第二話 ゴブリンおいしい
「おはようございます!」
誰だこの人....あ。そうだ。俺は転生されたのだ。よくわからんけど。
「おはよう...ございます..ってなんでいるんですかクリスタさん!?」
一瞬朝チュンかと思ったが出会って2日目でそんなことする人じゃないだろう。
「よく眠れましたか?タクマさん?笑」
「ああ、お陰様で...」
部屋を出ると、たくさんの人が集まっていた。昨日より多い。
「タクマさん、昨日から何も食べてないですよね?よかったら何かご馳走しましょうか?私、料理は得意ですよ~!」
「そういえば何も食べてないや。ありがとうございます!」
「すこしまっててね~」
クリスタは奥の部屋へ消えていった。
すぐに料理を持ってきてくれたが、正直見るに堪えない色をしている。
「何です....これ」
流石に失礼だと思ったが、個人的に食べ物とは思えない。
「失礼ね。ゴブリンの大腸よ!」
「!?」
聞いたことない。ゴブリンを食うなんて。しかも大腸って。
確かに民族によって食文化に差異はあるだろうが、流石にこれは違う。
「いた..いただきます....。」
見た目だけじゃなかった。味も酷い...。多分これはクリスタさんが悪いわけではなく、食文化の違いがひど過ぎるだけだろう。だがどうしたものか....。マズイとは言えない。
「独特な味がしますね...笑 元の世界では食べたことないかな...」
そのあと吐いたのは秘密だ。
「ところで、昨日より人が多いみたいですけど何かあるんですか?」
「今日は謝肉祭なの!ゴブリンのね!」
なんだこの世界。ゴブリンは神か何かなのか。
あとゴブリン肉があるならまだそっちが良かった。
「年に一回、ゴブリンに祈りをささげるのよ。」
「この世界でゴブリンってどんな存在なんだ?」
「昔は信仰の対象だとか、神の使いだ、とか言われてたけど最近は
食用ね!」
もう何が何だか分からない。
「そろそろ謝肉祭の目玉イベント、パレードが始まるわよ!」
手を引かれて通りに出てみると、仮装なのか本物なのかわからないゴブリンが練り歩き、某ディ○ズニーランドのような大掛かりなセットも動いていた。
「へぇ~。しっかりとしたお祭りなんだな~」
それから一週間近くは特に何もなかった。このギルドでクリスタとベルク、それと大勢のギルド会員と共に製鉄などを学びながら過ごした。もしかしたら、元の世界なんかよりよっぽど楽しいかもしれない。
だが人生というのはそう簡単にはいかないようで。
「タクマ、話があるの。」
見たことのない真剣な顔でクリスタがそう告げた。
ここに後書きかけるんですね。「ゴブリン」なるものについてよく知らないので調べてみると、気持ち悪い画像が出てきたのでとりあえず食用にしてタクマ君に食べてもらいました。実際にアフリカではネズミを燻して大腸を食べる民族もいるので食文化とは多種多様なものですね。