヤ〜〜て女の子みたいに叫んだにゃん。それで驚いて映像見たら、

上半身は近衛の体・下は虫ゾンビで合体キメラ化してたにゃん。おったまげにゃん。」

「「そ、そう・・・。」」


「空中で金・銀の虎から落下する姫さま、かっこよかったにゃん。下はゾンビで隙間がないほどで。

きっと足で何匹か潰したにゃ。ぐっちゃあ、びっちゃあて聞こえたにゃん。」

「「・・・・・。」」


「眼球はキレイと思ったにゃん。けど遺髪分を切ろうとして少し引っ張っただけで、頭皮ごとズル剥けしたの見たとき、そのまま頭に被ったらカツラみたいにゃって子ドラゴンが言ったにゃん。」

((ひーー。))


「甘くて、おいちい♪ あ、でっかい蛆ゾンビの体、このクッキーと同じ色。でね、汁がこのお菓子色にゃん。」

((ちょ・・・。))


「と、ところでラースはなんの動物?」

「鞠、動物わかんにゃい。」


「フィリアワールドの住人は、猿・ナマケモノ・猫背って言ってたにゃん。」

((猫背・・・??))


「生ゴミ臭い黒は、悪鬼って言ったにゃん。ゴブリンは2足歩行、ラースは4足。あいつバカにゃん。」

「そ、そうね・・。」((??))


「ラースは、赤茶のキレイな毛皮にゃん。けど、うなじが老化してるにゃん。」

「老化?」


「えと、じいちゃんてホラ、、、しらが?」

(・・・ああ、白い毛ということかしら?)


「ラースちゃんは、どんなお顔なの?」と気を取り直してリアが聞く。


「眉毛にゃん。」

「「??まゆげって?」」


「執事がカモメ眉毛って言ったにゃん。」

「ふふっ。」


「顔が真っ黒にゃの。けどよーく見ると段々眉毛しか見えなくなるにょ。」

「「・・・。」」


「腕が長いにょ。フッサフッサふわふわにゃん。」

「まあ。」


「鞠が初めて会った時、ラースの腕だけ見えてにゃ、タリャンチュラかと思って。」

知ってりゅ?毛深い蜘蛛にゃん。」

((け、毛深い・・。))



[ライルたちの部屋]


「シールは意思が弱いというか・・。」瑠璃は考える。

「居るか居ないかわからない奴にゃん。」


「あ、鞠、お菓子は美味しかったかい?」とライル。


「はいにゃん。ゾンビ蛆と同じ色のクッキーがあったにゃん。」

「「!!・・・・・。」」「・・・・そ、そうか。」



「ゴウルから報告を受けました。」


「姫様、あの黒髪黒目のへんげ体でかぐや姫と名乗って・・・」

「うん?」


「ギルドに金貨500枚寄付して」

!!!


「ギルマスにミスリルアーマーと聖魔法の使えるアックスをタダであげて」

!!!!


「癒しの歌を披露して、腕や足がドラゴンブレスで炭化した人も元どおりになったそうです。

姫様の歌声が届いた人はもれなく恩恵を受けて、冒険者以外も。」

!!!!!


「皆がわれに返る前に、帰ってきた(消えた)そうです。」

「「「・・・・・。」」」


「・・あの街のギルドとは友好的な関係が築けそうだな。」とアーサー。










ラースのモデルは、『アカエリマキキツネザル』です。








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