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第24話 いざ、街へ!

街編スタートです!


投稿遅くなりましたすいません。



「緊張するね……。」


「堂々としてれば大丈夫だよ。」


 旅人風の薄汚れたローブを纏ったヴァルと美希は今、王都ミレスタの西門に向かって歩いていた。


当初の計画では、東の森に沿った街道を歩き東門から王都ミレスタに入る予定だった。


しかしその道は、遠くから見ても分かる程に厳重な警備がされており、知らん顔して通れるような状況では無いように見えた。


そのため二人は少し遠回りをして、東の森とは王国を挟んで反対側の道を歩き王都に入る事にした。



 西の街道では、ぽつぽつと人の姿は見かけたもののそこまでの往来があるわけではなかった。


「ヴァル、もう一回ステータス確認しよ!」


「いや、もう軽く20回は確認したぞ?」


「おかしい所があったら街に入れないかもしれないから何回も確認するの!」


「完璧だって!そこら辺にいる普通の人間と変わらないよ。」


「人間、完璧は存在しないよ……。魔力量だけ飛び抜けてておかしいぞってなる小説読んだことあるし!」


「いや、俺ドラゴンだし。っていうか門の所で魔力量までは見せないぞ?」


「え、見せないの!?もっと早く言ってよ!……隠すのも一苦労だったんだからね!」


 美希とヴァルは王都に向けて出発する前に、ステータスや見た目を他の人が違和を感じないように細かく調整していた。


さらに、お爺ちゃん神様達からのアドバイスをしっかりと取り入れた美希は魔法でステータスを隠蔽しただけで無く、趣味で読んだ小説の知識をフル活用して街に入る準備を着々と進めたのである。



……そして、二人は西門前に着いた。


活発そうな男性が、先に並んでいた数人を爽やかな笑顔で迎えている。


「次の方〜!こんばんは!ようこそ王都ミレスタへ!身分を証明できるものはお持ちですか?」


「持っていないんですが……。」


「それでしたら、この板に手を翳して魔力を少し流して頂ければ大丈夫ですよ〜!性別と犯罪歴の有無を確認させていただきます!」


二人は白い板の上に手を翳し魔力を流した。

すると、板に青い文字が浮かび上がってきた。



「はい、ありがとうございます!身分証をお持ちでない方は大銅貨5枚を入る際に預けて、街を出る際にお返しさせて頂くという形になりますがよろしいでしょうか?」


「はい。えっと2人分だから……小銀貨1枚。はい、これで大丈夫ですかね?」


「大丈夫ですよ!ありがとうございます!この板が仮の身分証になりますので肌身離さずお持ち下さいね!改めてようこそ王都ミレスタへ!楽しんでいって下さいね〜!」


 二人は門番の男性から模様の彫られた木板を受け取って鞄に仕舞い、門をくぐり抜けた。



「うわぁ!すごい!!」

(THE・ファンタジーの世界だ!)


まるで海外のような情緒溢れる景色が広がる街に、美希のテンションはMAXだ。


 長い石畳の大通りには多種多様な種族が歩き、道の端には様々な屋台が建てられているからか辺り一帯に良い匂いが漂っている。



「ミキあんまりはしゃぐなよ〜?…ほら、フードをちゃんと被って。」


「ごめんごめん!でもこんなに凄いとは思ってなかったよ!来て良かった〜!」


 ヴァルはまるで保護者のように、屋台から漂う良い匂いにつられて歩いている美希のフードを深く被り直させた。


「ヴァル!あの肉の塊は何!あの青いジュースは何!食べよ!全部食べ尽くそう!」


「はいはい、今日泊まる宿を見つけてからにしような〜。………………………?」


「わかった!どこ泊まる?誰かに良さそうな宿聞いてこようか?……ヴァルどうしたの?」


「いや、なんでもない。……覗き見た時に気になった宿があるから案内するよ。」


「ん?そっか!じゃあ案内宜しく!出発〜!!」


(なんだったんだろ、今のヴァル。…まあいっか!)


 どこかを睨みつけるように見ていたヴァルを不思議に思いながらも、屋台の誘惑には勝てず歩き出した。



「すいませーん。二部屋空いてますか?」


「いらっしゃい!空いてるよ!2人で大銅貨4枚、朝食風呂付なら大銅貨6枚ね!何日泊まるんだい?」


 ヴァルに案内されてついた宿の受付には、恰幅の良い元気なおばちゃんが立っていた。


「朝食風呂付で10日間、お願いします。」


「はいよ!なら2人で小銀貨6枚!うん、丁度!そこの階段上がった1番奥の部屋とその手前の部屋を使ってくれ!これ鍵な!無くすんじゃないよ!」


「ありがとうございます!…行こうお兄ちゃん!」


「!…お、おう。」


「なに!あんたら兄妹だったんかい!2人で旅してるなんて仲良いんだねぇ!」


「はい!兄妹なんですよ〜!!」


「そうかいそうかい!分からないことがあったらいつでも聞きに来なよ!何でもいいからね!」



 気前のいい受付のおばちゃんから鍵を受け取り部屋を確認した後、2人は宿屋の前にいた。


「どの屋台から行く?……………ヴァル?」


「顔を見られないようにフードを出来るだけ深く被れ。……それと小さめの声で話すぞ。」



ヴァルは酷く警戒した雰囲気でそう告げる。



「(……なんかあったの?)」


「(先程から後を付けられてるようだ。)」


「(付けられてる!?……大丈夫なの?)」


「(大丈夫。ちゃんとフードを被って。それと名前で呼ばないように気をつけて欲しい。)」


「(了解。……もしかしてさっき様子がおかしかったのはそのせい?)」


「(そう。……まあとりあえず屋台に行っても付いてくるようだったらまた考える。)」


「(わかった。)」



 2人は宿屋の前でヒソヒソと小声で話しているが辺りの喧騒によってその声は掻き消されていて、尚且つフードを深く被っているため周りの人からは佇んでいる様にしか見えていない。



「じゃあ屋台に行こっか、()()()()()!」




二人の後をつけている人物とは一体......!?

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