109話:検証~酔どろん~
帝都のギルマスに念話中。
(ギルマス〜、ただで酒飲ますから20人くらい集めてほしい。)
(うん?)
(二日酔いに効く薬を売ろうと思って。効果を確かめたいの。)
(ほう。・・ただ?)
(そう、ご飯も出すから。鈴蘭亭という店を開店するので、接客練習もしたいから頼みたい。
念の為伝えるけれども、給仕たちに不埒な真似は許さん。)
(そんな命知らずはおらんと思うぞ、、、たぶん。)
(ならよいの。集まったらギルドに迎えに行くから。連絡して。)
(ただならすぐ集まるぞ。)
(それは助かる。では待ってます。)
ーーー
(まさか、昼間から集まることになるとは・・・。)
「では、皆さん、本番と思っていきますよ〜。」
「「「「はーい。」」」」
ジンフィーリア以外は、お揃いの制服を着ている。
ジンフィーリアは建物の中央で出迎える。京と撫子も『お調子もん滅し隊』として参加。
ここでABCそれぞれの部屋へ割り振るのだ。
Aフロアは気兼ねなく楽しく飲酒してもらう場。
B・Cフロアは言葉遣いに気をつけ、ゆったりと動くように指示してある。
「いらっしゃいませ。鈴蘭亭へようこそ。・・あれ?・・何名様ですか?」
「30人だ。」
(おいっ!10人定員オーバーじゃねえか!)
「(平常心で。)かしこまりました。Aフロアへご案内いたします。こちらからお入りください。」
「ちなみに!メニューの端から端まで注文!と仰った方には、即、お帰りいただきます。
よろしいですね?」
「「「は、い。」」」←やろうとしていた奴ら
「30名様ご来店です。」
「「「「いらっしゃいませ。」」」」
(聞いてたより多いっ・・・)
「「おおっ」」
「広いな・・。」
「庭がだだっ広い。」
<とあるテーブル>
「いらっしゃいませ。こちらは、サービスの小鉢です。」
「これ何?」
「ポテトサラダです。」
「メニューをどうぞ。」
「へえ。」
「ご注文が決まったら呼んでください。」
「「おーい。」」
「はーい。ただいま~。」
ギルマスの居るテーブルには、エース・アラン・ナート・ライトが同席していた。
一度に30名の客が来店、注文が重なったので、しっちゃかめっちゃかになった。
あ〜、特別バイト料を出すから、乗りきって。
段々盛り上がってきた。
楽しい雰囲気から、そろそろ逸脱者が出る頃か。
「おねえちゃ〜ん、注文。」
メニューを開いて、
「こっからここまで〜。」
「それ、言っちゃダメじゃん!ギャハハハ。」
「ギャハハハ〜。」
ジンフィーリアは、すかさずそのテーブルに行き、
「即、お帰りくださいませ。」と告げた。
「何、言ってんの〜、俺ら客だよ〜。」
ジンフィーリアのおっぱいを、人差し指で「つんつん。なんちって。」と触った。
その場の者たちは凍りついた。
「わあ、柔らか〜〜ギャハハハ。」
ドスをきかせた声が響いた。
「ルールを守らん奴は客じゃねぇ!!疾く!いね!!」byジンフィーリア
「「「ひっ。」」」
「「「・・・。」」」 「「ま、まずい・・。」」
「「「ごめんなさい。」」」「「すみませんでしたぁ!」」
「おう、おまえら、しばくぞ!」「いてまうぞ!!」京&撫子
「「「帰れ!!!」」」 byジンフィーリア、京&撫子
5人は、ギルマスの指示でエース・ナート兄弟によってボコられ、庭に正座させられた。
烈火(回復薬劣化版)を5倍に希釈したものを与える。→素面となる。
希釈倍率を上げたものを与え続け、最終ラインが出た。
その2つ前の希釈濃度で売ることに決めた。
その名も『酔いどろん』だ。
そろそろお開きという時に、給仕のケツを揉んだ奴が。
撫子に蹴り倒され、顔面をギュウギュウ踏まれた。
こいつにはわざと薬を飲ませなかった。
数日、顔に靴跡が付いたままで、周りにバカにされていたそうだ。
撫子さんの足蹴りでスッキリした。気にしていません。と被害者の彼女は言ってくれた。
体の柔らかい撫子の蹴りは、美しくカッコよかった。
客になってくれた者たちが帰った後、従業員にテーブルごとの会計をレジ打ち練習させた。
[帝都:ギルドの一角]
タイガ商会の売り子仕事は、午前中と夕方に少し忙しくなる。
収納尻尾は、勢いよく売れた後は、日々ポツリポツリの注文となった。
もう一つの商品、二日酔い改善薬の『酔いどろん』という商品が毎日結構売れる。
5本で銀貨1枚と安い。こちらはギルドに歩合を払わない取り決めだ。
酔どろんの売り上げの1割が売り子である彼女たちの歩合給である。別に固定給も支払われる。
お客がいないときは、本を読んだり好きに過ごしてよいと言われている。
数人で交代で売り子をする。
皆、小さい子供のいる母親である。
[フィリア邸にて]
柊から報告を受けたので。早速連絡した。
(ルル〜)
(姫様、こんにちは。
(あなたたち、両親の20年目の結婚記念日に何かプレゼントをと考え中だとか。)
(そうなんです。でも、なかなか決まらなくて。)
(だったら、こんなのは、どうかしら?)




