133話:なんちゃって調査
ダンジョンへ潜る冒険者は、私有地:彷徨える森を通るしかないのだが、ローたちの懸念通りのことが起こる。
カエルの毒にやられたり、アリアリの顔を見てちびったり、アリクイもどきを捕まえようとして返り討ちにあったり、と。
そして、オロロやどこぞの子供たちがそういった者をカモにしていた。
「ぎゃああ!」「なんだあれ!魔物か?」
((ちびった・・。))
「お兄さんたち、洗浄魔法をかけようか?銀貨1枚。」
「「・・頼む。」」
またある時は、冒険者たちが、海で魚を捕り、焼いて食っていた。
「兄ちゃんたち、密漁は罰金として銀貨3枚徴収。」
「わあ、この果物美味しい。」
「バカ、勝手に食うなっていう規則が「果物泥棒!罰金銀貨2枚徴収します。」
罰金を払わないと、ダンジョン立ち入り禁止となる。払うしかなかった。
[フィリア領=彷徨える森]
彷徨える森は、ジンフィーリアの私有地とした。
漁業を生業とする者、果物採集で生計を立てるという希望者が現れたら解放しようとは考えている。
森の入り口から平原の途中までは、熱帯果物の木を栽培している。今は5種類だけ。
その続きからは、ほとんど田園で米を栽培している。
根菜類、豆類、唐辛子、ゴマ、緑黄色野菜と、畑で作る野菜は種類が少なめだ。
人の住んでいない領地の1/2は彷徨える森と穀倉地帯、残り1/2に住居を建てることにした。
3階建の一般人の家には、特別仕様はつけない。ジンフィーリアがいなくなっても、そのまま生活できるように考えてだ。
共有温泉は所々に作る。家風呂も付ける。
ジンフィーリアの邸は、新たな居住区に創った。外観は有事には変えられるようにした。
鈴蘭亭・カラフル本店もこの地にある。
(あとからの店舗が本店というのは変だけれど、まあいっか。)
[ミアーマダンジョン]
通称:カラクリスゴロクダンジョン
上層:数の増えやすいネズミ系魔物と虫系魔物を攻略しながら、算術計算を解く。
全問正解で宝箱1つを開けることができる。宝箱にはパーティーメンバー人数分の物が入っている。
不正解はふりだしに戻る。
中層:移住してきたゴブリンたち(※)とスケルトン(ミスリル・オリハルコンスケルトンが1体ずついる。)を攻略しながら、パズルを解く。
宝箱3つへの道が開く。うち一つはハズレ。ふりだしか中層入口に飛ばされる。
下層:ゴーレムとクリアスライムたちによる擬態魔物を攻略しながら、3つの道から1つを選ぶ。
当たりルートは、宝箱3つを得る。但し中身は1つか2つの品しか入っていない。
ハズレを引くと下層入口に戻る、
宝箱中身例)空中に浮かぶことができる猫耳カチューシャ、空間拡張テント、転移指輪
最下層:ボス部屋。倒せばドラゴンの素材と宝箱1つが手に入る。
宝箱には部屋に残っている(気絶者もOK)人数分の何かが入っている。
倒せる者はいないとは思われるが、もしもの場合は、ドラゴンは珍界に死に戻る。
(※)トラップに誘導するのが役目。ダンジョンには住居あり、畑あり家畜も居る、露天風呂もある。
倒されたゴブリンは、住居に死に戻る。
ダンジョン入口には露店あり。
・回復薬/銀貨5枚
・通信機能付き魔道具貸出1点1日/銀貨1枚 (飲食物が入っており取り出した分だけ後ほど精算。)
・収納尻尾貸出1点1日/銀貨3枚
・宿泊テント1点1日/銀貨5枚
・お助け玉(使用すると入口に戻る、お助け玉と叫ぶか念じるだけでもいい。)
玉を所持している者が気絶・瀕死の状態の場合は、自身の発動時に名を付け加えれば、仲間にも発動する。1玉/金貨1枚
ダンジョンが出来たようだ、と白々しくカナマーの街のギルド(スタンピードで絡んだギルマスのいる)に調査依頼する。
調査期間は、30日。報酬はロジウム金貨1枚。
これまたしれっと、エース・ナート兄弟4名を指名する。
同行は、楓、京、グレイ 。
ついでに参考程度に森の生態調査も兼ねてもらう。
森の入り口で一人銀貨1枚の通行料を払う。
エース・ナート兄弟たちは、森の生物に興味津々だ。
・木の上にいる生物は無害
・鼻の長いカワイイ動物とグレーの小さな熊のヌイグルミのような動物は、強い。Cランク冒険者でも苦戦するレベル。
検証のため、捕獲しようとした結果、鼻長には蹴りをくらい体をそばの木に打ち付けられた。
被害者はエース。
そばに寄っても動かないグレーミニ熊には、ビンタを喰らい「ヘブッ」と吹っ飛んだ。
被害者はナート。
・毒々しい色のカエルには思った通り毒があった。
この毒ガエルを食べる蛇がいる、毒耐性があるようだ。
皮膚を触っただけで毒に侵され、心臓発作で死にかけた。
九死に一生を得たのは、ライトだった。
烈火で回復できることが判明。
・金茶色の体毛をもつ猿の顔がショッキングピンクでド派手だ。無害だが存在にビビる。
至近距離で会ってしまったアランがちょっとちびったらしい。
臭いにつられた妖精さんが現れて、洗浄魔法を施し、銀貨1枚を毟り取って消えた。
こちらをバカにするような表情をする。
・猿顔の奇妙な花をサンプルとして持ち帰るよう京に言われた。
ナイフで切り離す時に、『ウッキーーーッ!』と甲高い悲鳴を上げた。
そして、顔の口部分から鼻の曲がりそうな臭いのする黄緑色の液体を出した。
叫び声と臭いで30分ほど、耳と鼻がばかになった。
以上の報告書をグレイが作成し、ダンジョン入口に向かう。
(どう?猿顔花の不思議感は。)
(笑いたいところだけれど、あの声はやばいね。)
(臭いもとんでもない。なんか、嗅いだ覚えがあるんだけれど・・。)
(アゲハチョウの幼虫の角の臭いを、何十倍も濃くしたような・・。)
(それだ!!・・ありがとう、スッキリした。)
(ラフレシアもどきも抜くと、叫びそうな気がする。)
(そして、高濃度の腐臭を撒き散らす?)
((考えたくない。))(恐ろしい。)
(アリアリの毛皮だけれど、生え方が蓑みたいだ。)
(蓑、あー、時代劇に出てくる雨具の。)
(そう、それ!)
(毛並みが、そんな感じだわ、ぼさっと、もっさりみたいな?)
(うんうん。)
(ところで、話のついでに聞くけれど、リアはどうやってアリアリを怒らせたんだ?)
(えっと、初見であの顔をお面と思ったでしょ。だから、外してやろうとして、その、本当に肉面を剥がすところだったって言うか・・。えへっ。)
(ひえっ。)
(あ~、顔が取れかけた激痛で・・・。)
(((こわっ!)))
(猟奇殺人の現場みたくなるところだったね。)
(こっちもびっくりして。すぐに、元に戻したら、きょとんとしてた。で、幼虫に目がいって食べ始めたから、全部召し上がれって言ったの。そうしたら、極上の笑顔を見せてくれたの!)
(((・・・。)))
(餌付け、か?)
(リアと彼の間に、友好関係が成立してるようなら、いいんだよな。)
(極上の笑み?・・見てみたいような、見ないほうがいいような。)




