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103話:新拠点へ移動


「ふう。」


ジンフィーリアは、なんとか落ち着くことができた。


(大切な彼をこのままにしておけない。)



「ジェイ、いえローガン、「ローでいいよ。」


「・・ロー、私のことは何て呼ぶ?・・あ、そうだ、預かっていたものを返すわ。」


ジンフィーリアは、ジェイにバングルをはめた。



「中身はそのままだと思うけれど。」


「あとで見てみるよ。今の名前は?」

「ジンフィーリアよ。」


「誰か、リアって呼んでる?」

「呼ぶ人はいないけれど、お祖母様の愛称がリアだわ。お祖父様しか呼ばないけれど。」


「なら、いいね、リアと呼ぶよ。」


「ええ、ロー。・・今は何歳なの?」


「32歳だよ。リアは?」


「老けて見られるけれども、当ててみて。」


「13歳かい?」

「もうすぐ13歳になるわ!」



「私は、君たちが13歳で成人と知っているからね。無事にここまで生きてこられたんだね。」


「そうね、でもつい最近までは、生きているだけだった。何も学ばず何も努力せず・・。」


「取り戻したんだね。僕もそうだよ。思い出したのは1ヶ月ほど前だ。」


「え、今までは、赤子の時から記憶があったでしょう?」

「そう、だね。」


「もしかして、それから孤児たちと暮らしているの?」

「うん。」


「今、子供は何人?」


「さっきの赤ん坊を入れて12人だよ。今朝、建物の前に置かれていたんだ。」

「・・・そう。」


「勝手がわからなくて、苦戦してるよ。」


「獣人の子はいるの?」

「一人だけいるよ。なかなか心を開いてくれないけれど、優しくて賢い子だよ。」



「子供たち、静かね。」


「・・我慢してるんだ。うるさい、出て行けと言われてね。」


「ああ、近所の新住人ね。クズたちとグルじゃないの?」

「そうかもと思っているよ。」



「楓からどこまで聞いた?」


「私たちのために、土地を購入してくれたと。」


「そう、そうなの。ここで話していても尽きないから移動しましょう。荷物は多い?」


「そんなにないけれど・・。」


「そうだ、この教会ごと持っていく?」

「そんなことできるのかい。」


「家そのものを作り変えるけれど、外観等はこのままにできるわ。

このまま移動して、向こうでこの教会に入って荷物を運びだせばいいわ。あちらには、服なども用意してあるの。

ね、そうしましょう。疲れているでしょう?」


「ああ、・・実は、かなり参っていたよ。一人だったらとっくにダメになっていたかもしれない。

守るべきものがあるから、なんとかもっていたんだろうね。」


(その守りたい者を嫌がらせの対象にされたのよね。)


「ロー、あとでよしよししてあげるわ。」


「それは嬉しいな。」



ーーー



とりあえず、コテージから出てもらい収納する。


ローと教会の子供たち、護衛、楓、京を連れ新拠点へとぶ。



「「「!!!!!」」」


「「「「「えーーーっ?!」」」」」




「とりあえず、中に入って。あなたたちの家よ。」


皆、言いたいことはあるだろうが、素直に入ってくれた。



「楓、人手が足りなかったら呼んで。私は、コテージを出したら教会に戻るわ。」

「はい、お気をつけて。」


「護衛たち、コテージの場所を決めて。」


ローにはあとでね、と目配せした。



(桂、赤子がいるの。オムツ役を頼むわ。)


コテージを設置して、護衛たちが入ったのを見届けて教会に戻った。




クズどもが来ると面倒くさいので、急ぎ作業する。


教会を収納し、ローへ送る。


すぐ新天地へ戻らず、再度商業ギルドへ行く。




受付嬢「本日は大変ありがとうございました。・・何か不都合がございましたか。


「いいえ、そうではなくて。扱ってほしい商品があるの。」


受付嬢「どういったものですか。



カウンターの上に、シャンプー・香油(髪用)・ボディーソープを30本と烈火(回復薬劣化版)10本を出した。


「実際にギルドの方たちに使用していただき、価格を決めていただけたらと思います。全て使用していただいて構いません。


実は、帝都の商業ギルドにも見本を渡してあります。まだ価格等返事はもらっておりません。

帝都と価格が違っても構わないと思っております。

預かっていただけますか。」



受付嬢「えっと、少々お待ちください。


受付嬢は慌てて席を外した。



ギルド長「お待たせいたしました。先程はありがとうございました。」


「こちらこそ。それで、どうでしょうか。」


ギルド長「お預かり致します。


「では、明日の面接の件も併せてよろしくお願い致します。」






[ローの居る新拠点へ]



「楓、戻ったわ。」

「おかえりなさいませ、姫さま。」


「子供たちは入浴と食事を済ませております。」

「瑠璃、ありがとう。ローはどうしてる?」


「3階の部屋です。」


「そう、赤子のお風呂は?」


「まだです、ローガンが抱いています。」


「ローも食事は済んだ?」


「いえ、姫様と一緒にと仰って。」


「・・わかったわ。護衛たちの食事は?」

「運びました。」


「楓、ありがとう。ローのところへ行くわ。」




コン、コン


「ロー?」

「リア、おかえり・・・。」


「どうしたの、泣いていたの?あ、その子、眠っているわね。」


ベビーベッドを出して赤子を寝かせる。


「!・・ 用意がいいんだね。」


「実は、帝都の屋敷に赤子がいるのよ。あとで連れてきていいかしら?」

「構わないよ。」




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