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119話:好機?


[付属界にてまだまだ生活中]



ここを追い出されるまで、子供達のヒーロー合体ロボットの創作に凝っていた。


ミスリル製とオリハルコン製だ。ロボドラゴン、ロボタイガ・・・。


クリアスライムと連携をとる。


搭乗者には、頭から爪先まで、スライムスーツを着てもらう。操縦席の壁もスライムたちが防御している。


利用することはないかもしれないが、合体ロボの内部に、居住空間を作った。

もちろんいつでも入れる温泉付きだ。


ロボに合わせて、応援歌を創作した。合体ロボたち向けだけでなく、個別ロボ用の歌もある。


これを歌うと、ロボたちの性能が上がるのだ。



(弟妹たちにヒーロースーツを着せる気だ、俺は絶対着ない!)


(俺もジンに懇願されても断固拒否する!)




そして、ここに滞在している間に、一度変化した。数ヶ月そのままだった。


想定外ではあったが、ここでは安全とわかったから問題ない。

なぜなら、世界がとても狭いから。


戻ってからツケを払わされて、2日連続変化などシャレにならん。




この界で、一角獣・伝説のユニコーンと会った。


御伽噺の中では、清らかな乙女にしか近寄らないと書かれている。


実際は、私に近づいてくるし、背にも乗せてくれる。


10頭に、バングルを嵌めてもらった。最初は首につけるつもりだったが彼(彼女)らの希望で角の根元に付けた。カッコいいツノ飾りだと皆が喜んでいる。




結果、10年と少々過ごしたようだ。


私たちは、珍界へ戻った。


1ヶ月の間、現実世界で特段何もなかった、というわけではなかった。




10年経っての変化だが、ジンは背が伸びたくらいだろうか。時々何気ない仕草に色を感じハッとすることもあるが。(byカイ)



ユニコーンたちは、想像通りの人化姿だった。穢らわしい手で触れてはならない存在。


恐ろしいクリアスライム軍団が爆誕したのかもしれない。殲滅隊か?




「カイとヴァイスたちは、好きな年齢になればいいけれど、レイと弟妹たちは元の年齢に近づけるように。では、現実世界に帰還する!」








[ザクセン王国:キャンデック領に近いサブマ領地にて]



原因不明の病で領民が死んだ。二人、三人と死ぬものが続く。


そしてその後も死亡者は増え続けた。



領主は、王宮に救援要請をし、治療と原因究明のため医師たちが派遣された。


しかし、原因がわからないまま、医師たちも病を発症し死亡するものが出るという状況だった。



死者が300人を超えた。


他国にも救援要請をすべきだとの声があがる。


伝染病なら、自国に持ち込むことになるかもしれない。

派遣されたものは国に帰れなくなるかもしれない。


諸外国の腰は重い。





ザクセン王国・第2王子アーフィンは、父王より内々の指示を受け、テックを通してジンフィーリアに連絡を取ろうとした。


しかし、30日間、誰も連絡がとれない所に滞在しているとの返事だった。


ザクセン王宮では、披露目も近い大重要人物であるが故、ザクセン国へ向かわせる気がないのだろうというのが大方の意見だった。



アーフィンたちの見解は違った。


フィリアが自領としたいキャンデック領にも被害が出始めている。


そして獣人たちへの治療は後回し、と言うよりも放置されているに等しい。


その状態をフィリアが静観しているとは思えなかった。


だから、フィリアが手の届かないところに居るのは真実なのだと思った。





その病は最初、領内でも貧しい者が密集して暮らすスラムから多くの死者を出していたことがわかった。


症状は、40度を超える熱が出るが短時間で回復する。3日後再発熱、下がる。さらに3日後再々発熱、死亡する。頭痛・下痢・嘔吐を伴うという奇妙なものだった。




ザクセン王国は、正式に帝国へ救援要請した。


この病の収束に貢献してくれたら、見返りとして現キャンデック領をジンフィーリア個人に譲渡するというものだった。


元々交渉次第では、キャンデック領2/3(彷徨える森を含む領民が住んでいない地域)譲渡は仕方ないと王国では考えられていた。


帝国・皇帝たちとしてはキャンデック領全ての譲渡を望んでいた。


それ故、今回の王国の条件提示に怒っていた。元々水面下の交渉では決まりつつあったものをわざとらしく謝礼として公にしてきたのだから。もっと別のよいものを出せ!と思っても仕方のないことだった。


しかも帝国への要請なのに、礼は個人にとは。

ジンフィーリアを担ぎ出したい魂胆が見え見えだった。



ジンフィーリアが邸に戻ったのは、ちょうどそんな頃だった。




皇帝やライル、パーマー侯爵家の面々は、反対した。


疫病蔓延るその現地へ行くなど言語道断。移って死んだらどうする!


漸く会えたばかりなのに死地へ赴くなど許さん!皆の総意であった。



だが、ジンフィーリアは、穏便に建国地が手に入るならそれでよいと思った故、王国へ行く気だった。



解決できるかは別として。



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