112話:ジンフィーリア13歳
この部分、昨日投稿したはずでした。
どこにUPしたのか・・・。
ジンフィーリアは、13歳になっていた。
パーマー侯爵家で礼儀作法を学びはじめてから30日ほど経った。
この間に一度へんげしたが、10分で戻った。
ジンフィーリアは、礼儀作法だけ学ぶつもりつもりだった。
が、マリアは、講師陣を豊富に揃え、孫娘の到着を待っていた。
そのおかげでかなりの時間がとられ、ジンフィーリアの機嫌は悪かった。
基本、自分で好きなように時間を使いたいジンフィーリアは、他人に時間を取られることをよしとしない。
協調性にも欠ける彼女だった。
マリアは、孫娘の出来を講師陣から報告を受けた。
まず、ダンス講師はジンフィーリアが一度で覚えたと絶賛していた。
ジンフィーリアにとって、こういった優雅な踊りは好みではなかった。
ワルツはまだ許せたが、スローペースのダンスはつまらなかった。
相手と密着して踊ることも苦手だった。
ランバダは、好きだが踊る相手は選びたい。
そもそも、舞踏会でこのダンスはない。
算術の講師は、ジンフィーリアには教えることがないと落ち込んでいた。
孫娘に対する教師陣の評価は高かった。
当初の目立たない作戦から方向転換して、表舞台に立つことにした。
そろそろ、非公式で皇太子に会おうということになった。
その前に珍界での成人式があり、約束通り参加した。
あるじが嘘をつくわけにはいかないと腹をくくったのだった。
[カランコエ:ローの居室]
「そう、王宮へ行くんだね。」
「ええ、自分が望んだこととはいえ、面倒ではあるのよね。
建国の話、自分の中でどっかいってたりして。
今は、金儲けが超楽しいわ。」
「ははは。」
「建国に関しては、ある程度流れができたら、誰かに押しつけたいわ。
獣人族の熱い革命家なんていないかしら。」
(やはり、面倒くさいんだね。)
「クロウはどんな種族に生まれているのかしら。どこかの王族だったりして。」
「そういうリアが王族じゃないか。」
「お父様は、臣籍降下しているから一貴族でしょう?」
「それでも皇族の血を引いていることに変わりはない。」
「うーん、転生前、身分には一切触れなかったのになぜこうなったのか。極端な話よね。
私に秘密ごとがあるように、ローも、そしてクローも内緒にしてることがありそう。」
「・・・。」
答えず、目を逸らすローガンだった。
「あああ、イライラする。酒でも飲まなやっとれん!」
「そんなにダンスが嫌なの?」
「あら、何にイラついてるか、わかってくれるのね。私、よく考えたら友達が1人もいないわ。」
「話が飛ぶね。」
「その通り、話変わるけれど、ケイジはどう?」
「・・・うーん。」
「私が引き取ってもいい?最初レイをと思っていたけれども、ここでも大丈夫そうよね。」
「そうだね、人手があるからね。」
「では、ケイジを預かることにするわ。ローはこの先どうするの?そろそろ結婚する?」
「考えたこともないな。」
「もしかして初恋すらまだ、とか?」
「そ、うかもしれない。」
「ふふん、私もよ。類友ね。」そう言ってローに抱きつくジンフィーリア。
(またね。)
「・・ああ、また。」
ーーー
「ケイジ、私と一緒に行くわよ。」
「・・なんで?」
「私が一緒にいたいからよ。さっ行くわよ。」
ケイジの手を握ってとんだ。
「ヴィオ、ただいま。ふふ、今日も可愛いわね。今日からケイジも一緒よ。
ケイジ、ヴィオに遊んでもらって。」
「逆だろ!」
自分の部屋の空間を広げ、キッチンを追加する。
料理の本からスパゲッティの項目を見る。
米粉と卵で麺を作る。
トマトパスタというものに決め作った。
ケイジの前に出す。
食べてみると気に入ったようで、あっという間に食べ終わった。
ヴィオにはトマトピューレを使って離乳食を作った。
食いつきがよい。
3人で入浴し、一緒に寝た。
聞いていた通り、ケイジがひどく魘されている。
抱きしめ「私が守るわ。」と囁き、頭を撫で続けるうちに落ち着いて、穏やかな寝息をたてはじめた。
そっとケイジの腕にバングルを嵌めた。
王宮へ行く日の前日から公爵家に泊まるように言われ、ジンフィーリアは従った。
彼女の部屋が用意されているのにもかかわらず、ほとんど使ったことがなかった。
[王宮:婚約者として初顔合わせ]
ディーン第3皇子とその両親、つまり皇太子殿下とその妃、対するはカンタベル公爵夫妻とジンフィーリア。
簡単な挨拶・自己紹介のあと、ヒス妃はジンフィーリアを睨んでさっさと退出した。
((・・・・・。))
「あれが、すまない。」「母上がすまない。」
「・・お気になさらず。」




