16話:楓の謀(その2)★
[カイ視点]
ジンは、胸元が大きく開いたベビードールを着ていて丈は太腿の途中までしかない。そして透けていた。
なんのつもりだ?と楓を軽く睨む。
「実は、このお茶、睡眠中に筋肉や体の強張りをほぐす効果がありまして。明日から体を動かしながら軽く戦闘訓練をされてはどうですか?元々冒険者だったのでしょう?そのためにお持ちしました。これから毎晩飲むと良いですよ。今日は試飲ですね、気に入ったら明日の晩からお飲みください。」
「ああ、それはありがたいんだが、なぜジンも?」
「そりゃ、私だけで夜に来たら怪しさ倍増でしょう?ふふふ。」
(いや、十分怪しいんだが。)
「さ、どうぞ。」
(怪しい、けどいい香りだ。)
「この上に浮かんでいるものは?」
「少し苦味があるので、加えた蜜です。ささ、どうぞ。」
ジンは期待の篭ったキラキラした目で見つめてくる。
?・・その顔を見て夕方のことを思い出した。誤魔化すように茶をあおった。
「どうですか。」
「飲みやすい、な。」
「ふふ、よかったです。私は帰りますから、このままベッドに入ってください。少し眠気を感じるかもしれませんから。」
俺は、言われるままベッドに入る。
「窓の方を向いて横向きになってください。」
なぜ?と思いつつ言う通りにする。
楓は素早く布団の中でカイの寝巻きを剥いで裸にした。
なっ!声を出そうとしたが出ない。体も動かない。
「さあ、まぶたも閉じてください。」なぜか俺の瞼は、楓の言う通りに閉じた。
「姫さま、お待たせしました!思う存分どうぞ!私は先に戻りますね。ああ、ラースはジルバたちがみてくれていますから、ご心配なく。」
お、おい、まさかこの状況!夕方の続きか?
ジンがベッドの上にのってきたようだ。
自分の太ももの上に俺の頭をのせて、耳を触る、触る、触る。
や、やめろ、理性がもたない。
右頬にはジンの太もも。なんかいい匂いがする。俺はもう、いっぱいいっぱいだった。
しばらくすると、ジンが俺の頭をそうっとおろしベッドからおりたようだった。
た、助かった、夕方鎮めておいてよかった・・と思ったのは甘かった。
俺の尻尾は布団から出されていたようだ。
尻尾をさわさわ触りだした。しかも程よい力で握りながら。
逆毛触りされた時には、もうダメだった。一度反応してしまうと・・・。
この拷問はいつまで続くのかと途方にくれた。
それよりもジンが布団をめくったら、、、、。終わる、色々と終わる。
(そろそろですか、ね。ふふ。それにしてもモフってる時の姫さまは無防備すぎますね。
私のことも気づいていない、ようですね。)(注 : 潜伏中の楓・心の声)
な、なんだ?体が熱い。う、あ。ジンの触るところに全神経がもっていかれる。
こ、これは・・。はっ、楓、何を飲ませた?ほぐれるどころか体は動かないのに、下が爆発寸前だ。
く、苦しい、気が狂いそうだ。
ふっと急に体が軽くなる、体は火のように熱い。
おれがガッと体をひねり起こすと、ジンは驚いた顔をしていた。
そのままジンをベッドの上に引っ張り上げ、押し倒した。
もう止まらなかった。
(え、な、何が。どうして目を覚まし・・)
(ちょ、んぐっ、んむー、わぁ破くなー・・・、あ、そ、そんなとこ。)
(あ、あーーーー・・・!!!)
* * *
姫さま、姫さま。
もうあちらに戻らないと。姫さま!起きてください!
うーん、念話で大声ってどうやって出すんでしょう。
魔力を込めるといいよ。
あ、そうなんですね。って、姫さま!
あの〜、お、怒っていますか?
うん?何を?
・・あーー、思い出した!
私は、
そう、姫さまは大人になったんですよ。
・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・。
姫さま?
楓、成功だ。
一緒に、家に帰ろう。
!!!
はい!お伴します。
取り敢えず、分身体を置いておこう。
言動共有できるし。
楓もそうしてくれ。
はい。
ゴウル、ジルバ、帰還するよ。
『『待ってた』ぜ』
『楓の読み勝ちだな。』




