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閑話:壱



「ふふ、あなたの力を発揮できる相棒が見つかったわよ。」

キィーン ♪

剣が応える。




お二人はこちらへお越しください、と未ゾンビ化の近衛たちを別室へ連れて行く楓。

二人は眼球に見られ、指差しされているようで居たたまれなかったので有り難く移動した。



「体調は問題ありませんか。」

「「はい!」」


「では、早速。あなたは、火属性持ちとなりました。」

「え?」


いつの間にかジンフィーリアは手に剣を持っていた。

それを渡す。


「お持ちください、剣に火を纏うイメージを浮かべて下さい、さあどうぞ。」

彼がその通りにすると、剣が火炎を纏う。

「「!!!」」


「次に、魂を天に帰す浄化イメージ、さあ浮かべて下さい。」

静謐なる青炎が剣を縁取る。

「炎なのに冷たい!」


「この剣はユニークです。あなた様の望む形に姿を変えます。

好きなものを思い浮かべて下さい。」

「では・・・、!!!本当に、ナイフになった!え?え?」


「ミスリル製です。」

ジンは、にっこり微笑む。




もう一人の近衛に目を向ける。

「さて、お待たせいたしました。あなた様は称号『剣聖』を得ました。

「!!!」

(あ、泣いちゃった。)


(鞠〜助けて〜。涙拭いてあげて。)

(はいにゃ〜)


突然、愛らしい鞠が現れる。

((!!!))


剣聖くんの涙をハンカチで拭いてあげる。

「あ、ありがとう・・。」

「いいにゃん。」



徐にジンフィーリアが立ち上がる。

手には、美しいロングソードが。


ジンが言の葉を紡ぐ。

「わたくしの愛し子よ、待ち人来たれり。己が力を其の者に使わん。」

刀身に口付ける。

その姿は女神のように美しかった。



「さあ。あなた様の剣です。」

剣聖君は、自然に立ち上がった。


震えながらジンフィーリから剣を受け取ると、剣との確かな繋がりを感じた。

すると剣がまるで喜んでいるかのように乳白色に柔らかく光った。

「「!」」


「あとは、これをどうぞ。」

((?))

と言って両の手のひらに指輪を乗せ、それぞれの前に出した。

二人はそれを躊躇いながらも指に嵌めた。


「収納できるわよ。」

「「!!」」


「試しに剣を。」

二人がそれぞれの指輪に近づけると剣が消えた。

「「!!!」」


「剣と指輪に名をつけてあげてね。」

「「?」」


「名付けをすると自由度があがるのよ。」

二人は顔を見合わせて、ジンフィーリアに向かって頷いた。


「それと、『力』を持つものは良い意味でも悪い意味でも人気でしょう?二人には、自分の心に正直に生きてほしいわ。」

と言ってジンフィーリアはふわりと笑った。







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