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14話:カイの受難☆



ジンフィーリアと護衛たちで、コテージを訪れた。


「「えええぇーー!」」「!! (こんなもの、どこから?またメープルの仕業か?)」


「ふふふ、姫さまが塀を作って完成したんですよ。」

「この門は開ける必要はなく、通るだけです。」

護衛たちは、半信半疑で門に近づく。ぶつかると思った瞬間にスッと体が通った。

(((心臓に悪い!)))


コテージに入るとナーナがパタパタとかけてきた。

「ナーナ、護衛のルーイです。姫さまの新しい護衛がきたら、ギルたち3人があなたたちを護衛します。」

「ナーナです、よろしくお願いします。」と言ってぺこりと頭を下げた。


マミとミミもやってきた。

互いにルーイと挨拶する。

「マミ、ミミ、ギルたちを3階に案内して部屋を決めてもらって。」

「はーい。」

((え、2階建じゃあ?))

(!なんでもありだな。驚くだけ無駄だ、とは思うんだが驚くわ!!)(注 : ギル心の声)



ジンたちは、ナーナとキッチンへ行く。

「色々さわって、大体わかりました。」

「優秀ですね。」

「えへへ。」


「さて、早速作り始めましょう。姫さまは、カイとニーナの食事をお願いします。」

ジンフィーリアが了承する。もともとそのつもりだった。


今は、ほしい食材を全ては用意できない。あるもので調理するしかない。

ニーナの食事は、しばらくは、皆と同じ食事に滋養のあるものを1品か2品足すだけでよいだろう。

カイには胃腸の状態が戻るまで、体に優しい食事を出そう。


食事の支度ができ、食堂へやってきた双子は、目をキラキラさせヨダレを垂らしながら並べられた料理を見ていた。

「今日は、始まりの日、特別な日ですから豪華にしました。」と楓。


ニーナもルーイに抱っこされて食堂へ現れた。

「ニーナは、これも食べてね。」

「これなーに?」

「姫さまが作ったのよ。食べてみて。ナーナが説明してくれるわ。」


「では、私たちはこれで。」

「え、俺たちの分は?」とルーイ。

「あちらの料理人が泣きますよ、さ、戻りましょう。」


護衛たちは、とても残念そうだった。





カイは部屋で食事をとっていた。

皆の食事と違い、質素なので楓が気を利かせたのだ。


もちろんジンフィーリアが食べさせる。

(一人で食べられるんだが、まあ、嬉しいからいいか。)

「米の粥、か。懐かしい。」

一口もらって味を噛みしめる。「うまい。」


3つの小皿のおかずはどれもうまかった。柔らかくしてある。

デザートは果物とふわふわのクリームなしケーキだった。

「これはジンが作ってくれたのか?」

ジンフィーリアが肯定すると「ありがとう。」と魅惑ボイスが返ってきた。

(低くてよい声だ。この声だけで女を落とせそうだ。)


「どれも美味くて、弱った俺への心遣いが感じられた。特にあのケーキ(?)は、初めての食感だった。

ケーキをはじめて美味いと思った。また作ってくれるか?」

ジンフィーリアは頷いて、微笑んだ。


ジンフィーリアにとって料理を褒めてもらえることは至福の喜びだった。嬉しくてニヤニヤが止まらない。

カイにはジンフィーリアのニヤニヤが、はにかんだ微笑みにしか見えなかった。

ジンが微笑むと、背景に花がいっぱい見えた。


奴隷として虐げられている時、心を殺すことを覚えた。(耳が赤くなってますよ〜。注 : 楓覗き見中)

ジンのことは、至高の花、と位置付けた。

手を伸ばせば触れられるのに、、、泣きそうだ。


と、そこでジンフィーリアの背中に張り付いていたラースがひょっこりと顔をカイに向けた。

「!・・・」(先程の気持ちは霧散したようですね。注 : 楓心の声)


ジンフィーリアがカイの足を触り、顔を上げてカイを見た。

「ああ、もう大丈夫だ。筋力が落ちているだけで。」




[カイ視点]


ジンは屈んで、俺の足をマッサージしだした。

主に脹脛を優しく。

俺はピキリと固まった。白いキレイな指が俺の足を。


ジンはどこからか出した紙にサラサラと書き、俺に見せた。

『体全体をほぐすからうつ伏せにベッドに寝ろ。うまくできたら褒美がほしい。』

「いやいやいや。」と首を横に振ると


また、書いたものを見せられた。

『消化の良いものを食べたからうつ伏せになってもそろそろ大丈夫。褒美がほしいからやらせてほしい。』

「いや、そうじゃなくて。」


ジンは手を組んで上目遣いにお願い!ポーズをとった。

「・・っ!」(なんて破壊力!私でも耐えるのがキツイ。教えた私が言うのもなんですが。)


「ご褒美ちょうだいって、、、俺が出せるものなんて・・・。」と顔を赤くして狼狽えながら言うカイ。

(あらあら、ご褒美ちょうだい♡に脳内変換されてますね)(注 : 楓心の声)


ジンは、書き足したメモを見せる。

『大丈夫、無理なことは要求しない。』

俺のことを思って言ってくれてるんだよな・・・。ほぐしてもらうか。


「はあ、わかった。」

俺はベッドの上でうつ伏せになった。


ジンは首から肩、腕と揉み込んでいく。

肩甲骨の下あたりを指で押された時、痛気持ちいいと思った。


ジンの指が腰から臀部、太腿までくると痛気持ちいいとは別の、なんか変な気持ちになってきた。

そっとジンを見ると真剣な表情で、やはり美しい。そして双丘が揺れている。


下半身に熱が集まる。

「も、もう十分っ。」

布団に突っ伏した顔を上げジンを見た。


驚いた顔からすぐににっこりとし、先程のメモのご褒美のところを指した。

俺が頷くと、『5分だけ』とのメモを見せた。

「?」


いきなりうつ伏せのままの俺耳を触ってきた!

「!! 」

体を起こそうとすると動けない、声も出せない。な、なにが・・。(注 : 楓による金縛り発生中)


さわさわと、時には指でフニフニ。そしてはむはむと甘噛みした。

あああああぁぁ!!!拷問されているようだ、生殺しだ!!


(わあ、姫さまったら恍惚とした表情で、トランス状態に入っていますね。この顔で釣れない男はいない、うまくいきそうです♪ ラースは、、寝てますね。決行時ラースには寝ててもらいましょう。)

(注 : 楓、なにかを画策中)


(いけない、10分は経ちましたね。解放。)パチンと指をならす。

急に体が軽くなった俺は、ガバッと起き上がると布団にくるまった。


「で、出て行「姫さま、そろそろお戻りください。」

楓がドアを開け、ジンはフラフラと夢現のまま出て行った。寝てるラースが背中から剥がれることはない。

「・・・。」




俺は、部屋に鍵をかけた。


なんだよ、あのエッロい顔!勘弁してくれ・・・。

耳と尻尾は、敏感なんだ、責任取ってもらうぞ!・・なんてな、はあ。


そして己の熱を鎮めた。









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