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102話:再会


[ザクセン王国:城]



「おまえたちはいいよな~。」


「アーフィン殿下、いい加減にしてくださいよ。」


「あーあ、俺も獣人だったらな~。」


「殿下、何を言って「いいよな~、妖精さんに好かれて。」



「うわあ、完全にいじけてる。」ヒソ

「それより、昼間っから酒飲んでいいんですか。」ヒソヒソ


「仕事に支障がなければ、姫さまでしたらOKですね。」


「「わあっ!」」



「楓か!どうした?フィリアが俺になにか用事か?」


「テックを探すように言われたのですが、まあいいです。」

「・・なんか、ひどくないか。」



「というわけで、そのクソ伯爵をなんとかしてください。」

「わかった、任せろ。」


「では、もう対処されたとして、こちらは動きますので。」



「消えた・・・。」

「あ~、主に似て、色々、早いですね。ははは。」


「きっと、なにかお礼が届きますよ。」


「・・おまえたちに、な。」



((うわあ、余計にいじけた。))


「いいから、さっさと動け。」

「「はい!」」






[教会・孤児院建築予定地]



こんなに広いのなら建物の屋上プールから、トンネル滑り台を下のプールに繋げて。うんいい感じ。


下のプールの水深は5Mでいいか。


(え?深すぎちゃう??)


潔癖君に乗って滑り降りるから危険はないし。




<子供の家>


1階


・室内遊技場、リビング、ダイニング


・浴室はどの時間でも入れるものに。男女別。


・トイレの数は多めに



2階


・だだっ広いグループ部屋


3階


・個室


・神父様の部屋。ゆったりとくつろげるように。




続けて、教会、護衛の家、屋外遊技場、ツリーハウスと設置した。




戦争が起きたら、軍隊がここを通るだろう。となると防衛面はしっかりと。


あとは、神父様と相談していくらでも変更はできる。


今日から住んでもらえるように早速はじめよう。塀からだな。




* * *




3階からの滑り台は、試してみたら、ちびりそうになった。

まっすぐはやめて、螺旋状にした。


転紋を設置し、新しく連れてきたクリアスライムにバングルを与えて、けいと名付けた。


衣装は、子供達のものだけでなく、神父様のものも用意した。神父服3着と私服を。

白髪の優しそうな爺様を想像しながら作った。


教会は天井を高くし、吹き抜けにした。陽光が入りやすように高さのあるステンドグラス窓にした。

私の好みで、白色や薄い青・桃色を多く使った。


迎えに行こう。まずは、コテージへ。






「皆、ありがとう。京、何かあった?」

「なんも。」


「騎士団たちは?」

「先に調べてから動くそうです。姫さま。」


「楓、お疲れ様。アベルに新住所を送っておくわ。」


「護衛たち、拠点は?もしよければ、このコテージを提供するわよ。」


護衛たちは驚いた後、顔を見合わせて相談している。

KJRの3人は、新孤児院敷地内にコテージを設置して住むことになった。






「あの〜、お邪魔します。ローガン神父様はいらっしゃいますか。」


ガタ、ガタっと聞こえ、子供が一人ひょこっと顔を出した。


「誰?」


(警戒されている。無理もない。)


「ジンフィーリアと申します。隣の土地を買ったので挨拶に参りました。」


「え?」


「神父様はいらっしゃる?」


「いない!怪しい奴め!」


「本当に隣人よ。もう家も建っているわ。外に出て見てみなさいよ。」



「・・・。」

私を睨みながらも素直に外に出てくれた。


「!!・・おかしい!朝はなかったぞ!」


「でも、あるでしょう?神父様にご挨拶したいの。」


「・・ちょっと待ってろ。」


ーーー


眠る赤子を抱いた神父様が現れた。


「あれ、じじいじゃない。」

つい心の声が出てしまった。


「失礼しました。」


「ははは、期待を裏切ってすみません。」


神父様はそう言うと、私を優しい目で見つめてくる。


「?・・あの、、、」


「・・・。」


「ローガン神父様?」


「・・・ジャスティン・・」


「え?・・今、な、んて・・」



「ジャスティン、やっと会えた・・」私を涙で潤んだ目で見つめてくる。


(まさか、、ジェイ?)

「ま、えの名は、何と、仰るの?」


ドクン、ドクンと心臓が早鐘を打った。



私は、神父様の口元をじっと見た。


「・・ジェイ、だよ。ジャスティン。」



「・・本当に?」と言いながらも、彼なのだと信じられた。



抱きつこうとして、彼の抱く赤子を見て冷静になった。


そこへ楓が現れ、赤子を受け取り、コテージにおりますと言って消えた。


「ジェイ、ジェイ・・・


私たちはお互いに抱き合い、泣いた。


私が見つけられないから、ジェイが見つけてくれた。


色々な感情が湧き上がって、涙が止まらない。

こんなに泣いたのは、前世も含め初めてだ。



ジェイが私を座らせ、彼も座った。


「ひどい顔だ、美少女なのにもったいない。」


「ふふ、ジェイだってせっかくのイケオジが、いいえ今も十分イケてるわ。」


と言ってまた抱きついた。

彼もギュッと抱き返してくれた。




「実は、ジャスティンが来ることはわかっていたんだ。」


「今世は予知能力があるの?」

「いや、ないよ。君が女性だったのには驚いたけれどね。」


「・・・あ、先に楓に会ったのね。」

「そうだよ。私が黙っててくれと頼んだんだ。」



「ジェイ、私は・・あなたが気づいてくれなければ、あなただと、わからなかった。

クロウに会えたとしても、私は彼がわからない・・。」


また、涙がじわっと出、とまらなくなってしまった。



「・・それを対価に差し出したのかい?」

「そう・・。眷属たちにも言ってなかったわ。」


「どうして、そこまで?転生の目的が、、本末転倒じゃないか・・。」


「私の望みを叶えるため。たとえ、二度と会えなくてもあなたたちが幸せだったらそれで、いいと。

でも、こうやって実際に会えたら、嬉しくてたまらない。

クロウにも会いたい。でも、きっと見つけられない。」


「大丈夫、大丈夫だよ、私が見つけるよ。3人でまた笑い合おう。」

「ジェイ・・。」




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