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38話:ディーン、偽婚約者を得る



ジンフィーリアか。早く会ってみたい。


ディーンが振り回されるのも見たい。楽しみだ。ハハハ。

あれは器用で、世渡り上手。私と正反対だ。だから意地悪したくなる。


ディーンは、父の皇太子がこのようなことを考えているとは、夢にも思わないない。





「ライル、どうだった?」

「クリス待たせたな。一言話したらいいよって言われた。」

「皇帝になる人がそれでいいのか・・・。」

「契約書は?」

「ああ、これだ。」

「うん、いいな、ありがとう。俺もサインして、と。」

「よし、ディーン皇子の宮へ行くぞ。」




【金剛宮(ディーン皇子の宮)】


「ライル兄、パーマー侯爵(?なんか若くないか。独身貴族はこんなもんか。)いらっしゃい。」

「一応自分も公爵なんだけど、まあいいや。」


「人払いを頼みたい。」

目で出ていけと合図するディーン。


「私はここにおります。」

「ケイン・・・。」


「ああ、いいよ。だからケインも堅苦しいのはなしで頼む。」

「はあ。」


「実はな、ディーン。相互に良い話を持ってきた。兄上の許可は得ている。」

「?」


「婚約者役、探してるだろ?うちの娘がやるよ。」

「は?ライル兄んとこジーンだけじゃん。」


「最近見つかったんだ。籍にも入れる。」

「そ、そうなんだ。」


(母上のヒステリーにも辟易してるし、すぐにでも冒険者になりたい。)


「わかっ「ちょっとディーン待って。」


「上手いこと言って、強引に結婚させるつもりかも。」


「令嬢は今までどこにいたんですか?礼儀作法は?ディーンに恥をかかせることは俺が許しませんよ。」

「おい、ケイン言い過ぎ。」


「いいって。・・確かに何も教えられていない娘だ。だが責任を持って間に合わせる、それは約束する。」


「母親は、平民ですか。」

「違う。・・事情があるんだ。」


「不細工とか?」

「「美少女だ!」」

「私の縁者でもあるんだ。」とクリス。


「なら、ただの身内贔屓では?ある程度見目がよくないとディーンがバカにされる。」

「もう、我慢できん「クリス、落ち着け。」


「気に入らないなら、即破棄でいいから。約束する。」

「私も証人になろう。」


(早速明日から冒険者だ!)


「わかった、ライル兄、その話のった!」

「助かる。」


ケインが凄い目で睨んでくる。

「はあ・・・、契約を交わそう。」

「?」


契約書を渡す。

ディーンがケインと目を通す。

(ディーン側からいつでも破棄できる?二人の結婚は未来永劫あり得ない?)


「これだけ徹底した契約なんだから、ケインも安心だろ?」

「まあ、そうですね。」(正式な契約書だ。)


「ライル兄のこと信用してるから、契約は口頭で十分だよ。」

「ディーン!」

「もう父上が了承した時点で婚約者役決定じゃん。父上は俺のこと騙さないよ?」


「いや、ケインの懸念を払ってやれよ。そこまでおまえのこと考えてくれるやつは大事にしろよ。」

「そりゃ、勿論・・」


(ケインのやつ嬉しそうだな。ライル怒ってるな、凄く・・・。)


「サインしてくれ。こっちはクリスのサインもあるから、ケインも頼む。」

「・・これでいいかな。」

「ああ、ありがとう。双方で保管な。」


「ディーン、おまえの母上な、娘の母親のこと大っ嫌いなんだわ。」

「「なっ!」」


「だから絶対に結婚を妨害してくるから。強引に結婚させられることはないから。」

「「・・・。」」

「それは、それで面倒臭いことに・・。」


(リリ、ケインの耳にだけ今から言うことを聞き取れないように頼む。)


「ディーン、おまえも契約書を交わせばよい。婚約したら3年は冒険者をやるのを認める、ってな。」

「! ライル兄、ありがとう。うまいことやってみる。」

「じゃあな。」


パーマー侯爵っていくつだっけ?と思うケインであった。




「ライル、よく我慢したな。」

「お互いに、な。」


(若くなったせいか頭が沸騰しやすい気がする・・・。気をつけよう。)


「フィリアを見て驚きやがれ!」

「それな!」




「さて、気が重いが父上のところへ行くぞ。」

「そろそろ約束の時間だな。」



[結果]


「はあー。」

「陛下、なんか盛り上がって、もうこっちの話聞いてなかったな。」


「瞳のことを黙っておくと、あとで絶対拗ねて面倒臭いことになるからと、そう思ったんだが。」

「久方ぶりに皇家に金眼現れる!て感じで大はしゃぎ。」


「クリスの容姿にも全く反応せずだしな、ありえない。・・・しばらくしたら、落ち着くよな?」

「あのままのテンションだったりして。」

「・・・兄上に期待しよう。疲れた・・・。フィリア!お父様は頑張ったよ。」









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