120話:原因解明、だが・・・
<解決策を検討中>
ローを中心として、話し合っていた。
ロー「うーん、伝染病と聞くと、俺はまず天然痘が浮かぶけれど、今回の症状とは違うよね。
ジン「アントワネットちゃんの義父がかかって、顔が溶けて死んだのよね。
ロー「あー、そうだね・・。あとは、コレラ。
百合「上と下から、ドバドバと水分が奪われるやつっすね〜。汚物に塗れるから周りに嫌がられ〜。
京「天然痘やっけ?溶けてゾンビ化、こっわ。
サブロー「ゾンビ化は違うよ。普通に死ぬんだよ。
ジン「野口英世氏の伝記を読んだわ、黄熱病の研究中に亡くなったと。伝記は結構好きよ。
サブロー「そう、その黄熱病にかかってね。
ロー「黄熱病か・・、症状は、、、ジンが取り寄せた中に『感染病の歴史』という本が確かあったな。
ジン「ちょっと待って、、、あ、あるわ。でもここは異世界、あてはまらないでしょう?
サブロー「そうとも限らないし 、手がかりにはなるかもしれない。グレイもジンから本は全て複製してもらっただろう?今は読めるよね?
グレイ「うん。
ロー「発熱、嘔吐、一時的に回復。似ているけれど。3日ほどで回復か。王国のは1、2時間で一旦回復するんだったよね。
ジン「アーフィンからそう聞いたわ。
百合「世界が違うから誤差っすかね〜。
ロー「そうかもしれないが、黄疸症状は出てないから肝臓の障害はなさそうだね。
サブロー「黄熱病は熱帯病ですよね。
ロー「熱帯病、、熱帯病ね、、皆で熱帯病に絞って探してみようか。
ーーー
サブロー「マラリアの症状が酷似していますね。
ロー「以前、マラリアもよく耳にしたけど、症状までは把握してなかったよ。
サブロー「俺も同じですよ、こんな規則的に回復と発熱を繰り返すなんて知りませんでした。
犬を飼っていて毎年、フィラリアの駆除剤を半年間ほど飲ませ続けていたことを思い出しました。
グレイ「フィラリアって?
サブロー「犬が蚊に刺されるとそのフィラリアっていう寄生幼虫が体内に入るんだ。
それが成虫になると心臓に寄生して機能障害を起こすんだよ。
フィラリアが寄生した心臓画像を見たけれど、ソーメンみたいな白い細長い虫が心臓にいっぱい巣食ってたよ。
百合/京「ひえっ。」「げえっ。」
ロー「マラリアは、マラリア原虫が原因だけれど、細菌やウイルスよりも高等な生物だ。
ジン「黄熱病は、細菌でなくウイルスだったって書いてあったけれど。それより上の厄介なものってこと?
サブロー「今回のは、マラリアに近いものが原因として、熱帯気候ってあるの?この世界。
グレイ「平均気温が1年を通して高めで、雨が非常によく降るところですよね。
それでしたらマゾン国が当てはまります。島国なんですけれど。フルーツの宝庫だとか。
珍しい動物もいっぱいいて、あ、もしかしてラースの仲間もいるかもしれませんね。
ロー・サブロー「島国・・。
ジン「ラースの仲間・・。
ーーー
ジン「ビンゴ!よ。サブマ領主公認で、マゾン国と貿易している商人がいるわ。
その商人を通して、確認してもらってるわ。
ーーー
アーフィン「マゾン国には、古くから風土病があって、今回の我が国で発生した症状と一致した。
ジンフィーリア「それで対処法は?
「・・ないそうだ。沢山の人が死ぬがそのうち収束すると言っていた。」
「・・・。ザクセン王国としては、どうするの?」
「・・・フィリア、無茶を承知で頼めないか。」
(王国は、蚊が好む気候ではない。でも・・・。)
「放置で、今回収束したとして、きっと(蚊が適応進化して)土着して、繰り返す可能性があるわよ。」
「っ!・・それは避けたい。」
「どこまでできるかわからないけれども、善処するわ。根本の対処はこちらで模索するとして、
症状に対する治療は、王国でしっかりとやってちょうだい。勿論、獣人に対してもね!」
「心得た!感謝する!獣人を差別せず治療するよう徹底させよう。」
ーーー
京「姫ちゃんが、そのマラリアに効く薬を創造すればええやろ?そんで万事OKやんか。
百合「そうっすよ!
「・・・期待に応えられなくてごめん。単純にできなかった。
(望むものなんでも創造できると願えばよかった。叶ったかはわからないけれど。)
ロー「ここの原虫に効く薬を作らなければならない。成分はマラリアを参考にできると思う。
サブロー「フィラリアと一緒で、宿主に害がなく、虫だけ殺す薬が必要だね。
グレイ「時間がかかるよね、検証もいるし。直接人体実験になっちゃう。
ロー「先を考えれば薬を開発するとよいが、それは国ごとで取り組めばいい。
ジン(抗マラリア剤C15H22O5、この構造式から派生させて・・今は一旦、やめて。)
「もっと手っ取り早い方法を使おう。」




