表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

131/180

129話:帝国礼儀作法を学び始めた頃の話


[礼儀作法を学ぶために侯爵邸へ行った初日の話]




馬車から降りてきたジンフィーリアを出迎えるバトラーだったが、それを見つけてしまい、固まった。


ラースはバトラーを見て、人差し指を口にあて、しーっのジェスチャーをした。


それにギョッとするバトラー。




一緒に邸に入ってきた家の者たちがジンフィーリアを凝視して何か言いたそうにしている。



エントランスでのマリアの出迎えに、「お祖母様」と抱きつくジンフィーリアをマリアは嬉しそうに抱き返した。


ふとマリアの視界に、赤茶の毛皮が目に入った。


自分が抱いているジンの背中に??



そして、ひょいと顔を出したラースをドアップで見てしまった。



「きゃあああああっ!!」



「マリア、何事だ!」


「あ、あなた、フィリアの背中に魔物が・・。」


「なっ」


抜刀できるものは臨戦態勢に入った。


「フィリア、よいか動くでないぞ・・・。」


じりじり

「くそっ蜘蛛の魔物か?タランチュラの足に似ている!」


(いや、俺の手足は4本しかないから。)



魔物を刺激しないように、アーサーがゆっくりとジンフィーリアの背中に回ると同時に、

ラースが首をグルンと回し、アーサーをニタアと見た。


「っ!」




そこでジンフィーリアが、ああ、と納得し


「まだ、長時間、人化ができないのです。」と言った。



ラースはジンフィーリアの胸側へ移動し、ジンフィーリアの顔を両手で挟み口付けた。




(((((!)))))




ジンフィーリアは、はにかみながら、「可愛い」と言い愛おしそうにラースを見つめるのだった。




「「「「「・・・。」」」」」






「フィリア、その子もフィリアの世界の住人かい?」


「いいえ、ラースとはザクセン王国の森で会ったの。」






我が孫娘は、美醜の感覚がおかしいのかもしれない。


このことは皇帝や皇太子、ディーン、クリスに伝えられた。


つまり、皇太子やディーンを見て、「化け物!!」と叫んで気絶するかもしれないと。


(いや、それはない。)



皇太子とディーンの希望を受けて、鞠がラースを連れてきた。


「姫様が溺愛してるラースにゃん。」


「「!」」


二人はラースを見て、、なんとか叫ぶのを堪えた。



「ディーン、あれはなんと言う魔物だ?」ひそ


「見たことのない魔物です。」ひそひそ




「魔物と違うにゃん。

正真正銘、動物にゃん、前は。

今はちょっと違うものになってるにゃん。」



「それはなぜ?」


「姫様とずっとくっついていたから、色々影響を受けてるにゃん。」



(くっついて?)



「ラースと姫様は両想いで、ラースは大人になったら姫さまを喰うつもりにゃん。」


「「・・・・・。」」


「なんか諸々突っ込みたいんだが?」



「そう言うことにゃん、突っ込みたいにゃん、ね?ラース。」


ラースは「そうだ。」と言った。



「「はあぁ??」」






「ま、鞠から見て、私たちの顔はどうだ?」


「?」


「き、きれいな顔だと思うか?それとも、「汚いかどうかということにゃ?」


「「・・・。」」


(いや、そうじゃなくて・・・。)



「うーん?わからにゃい。けど鞠の顔は、可愛いってわかるにゃん。」



「・・間違ってない。」

「うん。」







「父上、ど、どうすれば。」ひそ


「つまり、フィリアから見たらお前の顔は、お前がラースを見て思ったのと同じ・・・」


「・・・気を失われたらどうしよう。」





「大丈夫にゃん、姫さまは耐性持ちにゃん。

どんなひどい顔でも平常心にゃん。」



「「・・・・・。」」


(産まれたときから美しいと言われ続けてる顔、なんだが。)

(人間には、ウケが良いんだけれど。)






<ライルと鞠>



「あのにゃ、クズ侯爵の娘に、自称天才魔法師がいるにゃ。

あいつ姫様に雷魔法ぶつけたにゃ。」



「そうかい。」

黒い笑顔の公爵が言った。




「あとこれ、管理人の椿様からにゃん。すとーかー玉というにゃん。

姫さまのことが時々視えるにゃん。

見たいときは、玉を上に向けて指で弾くにゃん。」




「こうかい?・・あ、あー、フィリア、可愛い ♡ 」



姫様にバレたら、めっ!にゃん。

バレたらライルの取り上げるにゃ。」



「わ、わかった。」




ラースのモデルは、マダガスカル島だけに生息する固有種『アカエリマキキツネザル』です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ