恋愛アウトプット7 ”付き合って”という鎖
忍空のバサラにちょっと共感してしまって整理するために書いておきたいことがあるので書き留めておこうかと。
3000字以上あるので暇な人は読んでみてください
中学時代気になる先輩がいました。
先輩は帰宅部でよく家の前を通って学校に行っていて、途中にある友達と待ち合わせして通う人だったんですが、僕はどうもその先輩のことを好きになってしまったようでした。
中学時代の前半は部活動で朝練があって会う機会はそう多くなかったんですが、道で会うと笑顔で挨拶したり少し話したりするくらいの関係でした。
特に恋愛関係とか意識することもなく”仲のいい先輩”くらいにしか思ってなかったんですが
僕が中2、先輩が中3、先輩が中学卒業間近の時でした。
その頃になると僕は先輩との関係が無くなるのは”寂しいな”と思ってたんです。
相手もそう思っていてくれてたんだと思います。
家に呼んだら来てくれてその時に”付き合いたい”と僕から言ったんです。
その時の”付き合いたい”は先輩との関係を”終わりにしたくない”という気持ちでした。
毎日ではないけど家を出る時間が似たようなもので”おはよー”と挨拶を交わすくらいの関係。
ちょいちょい身の上話をしたり立ち話をしたりするくらいの関係。
そういったものが先輩が高校に行くことで崩れてしまうと思ったんです。
高校生になると朝通学する時間が1時間~30分くらい変わるのが普通のことで、小中と歩いて10分圏内に学校がある状況とはずいぶん変わりますが、そういった”変化”のある世界に行ってしまう先輩を”離したくない””行かないでほしい”と思ってしまった。
だから”付き合ってほしい”とお願いした。
デートらしいものをしたのはそのあとで近くのショッピングモールのゲームセンターに一緒に行って2人でプリクラを撮った。
今にして思えば子供の遊びだが先輩といる時間が楽しかった。
それ以降、連絡は取れなくなった。
先輩は携帯を持っていたが連絡しても出ないしどうしたんだろうと不安になった。
地元の他の先輩に聞いてもよくわからないとのこと。
それから数ヵ月経って他の先輩からどうやら先輩には彼氏ができたらしいことを知った。
僕は”辛かった”なんと表現したらいいか言葉に悩むけど住む世界が変わってしまった辛さ、”義務教育という逃れられない世界にいる自分”と”自由に選択した人生を歩んでいってしまう先輩”との対比を理解するのが”辛かった”。
そして沸いてきた”恨み”。
連絡を取ろうにも取れなく無視されてきた経験、僕の中3の時期は多感で恋も多かったからそういう気持ちは深く考えず執着もしなかった。
結局疑問は解決されず未解決の失恋として僕の恋愛遍歴に刻まれた。
その後は会うこともなくお互いに連絡を取り合うこともなく10年ほど過ぎた頃だった。
SNSでたまたま見つけ連絡をしたんだ。
そしたら返事が返ってきて”あぁ懐かしいな”っていう気持ちだった。
特に悔恨はないし”もう過去のことだ”そう思ってた。
そうしたら「久しぶりに会いたいな」というメッセージが送られてきてその時僕は東京にいたから「すぐには会えないけど地元に戻る時に連絡するよ」と伝えた。
先輩は高校の時に付き合い始めた人とまだ続いていて結婚するらしいと知っていた。
僕はそれはいいことだと思って祝福する気持ちだった。
その事を僕の仲のいい友人に言ったら「やるんでしょ?」と言われた。
僕は遺憾の意を示した。
いや僕と先輩はそんな関係じゃないんだ、会ってもそういう関係になることは望んでいないしそういう想像をされるのも不快だった。
僕のこの時の気持ちは”人とうまく付き合えない自分”と”結婚が決まって幸せな道を進む先輩”との対比だった。
僕はこの時、間違いなく僕と先輩を比べていた。
でも”羨ましい”とは思わなかった。
なぜなら”僕とは別の人間だから”。
”僕”じゃない人間が幸せであろうとなかろうとどっちでもいいのだ。
そりゃあ幸せならなお良いだろう。
けど不幸になっていても興味はなかった。
だから”やるんでしょ?”と友人に言われたときに友人に腹が立ったのだ。
僕の気持ちを理解していない。
僕は断じて誰彼構わず襲いかかる野獣なんかじゃないw
多分その友人の中には”元カノ”だから”やる”んじゃないか?という気持ちがあったのかもしれない。
でもそれにしたっておかしい。
元カノだったらやるのが普通なのだろうか?
そんなことはないただの性欲ならAVでも見て満たせる。
僕はまともに人と付き合ったことがないから理解できないのかもしれない。
”付き合う”とはどういうことなのか未だに理解していない。
あるロシア人のyoutuberによればロシアでは付き合ってくださいとは言わないのだそうだ。
日本では「好きです、付き合ってください」と言ってから付き合うのが普通だというがロシアではそういうことは言わない。
じゃあどうするのかと言えば普通にデートなり食事なりセックスするなりして一緒に過ごすのだそうだ。
お互い、或いは一方が気に入らなかったり相性が合わなかったらもう会わなくなる。
一緒に過ごす時間が楽しくてこの人とこの先も一緒に過ごしたいなと思ったらその時に私たちの関係はどうなのか相手に尋ねて相手も自分のことを好いているならば”私たちは付き合っている状態”であるとなり、そしたら二人ともこれから先も一緒にいたいと思うから”結婚しよう”となるのだそうだ。
僕はこのロシア式の考えに理解を示している。
僕自身が日本式の”付き合う”という概念にずっと悩まされてきた人間でもあるーー
そういうわけで地元に帰る機会があり先輩と連絡を取った。
先輩とは先輩の車でカラオケに行った。
多くを注文しすぎて全部食べきれなかった。
僕も緊張していて胃が小さくなっていたのかもしれない。
昼間だったし先輩が車だったから気を使って酒も飲めず緊張していたのだ。
久しぶりにあった先輩は当然大人になって綺麗になってたしいい年の取り方をしたんだろうなと思った。
正直顔をまっすぐに見れなかったかもしれない。
僕は照れ屋なのだ。
そうこうして時間を過ごし夕方になった。
車だったので先輩は僕を家の近くまで送ってくれた。
それで別れる間際に先輩が僕に謝った。
「許して」と言ったのだ。
一瞬何を言われたのか理解できなかった。
え?え?という感じだ。
でも僕は次の瞬間にはなぜか”怒鳴っていた”
「許せるわけないだろ!!」
僕もなぜ怒鳴ったのか理解できなかった。
でも許せはしなかった
あの行為を許してしまったら僕と同じような目に遭った人は全員傷ついたままだ。
だから許せなかった。
先輩は”ある日突然”連絡が取れなくなり、その後一切会うこともなくなり、”付き合う”という約束を残して”僕の世界から消えた”その間に他の男と付き合いはじめて今度結婚するーー
その事実は”今の僕の世界の僕”には関係がなかった。
だが先輩と会って一日を過ごした後の”過去の先輩の世界の僕”を許せなかった。
なぜ自分はもっと先輩に執着しなかったんだろう?
もっと必死になって連絡をとってきてほしかったのかもしれない
僕は先輩の思惑はわからない
謝って済むような問題じゃない。
謝って許したら今までのことは”これで良かった”ことになってしまうと思った。
”僕は今の僕の世界の僕”を失いたくなかったーー
これが僕の”凍らせた気持ち”
あの時のままでいたい
自然消滅して切れた縁
世の中には住み分けがある。
人とはーー
出会ってはいけない本音がある。
時間が経った今は冷静にその日のことを思い出せる。
僕が怒鳴ってしまったのは彼女への理解が足りなく間違っていたのだ。
今なら整理して落ち着いて言える
”そのことならとうの昔に赦している”
すなわち自然消滅して自分に引き付けるだけの魅力が無かったのだ。
もっといい男がいたのだろうと思って納得した。
そして忘れた。
関わらない方がよかった、そうそう付き合うなんて口にするもんじゃない。
人を離したくないなんて思うもんじゃない。
束縛するなんてことは望むものじゃない。
でもその経験があったから今僕は心から思える。
「結婚おめでとう」
そして今思う”あの時は怒鳴ってしまってごめんなさい幸せになってください”
今後一切関わりたくない君へ
歪みの根が深くて掘り起こしても僕一人では僕の気持ちしか解決できなかった
到底理解しあえる別れなんてものじゃないと思う
理解できてしまったらやり直せてしまうのだから
解決するには君の記憶を参照する協力が必要だが君はもう結婚しているのでこれ以上僕の悩みに付き合わせるわけにもいかない
僕にとってはバッドエンド、君にとってはハッピーエンドだ
もう巻き込まれるわけにはいかない