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111話:挙式の翌日



翌朝、目覚めたララに、「まあ、ベン、あなた・・・。」と驚かれた。


とにかく鏡を見てと言われ、部屋の姿見に自分を映した。


「・・・わ、若返っている?」




朝食もうまかった。


ララとウッドデッキでお茶を飲みながら穏やかな時を過ごす。



昼頃になると、また馬車に乗せられ、ツリーハウスに案内された。


これは、また、不思議な・・。


ララは子供のように、目をキラキラさせている。


心配しながらララが上るのを待つ。



ララがテーブルの上の料理に喜んでいる。


メモが置いてあり、『小さなお客様が現れたら、このお菓子をあげてください。』と書いてある。


ララがその訪問者とやらに期待している。



美味しいわ、とララが喜んでいる。

同感だ。色合いも視覚的にも楽しめる料理だった。



そこへ子ドラゴンたちが不意に現れる。二匹で1枚の紙を持っている。


『おめでとう』と書かれていた。


ララが嬉しそうに微笑んだ。



子ドラたちは、お菓子をチラチラ見ている。


「このお菓子をあげるのね。」ララが渡すと嬉しそうに鳴き、消えた。


「まあっ、ふふふ。」




ララとお茶を飲んでいると、子供たちも合流した。


若返ったことを驚かれた。



子供たちを2人で抱きしめる。


「「子どもたち、素敵な贈り物をありがとう。」」


しばらく、ツリーハウスで過ごした。




翌日は、家族で王都を散策した。


ララにネックレスを贈った。





帝都に戻り、姫様から「ララと似合いな外見になったわね。」と言われた。


やはり、姫様の仕業か。

確かに回復後のララを若々しいと思っていたが。



そして、姫様からガラスケースと小さな箱をいただいた。


ケースの中には、ララが持っていたブーケと対の私が胸にさしていた花が入っていた。

この鮮度のまま何十年も保つそうだ。



小さな箱の中には、記録玉が入っていた。


夜、家族で見た。


ララの挙式前の初々しい様子からはじまって、挙式・食事会の様子などが記録されていた。


また姫様に夫婦で泣かされてしまった。




<王都住人>



私たち、街に住む仲良し3人組は、街外れの教会での挙式見学会に参加した。


女の子は、それぞれ結婚に夢があるものだ。



「うわあ、王族がパレードの時に乗るような馬車だ。」

「ウェディングドレス姿の花嫁さんが乗っているわ。」



そして、キラキラした美形獣人にエスコートされ、教会の中に入っていった。



突然、空中に映像が流れはじめた。

皆、びっくりしている。勿論、私たちも。


教会内の様子が映し出される。


女性が解説をはじめた。


新郎新婦の衣装、そして参列者の衣装は、全て、王都の貸衣装店『カラフル』のものだと言う。


神父様の御衣装は自前です、のセリフに、皆が笑う。


「花嫁のブーケはドレスに合わせてこちらで用意します。

私どもが提供する挙式のパックには、互いの名前を刻印した指輪、

そして、今、大きく映った花嫁のこの装飾爪も込みです。

こちらは、14日経つと消えます。

帝都の『リリイ』という店の技術です。」



次に新郎新婦が初夜を過ごすコテージの各部屋が映し出される。


浴室が映り、新郎新婦が使うシャンプー・ボディーソープ・香油は全てタイガ商会のものだと説明があった。


皆、口々に素敵だ、いいなと言い合っている。



「本日、新郎新婦に召し上がっていただく料理です。」


(すっごくきれい、可愛い、美味しそう!)



「翌日の昼食は、オープン馬車に乗ってツリーハウスへ向かっていただきます。」


外観とツリーハウスの内部、料理が映る。


(うっわあ、中に入ってみたい。お料理も食べてみたい。)



「本日は見学会に参加いただきありがとうございます。

お土産を用意しましたので、お持ち帰りください。

帝都『鈴蘭亭』の焼き菓子でございます。」



私たちは、遠目に会食の様子を見ながら、焼き菓子をもらって帰った。


帰宅して食べたこのお菓子が、これまた美味しいのなんのって。








王都でもタイガ商会の商品が店頭に並ぶようになった。


売上は順調にのびている。


『ラベンダ』でも購入できる。



マリアお祖母様とジョゼお母様に、ラベンダとリリイで体験してもらった。


お二人の意見を参考にサービス提供価格が決まった。


装飾爪もとても気にいっていただけた。



2人がつけて、社交の場に出て行くだけで充分な宣伝になる。


2回目以降は、棗がカンタベル公爵家・パーマー侯爵家に出張し、都度、新デザインを爪に施術している。





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