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114話・皇帝と


公務の合間を縫って、陛下にお会いすることとなった。


今私たちは、待機中だ。


「お待たせいたしました。ご案内致します。」


(ディーも一緒なの?)




「フィリア、だな?待ちかねたぞ。もっと早くに会い・・瞳が金色?・・・ライル?」


「父上、黙っていて申し訳ありません。」



ーーー



陛下、お祖父様の方から私のそばに来て抱きしめてくださった。


リリ、、母によく似て、と仰る。


人の顔を認識する時、捉えるところが人それぞれ違うのだと思う。


私は、お母様に『面影がある』『よく似ている』のどちらかの評価を受ける。


『面影がある』 = 血の繋がりを感じる?

『よく似ている』 = 完全にあの親の子と信じている?


私への言い回しは、リリアンヌお母様への依存度によるのかしら。



「ディーンの母親には、会ったか?」


「・・・はい。」(いけない、考え事をしてちゃ。)


「どうした?何か言われたか?」


「いえ、そんな「母上の態度が悪かったのです。」


「・・・キラ?」


「ふう・・。本当にすまないね、フィリア。あれは、いつも誰に対してもあのような態度で・・。」


「誰に対しても、、、ですか?」


「そ、そうなんだ。侍女たちもいつも被害を受けてて・・。だからフィーにだけあの態度だったわけじゃなくて。」


「おや?すでに愛称呼びをしているのか?」


「は、はい。フィーは僕のことをディー、と。」


皇帝は、そんな孫たちを微笑ましく思った。


「ヒス妃様は、誰に対しても、公平に接しておられるんですね。」


ん??


「人によって態度を変える者より、ある意味好感がもてます。」


「そ、そうか、そう言ってくれるか。」


「ですが、母親の悋気が酷く、その母親が亡くなるまで結婚しなかった方を、私は知っております。」


「・・・・・。」


「・・・・・。」


「・・・・・。」


「?・・どうかなさいましたか。」


「い、いや・・・。」


(フィ、フィリア・・兄上にこんな顔させるなんて、やるじゃないか。)




「どうか、お祖父様と呼んでおくれ。」


「・・お祖父様。」


「おおっ、もっと呼んでくれ。」


「お祖父様、お願いがあります。」


「私にできることなら、何でも叶えてやりたい。」



「獣人たちへの差別意識をなくし、彼らの地位向上を目指したい、か。」


「はい、同じ人として、彼らへの仕打ちは容認できません。

どうか、お祖父様の広いお心でお助けください。

獣人族にも差別する側にも意識改革となるきっかけを作りたいのです。」




後ほど、お祖父様・伯父様・お父様の3人で話を詰めてもらえることとなった。


お祖父様は、前向きに検討しよう、と仰ってくださったので思わず抱きついてしまった。


その皇帝の顔がだらしなく崩れているのをライルたちは生温かい目で見ていた。




(よし!皇帝に言いたいことは言えた。)


「フィー、フィーってば。」


「はい。」


「母上のことは、なんとかするよ。」


「始末するんですか?」


「え・・・。」

「ジンフィーリア嬢、なんてことを!」


「冗談ですよ。そこは、母親にそんなことを言う女なんてこちらから願い下げだ!と言うところでは?」


「「・・・。」」


ディーンは、何処かに行きそうになった意識を戻した。


「俺は、結婚してからも一生大事にするよ。

お祖父様のように、手に入った途端、態度を変えるようなことはしないと誓うよ。」


(おおぅ、皇帝陛下をディスっている。)


「嘘です。」


「嘘じゃない!どうしてわかってくれない?」


「私がそうだったからです。」


「「?」」


「Don’t feed the fish you catch.」


??


「そして、よく水臭い、と言われました。料理の腕には自信があったのですが。」


???


「ああ、話が逸れましたね。ディー、根本が間違っています。

私自身が、貴族、ましてや皇族の妻になり得ないのです。相応しくないからです。

平民として育った私には、貴族の義務は関係ないと思っております。


貴族社会で生きることは全く考えておりません。

今は、目的の為に社交の場にも出ますが、正直、社交ダンスが苦手ですので踊るつもりはありません。」


そこまで言って、面倒くさくなったジンフィーリアは逃げた。



「「あ・・・。」」


「ダンスを人前で踊りたくないから、貴族の暮らしは嫌ってことか?」


「いや、ディー、それだけじゃないと思うよ。」



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