表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/180

15話:楓の謀(その1)



【神獣虎兄弟と楓のいる風景】



『相談か?』

「いえ、実行することを一応話しておこうと思って。」

『決定事項、ね。で?』


「私たちは、13歳で姫さまが完全覚醒すると思っています。」

先を促すゴウル。


「考えてもみてください、この国の成人は15歳。姫さまはこの国で生を受け暮らしてきました。」

『13歳では覚醒しないと?』

「絶対とは言えませんが、可能性は高いと思います。この世界の体なのですから。」


『姫さまを隔離して、成人は13歳、13歳!と言い含めればいいじゃん。』

「それよりよいことを思いつきました。姫さまがわざと曖昧に設定したキーワード、それを大いに利用しましょう。」

『続きを。』


「この世界でも共通する『大人になること』は、結婚すること、つまり男女の交わりです。」

『結婚させるのか?12歳だぞあの体は。それこそ、この国の法律が邪魔しないか?後に建国するなら、法は守るべきであろう?』


「姫さまは貴族ではありません!平民です。平民は子が産めるようになれば結婚しています。ほとんどがムリヤリ状態のことが多いですが・・・。」

最後の方は声が小さくなる。


「そして獣人は、子が産める相手とならば、年齢に関係なく番ってよいのです。」

『・・・カイを?』

楓が首を縦に振る。


『13歳まで待ってダメなら、そこで試しては?』

「いえダメです。ここ最近事態が急速に動き出しました。姫さまには万全の態勢でいてほしいのです。ご自身もそれを望みましょう。」


『今の姫さまなら不完全とはいえ、俺らもいるし危険はないだろ?』

「もし例のお二方が関わったら?」

『『!!』』


「姫さまは命を投げ出されますよ。そして、私たちはまた姫さまを失うんですか?

完全覚醒すれば、怖いものなしなのでしょう?」

『・・・ああ。』


「1日でも早く覚醒すれば、リスクを減らせます。多少強引に事を起こしても、姫さまならば、よくやったと褒めてくれます。」


『しかし、少女の体で、、、ちと酷くないか?』

「もうすっかり成熟しています。」


『!・・ふむ、楓がそう言うのなら本当なのだろうな。』

『なら賛成だ。』

「反対されてもやめませんが?」

いい笑顔を浮かべたまま「今夜決行します。」と言った。


『早っ。・・心の準備が。』(あなたの心の準備はいりませんよ。)

『そうだな、新護衛が来る前の方がいい。』


「ええ、邪魔されて中途半端になっては、カイが可哀想ですから。」




* * *



【カイの部屋にて】



なぜ、この状況?

俺の目の前には、エロいナイトウェアのジンが座っている。

楓はお茶を入れている。



少し前。


ゴウル兄弟へ話が済み、楓はジンフィーリアの元へ。


「姫さま、もうすぐ13歳の成人を迎えますが、少しでも早く本覚醒されたくはありませんか。」

(うん?それは願ってもないが?)


「そこでですが、『筆下ろし』には年齢制限がありません。筆下ろし = 大人の仲間入り、大人になる!です。」

(!!そうだ!全く気がつかなかった。楓、礼を言う。)

楓は微笑む。


(だが、今は女の体。女用の娼館はあるのか?)

「ですので、明日にでも街へ行って探しましょう。」楓はニヤリとする。

(わかった。)


「ラースのミルクはまだですね?」

(ああ、そろそろ飲ませようと思っていたところだ。)

「では、楓特製の濃厚ミルクをお試しください。」

(濃厚か、ありがとう。そろそろラースも離乳食をはじめてもいいかもな。)

「ええ、よいと思います。」


ラースにミルクを与えているとおネムになったようだ。

眠りながらゲップをさせてベッドに寝かせる。


「ところで、姫さま。カイにぴったりの配合茶を作りました。

寝る前に飲むとほどよく筋肉がほぐれるのです。明日からリハビリ&戦闘訓練をしてもらおうと思います。」

(そうだな、彼には双子たちをこの先も守ってもらいたい。)


「今からカイのところへ行きましょう、姫さまも。」

(私も?)


「実は、このお茶、睡眠導入効果もありまして。飲んだら明日の朝までぐっすりです。」

(う、うん?)


「カイの尻尾!耳だけでなく尻尾も触ってみたくありませんか?5分と言わず好きなだけ堪能できますよ。」

(行く!すぐ行こう。)ジンフィーリアは立ち上がった。


「その前に姫さま、こちらにお着替えください。」

ジンはモフモフに想いを馳せて、上の空で着替えさせられる。


念の為、隠蔽をかけて、と。

「では、行きましょう。」








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ