154話:各国の反応
[各国の反応]
<ザクセン王国>
王は、アーフィンに「そうか。」とだけ言った。
<ライディーン帝国>
皇帝を鞠がなだめた。
ジンフィーリアの身内の説得には、蓮と瑠璃があたった。
<シャング国>
「陛下、どうされますか。」
「どうもこうもない。彼の国が勝手にやることだ。高みの見物といこう。」
(報告書に悪魔貴族とあったのに、危機感がなさすぎではないか。)
「魔族の侵攻に備え、国民に周知いたします。」
「そうしろ。」
<ミーシア国>
「レイ、それでよいのか。」
「フィリアの決断だ。お祖父様は、もしものときの魔族侵攻に備えてくれ。」
「わかった。」
「俺の相棒たちをこの国の攻撃の要として派遣する。」
「感謝する!」
<トランド国>
「何だと?許さんぞ!」
「もう決めたことだ、この国は、俺の守護騎士たちを置いていく。攻守ともに活躍するだろう。」
「はあ。絶対に生きて帰れよ。」
「ああ。」
「守護騎士は、連れて行け。」
「だめだ。魔族への攻防にアーロンとエイベル以上の適任はいない。」
「・・・・。」
「俺は、魔界で自分の役割を果たす。母上には、父上から話してくれ。」
「えっ?」
ヒュン
「・・転移したのか?くそうっ、面倒事を俺に押し付けたな。ミーシャに責められるのは俺だぞ?」
(陛下、お察しいたします。)
<ブルーニュ公国>
「恐ろしいことになったな。悪魔か。」
「はい。」
(こいつ、あっけらかんとした顔をしおって。)
「親書にある通り、国の攻防に務める。シャア、たのむぞ。」
「仕方ないですね。(ラナを守りたいのに。でも、女王陛下から公国で、魔族の侵攻に備えよと言われてるし。)」
「何だその返事は。」
(リューセーを操縦する俺の勇姿を妻に見せたかった。)
<マゾン国>
「え~、オロロが守ってくれるんじゃないの?」
「国守、俺は、魔界でやるべきことがあるので。」
「そんなあ、どうしよう、どうしよう・・・。」
「ケロロとアリアリに任せておけば大丈夫。」
「え、彼らを我が国に残してくれるのかい?」
「はい。」
「ホッとしたよ。」
ジンフィーリアは、親交のあるギルマスたちに、報告書とこれからの予定を認めて送った。
(今後のことは彼らが考えるでしょう。)
[トランド国]
アルフレッドが、レイモンド魔界入りの決意をミーシャに話した。
ミーシャは、その時から、アルフレッドと口を利かなくなった。
寝室も別にするとまで言われてしまった。
アルフレッドは、数時間で憔悴した。
(レイ様、さすがに、お気の毒です。見る影もありません。)
(はあ?)
(生ける屍状態で、ハエが集りそうです。)
(・・やれやれ。)
「アルフ?・・勝手に入ってこないで!」
「母上・・・。」
「え・・・?」
「母上、レイモンドです。」
「レイ?・・その姿は・・・。そちらは?」
「俺の恩人であるローガン様です。」
「まあ、貴方様が。レイモンドのこと、とても感謝しております。」
「その節は、多大なるご寄付をありがとうございました。」
しばし、見つめ合う二人。
(お美しい方だ。)
(この方が、ベスティア女王の王配でもあるローガン神父様。)
「父上、母上には、大変心配をかけましたが、俺は、誘拐されたことで
この上なく大切な仲間たちに出会うことができました。ローガン様然り、ケイジ、ヴィオ然り。」
「ええ、わかっているわ。」
「そして、唯一の相手を見つけました。彼女は、敬愛する至上の存在です。今の俺の能力は、彼女なくしては保ちうること叶いませんでした。アーロンとエイベルに力を与えられたのも彼女のお陰です。
ジンフィーリアが悪魔を屠る戦いをすると言うのなら、俺が共に闘うことは必然です。」
ミーシャは驚きに目を見開いた。
ふと、ローガンを見ると、優しい目で頷いたのだった。
(今のこの息子の姿、そして『力』は、きっと、魔王に立ち向かえるほどの強大なもの、それはすべてベスティア女王に起因しているのね。)
「・・気をつけるのですよ。顔を見せに帰ってきてくれるわね?」
「もちろんです。」
コンコン
「ミーシャ?」
「アルフ。」「父上。」
「・・レイもいたのか。(その姿を見せた、か。)」
きょろっ(・・ローガン様がいない。)
「父上、母上のお許しをいただきました。では、行ってきます。」
「!(・・そうか。)行って来い。」
「・・元気な姿で返ってくるのを待っています。」
(行ったか・・。)
「ミーシャ、その「一緒に寝ますからご安心ください。」
ぱああっ「嬉しいよ。(レイ、ありがとう♪)」
(わあ、すごっ。一瞬で干からびたミイラが瑞々しいイケメンに変わった!)
(ミーシャ様の力は偉大だ。)
((レイ様をお呼びしてよかった。))
アルフレッドがミーシャに、ベスティア女王からの新書を見せた。
継承者には、魔族との対峙をさせないように。
但し、レイモンドが望む場合には、吝かではない。
その場合、レイモンドの命は、保証するから安心されたし。
というような内容が書かれていた。
(ミーシャ、少しは、安心できたのか?)
「・・私は、レイモンドを信じています。」
「そうだな。」
他国への親書だが、次期継承者への件には『魔族との対峙を避けるように。』とだけ書かれていた。
シャング国の上空に、巨大なスクリーンが現れた。
また、魔族からのメッセージかと国民は身構えた。
『シャング国の皆様、私はベスティア女王ジンフィーリアです。近日中に我が精鋭たちとともに、魔国へ侵攻いたします。』
「おおっ、神々しいお美しさだ。」
「ベスティアって?」
「エミール王子様の婿入り先だ。」
『愛するエミールにこの国がしたことを私は許しがたい。だが、エミールは貴国の民を大切に思っている。それ故、魔国との決着がつくまで、この国に防御壁を張ります。私のバリア内へ、魔族は、侵入することができません。』
「「「おおおっ。」」」
「なんと慈悲深い。」
「真っ娘と女神のようなお方だ
『魔族とは、防御壁の外で闘うことになります。我が国からは、エミールがシャング国のために戦います。』
エミールが、ジンフィーリア女王の横に姿を現した。
「「「「「!」」」」」
「エミール様、万歳!」
「「「「「エミール様、万歳!」」」」」
「エミール様、ありがとう!」




