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132話:彷徨える森の熱帯化


[フィリア領]



まずはじめにやることは、なんと言っても彷徨える森の熱帯雨林化だ。


熱帯フルーツとおもしろ動植物の宝庫としたいためだ。


塩水の湿地帯で生息する森林群のことを考え、海も必要だ。



ーーー




ロー「・・大きな湖にしか見えないこれが海、と?まあ、波も打ち寄せているけれど・・・。」


「一見、塩湖ね。こことオロロの島の海と繋がってるの。森もね。」


アラタ「つまり、この領地で、彷徨える森だけ熱帯気候に?」


「上空も含めてよ。毎日午後からドッシャーと雨が降るの。精霊王との共同作業でやりきるわ。」



アラタ「熱帯気候空間、ね・・。」

(精霊王はジンの言うがままか・・。なんだか申し訳ない気持ちになる。)



サブロー「津波の対策はとっておいた方がよいよ。


「津波?」


サブロー「うん。 向こうの海底で地震が起きた場合、この狭い海(?)に一気に押し寄せてきたとする。

フィリア領は壊滅するよ。

天災を防ぐことは難しいんだ、よ・・・・ごめん、ジンなら問題なかった。


「いえ、ありがたい意見だわ。先の未来に、私がいないことも考え対策を講じておくわ。

私の愛しい民の子孫の為に。フィリア領は、ミアーマ領と呼ぶことにするわ。」


ロー「・・ミアーマ国か。


アラタ「あれ、森も海も繋がっているなら、互いのものが迷い込むんじゃ?


「その通り、一瞬パニクるでしょうね。でも執着があれば簡単に戻れるのよ。」


アラタ「・・執着がなければ?魚とか・・。」


「さあ?気にいった方に居つけばよいのよ。人も。」


「「・・・。」」




「それでは、私のお気に入りを紹介するわ。と、その前に、ホロロからもらったケロロを紹介するわね。」


「ケロローーーっ!!」ジンフィーリアは、大声で呼んだ。



「ちょっと来るまでに時間がかかるけれど、近道に転紋利用を教えてあるの・・・・・あ、来た。」



ケロロは家族連れで現れた。


ロー・サブロー「ナマケモノ!

アラタ「タレ目・・・模様か。」


「失礼ね、ケロロ一家よ。」



サブロー「動物図鑑を見るといいよ。類似種が載っているかも。


「? そうね・・。あ、ケロロ来てくれてありがとう、これあげるわ、家族で食べて。またね。」



サブロー「何をあげたの?


「ケロロが好きな葉っぱと果物を寒天で固めたもの。最初ね、木の中に住んでいる幼虫を食べると思って、捕まえたものを袋ごと百匹くらいあげたの。」


サブロー(うねうね幼虫・・。)


「そしたらね、中身を確認して、ベシッと私に投げ返してきたの。オロロ曰く、ケロロはいつも葉っぱを食べているって。そのうち果物も好きなことに気がづいて、さっきのが出来上がったってわけ。」


ロー「ナマケモ・・ケロロも[収納付き]指輪(爪輪?)をはめてるんだね。


「そうよ。トイレ中に襲われる可能性があるから。あれ1つで一家全員守れるの。泳ぐこともあるし。」


サブロー(泳ぐのか!)

アラタ「トイレ中に??


サブロー「俺たちの故郷にいるケロロに似た動物は、20日に一度くらいの間隔で木から降りて、排泄するんだ。敵に襲われるとしたらその時が一番危険だ、動く速度はかなりゆっくりだからね。


「木に登ったまますればいいのにね。」


アラタ「そうだよね、わざわざ危険を冒してまで・・・でも、上から降ってくる20日分の巨大な糞を被りたくないや。こわくて森を歩けないよ。



「他にも紹介したいものがいるの。森の中に入るわよ。」


ーーー



「この子!可愛いでしょう?」


「熊?」「「アリクイ?」」(色が変だけれど・・。)



「それと、あ、いたいた。この子は苺みたいでしょう?」


「!」

「毒々しいカエルだ。」

「神経毒持ち!」



「毒があるから、私たち以外は気をつけないとね。」



サブロー「故郷では、この種のカエルは、毒のある虫を食べて毒持ちになるんだ。


アラタ「へえ。ならあげるエサによっては 無害か。


ロー「これは、生まれた時から毒持ちかもしれないけれどね。



「あとは、こっちに来て。・・・・・これなの。どう?」


「不細工な花!」「「ラフレシア!」」


「「「くっさ!!」」」



「臭いが強烈だから、邸には持ち帰らないけれど。」



サブロー「・・ジンは食虫植物が好きなの?


「そうよ、虫を捕まえる瞬間が面白いの。」



アラタ「そういえば、ジンの邸に変な植物が・・・


ロー「変な?


アラタ「貝が口を開けているような形で、両側の端にトゲがいっぱいついているんだ。


「ハエトリソウか」「ハエジゴク!」


「いつ見ても何も捕まえていないから、私が捕まえたハエをご飯としてあげてるの。」


「「・・・。」」


(クリアスライムが良い仕事をしているんだろう。byロー)



「邸に来た冒険者が、ハエを溶かす様子をじっと見てたの。同じ愛好家かと思ったら、

叫び声を上げて踏みつぶそうとしたの!火魔法も使おうとしたのよ。

だから、今は防御壁を張って空中に浮かべているの。勿論、エサは通り抜けOKよ。」


(そりゃ、蝿が沢山捕まっているのを見たら、気持ち悪いだろ。)




「次も、植物よ。見たら、すぐに口から言葉が出る!」


「ふーん?」



「じゃーーーん!」


「「「サル!」」」


「ね?出たでしょう?」



「なんだこれ?」

「・・花?」

「蘭の一種か?」


「そう、猿顔の花♪」


「これ、自然界のもの?ジンが巫山戯て作ったんじゃ?」

(人工物?)


「違うわよ。天然物!これは、結構な不思議花なの。今日は教えないけれど。」


「ふーん。」

((気になる。))





「最後に、とっておきを紹介するわね。もう少し奥へ進むわよ。」


ーーー




「この辺りでいいわね。アリアリ〜ごはんよ〜。」


ガサッ、ガサッと草木を分けて現れたのは、


「!!」「「うわあああっ!」」





暗い森から太陽光がさしたところに現れたのは、金茶色のもっさもさした毛皮、これは、いい。


「顔が、顔だけがショッキンピンク!」byサブロー


「耳もよ。」


(((そうですねー。)))



「ねえ、ねえ、ちびった?」


「はあ?」「俺は大丈夫。」

「俺も、叫び声すらあげなかったし。」


「「くっ・・・。」」



「サブローは、ちびったの?」


「ちびってねえよ!!」


「あらあ、いつもの言葉遣いが乱れてるわよ〜、動揺しているわね、ふふふ。」


「くっ・・・このぉ・・。」


「私は、今までで一番驚いたわよ。しばらく動けなかったもの。」




<アリアリとの出会い>



「ケロロに投げつけられた幼虫を拾っていたの。腐葉土に潜ろうとしていた個体もいたわ。

そうしたらね、不意に後ろから肩をぽんぽんって叩かれたの。


振り返ったら、いきなりアリアリの顔のドアップ!!・・・落ち着いてからお面でもつけているのかと

顔を触ったらマジもんだったわ。妖怪のナマハゲかと思ったわ〜。」



ロー「なまはげは神とも言われているよ。


サブロー「悪い子はいねが〜と言って包丁振り回す神様か・・。


アラタ「なにそれ、そっちの神様は物騒だね。



ロー「いや、ありとあらゆる神様がいるんだよ。八百万の神と言ってね。

この八百万は沢山という意味なんだけれど。


「多すぎよね。」



アラタ「・・それで?アリアリも指輪付きか。


「ええ、無駄になった幼虫を食べてくれたの。それで意気投合して。」


(((意気投合??)))



「なんでも食べるのよ。あ、石とかは無理。

生物、植物も含め食べるの。花だけ食べたりと、面白いわよ。トカゲも食べるわ、雑食性なの。


硬い木ノ実も、ほら見て、殻ごとバリバリ、顎の力が強いのね。

次、誰かが付属界に行く時、オロロ・ケロロ・アリアリも同行してもらうわ。」



アラタ「・・なんか色々不安だよ・・。



「この子は賢いのよ。アリアリ、さっき、この人たちの驚いた顔を見てどう感じた?」



すると、彼(?)は、ニタアと笑い、愉悦に浸っているのが俺らにもありありとわかった。


(((くっそ〜!)))



「すっごく表情豊かでしょう?意思の疎通は勿論できているわよ。

怒らせると、顔を(どぎついピンクから)真っ赤っかにさせるの。そして、道具も使えるんだから。」



ロー「へえ。人類の祖先のようだ。」


(何して怒らせたんだろう? byアラタ)



「そう言えば、猿の獣人に会ったことがないわ。もしかして、人間は猿獣人なんじゃないの?」


サブロー「そう考えたら、人族も含め、人間は獣人ですね。



「ふむ。強引にその説に持っていこうかしら。」



ーーー




アラタ「森の奥にダンジョンを作るんだろ?


「そう。ハッキリ言うと、人工ダンジョン。でも遠くない未来に他のダンジョンと同様になると思うわ。

ダンジョンボスは、ドラゴンたちに日替わりでやってもらうわ。シフトを組んで。」


(・・日替わり定食が浮かんだ。生姜焼きが食べたい。byサブロー)

(ドラゴンがアルバイトか・・・byロー)



ロー「ダンジョンに行くまでに、魔物でないものにやられそうだ・・。


アラタ「あー、あの苺ガエル?



「アリアリを見て、ちびって一旦着替えに戻るとか?」


「「「・・・。」」」



「アリアリ、指輪に食べ物を入れておいたから食べてね。今日はありがとう。

そして、これからもじゃんじゃん楽しんでね。森を通る人がすぐに増える予定よ。」



(((・・・・・。)))




・猿顔の花のモデルは、着生蘭の『モンキーオーキッド』です。

・アリアリのモデルは、アマゾンに棲むサルの『ハゲウアカリ』です。

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