28話:おさわり会とハプニング(*)
コテージでは、仕切り直しと、ラナが新しい茶を入れた。
そしてお触り会がはじまっていた。(もちろんいやらしい意味ではない。)
金は今日はじめて見たドラゴンの紫蘭をお触りしまくっていた。
ジンフィーリアはテックのテーブルについたが、アーフィンとライも椅子を持って移動してきた。
ジンの背中に張り付いているラースにビビりながら。
テーブルが手狭になったなと思ったタイミングで、テーブルの面積が増えた。
「「「は?」」」
相変わらずラナ&翡翠は良い仕事をする。
「兄ちゃん、変な顔してどうしたの?」とマミ。
「いや、テーブルが大きく?」
「なーんだ、そんなの普通のことだよ。」とミミ。
(((いや絶対普通じゃないから!)))
それにしてもこの生き物はなんだろう?
一度見たら忘れられない顔だ。
衝撃すぎる。
瞼がないのか?丸いぎょろっとした黄緑の目。
同化していたがよくよく見ていると太いカモメ眉毛が主張してきた!
と、不意にラースがアーフィンの頰を指で触った。
王子固まる。
この指に蚯蚓を刺して・・・。
ラースはジンフィーリアの背中から前に移動してきた。
眠くなったようだ。
目を瞑ったまま、何度もパフパフとジンフィーリアの胸を顔で触り、収まりのよいところで落ち着いた、かに見えた。
おもむろに、ジンフィーリアのワンピースの胸元の生地に長い指をかけ、下に引っ張った。
(ジンフィーリアは苦しいのが嫌でかっちりとした下着はつけない。完全覚醒してからは自分で作った魔導を織り込んだ服を着ている。力を受けても破れないように、全て伸縮自在。)
! ! !
ポロんとジンフィーリアの豊かな片胸が現れその先端にパクついた。そしてミルクを飲むように口を動かし続けるラース。
突然のハプニングに、目を逸らすという行動が取れず、それを見続けてしまった3人。
ひたすら凝視続ける、王子、ライ、テック。
別テーブルの近衛の二人も気がついて、目が張り付いて離れない。
マミが無邪気に「ラース、姫さまのおっぱい飲んでる〜。」と言った。
その声に散々もふっていた全員がジンフィーリアを見た。
鞠も子ドラゴンもジンフィーリアに負けた。
年長の騎士長ダンが、けしからんと咳払いをしようとした時、
完全熟睡モードとなったラースの口からちゅぽんっと音がして、ジンのそれは解放された。
ジンはラースを寝かせてくると席を立った。
ラース、グッジョブ!ありがとう。
場が妙な雰囲気になってしまったので、立ち直った金が気を利かせて皆を風呂に誘った。
「いつでも入れる風呂だと?なんて贅沢な。」
「あ、脱いだものはそれぞれの下の脱衣カゴに入れてください。」
「なぜ?汚れ物を洗ってもらうわけには。」
「いいから、みんなそうしてください。」
浴場の広さに驚く。
「うわっ、湯の色が赤い。」
「あ、今日は赤湯の日ですね。ほら、ここに効能が書いてあります。赤いのは鉄分のせいらしいです。」
「ほう、切り傷に効くのか。」
「湯はランダムに変わります。人手は使われず。」
誰も聞いていない。
皆子供のようにはしゃいでいる。
体のでかい男たちで入っても余裕の広さの湯舟。
皆、金に聞きながらシャワーやシャンプーを使う。
そして、風呂から出るとタオルで体を拭く。
タオルは全員ここに入れてくださいと金から教えられる。
そして皆驚く。入浴前に脱衣したものがそれぞれのカゴにきれいに畳んで置かれている。
「え、これは?」
「洗浄されてるんです。」
「まさか、畳んだだけだろ?」
「あ、ほんとだ。いい匂いがします。」
「俺の臭い靴下がいい匂いに変わってる。」
「タオルもですよ。きれいになって乾いて勝手にまた棚に入ってるんです。」
「なんだと!」
「それだけじゃありません。普段は双子ちゃんたちは、2階の部屋を使っています。」
「ん?では私たちのために部屋を譲ってくれたのか。」
「違います。階層ごと入れ替わってるんです。外から見たら2階建のコテージでしたよね?
今は殿下たちがいるんで4階まであります。」
「ばかな・・・。」
「あ、タオル類が消えています!」
タオル棚を開けたものが
「そ、そんな・・・。初めと同じ高さまで、入ってます。」
ーーーーーーー。
4階まで階段を上がって確かめた。
本当に4階まであった。
どうなってる?
「だから家が生きてるんですってば。」
今までの常識は、一体なんだったんだと言えることが起こっている。




