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第17話 調査の成果

騎士団のお話が続きます。



【結界・建造物調査班】



 彼らは無事結界まで辿り着き、調査を始めていた。


結界の場所は最奥地の中で最も危険な場所にあった。

…またヴァル達の憩いの場である草原からは距離が離れており、美希の叫び声が届かなかった魔獣もいた。


そのため強い魔獣が度々現れはしたものの、第三騎士団の敵ではなかった。


なんたって王国最強の団長がいるからである。



 美希が張ってしまった結界は、彼らを弾くようにバチィッと音を立て侵入を阻んだ。


「いった………くない?!団長、これ音だけっすよ!すごい音するだけで全然痛くないっす!」


「…そのようだな。ここから先は侵入出来ないか。」


「無理そうっすね。触れば弾かれちゃいますよ。」


「なぜこんな場所に結界があるんだ……?」


「う〜ん?結界って守るためにあるんすよね?なら一体この結界は何を守ってるんすかね?」


「俺もニコラスも他の団員も弾かれるとなると……全く見当がつかないな。」


「そっすよね〜。魔獣除けの結界だったら俺らは入れるはずっすもんね。」


 "ニコラス"

 隠密部隊長でありながら、この中では最年少。

チャラさは騎士団随一であるが、仕事は真面目に取り組んでおり仲間内での評価は高い。

口癖は「〜っす!」である。



「入れないとなると、中にあるという建物は調べられそうも無いな。」


「確かに!…ってことは調査打ち切りっすか!?」


「そんな訳ないだろ。良い調査結果を持ち帰らないと()がうるさい。…何が何でも結果を持ち帰るぞ!隅の隅までくまなく調べろ!!!」


「「「はい!!!」」」


「え〜。早く帰って可愛い女の子達とデートしたかったのに!…酷いっすよ団長!」


「お前は………はぁ。いいから手と目を動かせ!口は極力動かすなよ?そしたら早く帰れるからな!」


「はーい!すぐに動かします!」



 実は(ほこら)から半径20mの範囲に渡って半球状の結界が森を覆っている。

…そのため調査は難しいと思われる。


建造物は、腰掛け程度の大きさしか無い石を祀った小さな(ほこら)のため、肉眼で見つけるのは厳しい。


それに、結界内もそれまでの森の景色と変わらず木や草などが鬱蒼と生い茂っているので、20mも離れた場所に立っている(ほこら)など、まず見つけることは出来ない。


また、上空から見ようにも半球状の結界と屋根の役割をしている木の葉の所為で何も確認することは出来ない。


地面を掘っても侵入することは不可能である。

見えている結界の範囲が半球なだけであり、実際は球状の結界であるため、地面を掘っても地中に埋まっている結界に阻まれてしまう。



「なんも見つかんないっすよ団長〜!」


「うーん……。取り敢えず昼休憩挟むか。」


「了解っす!おーいみんな!昼休憩っすよ!」



「「「っしゃあー!!」」」


 結界から離れた場所で昼休憩を取り始めた団員達が驚愕の事実を知るのはもう少し後である。


―――――――――――――――――――――


【女性捜索班】



 彼らは、早々に東の森最奥地に着いていた。

悲鳴が上がったと思われる場所は、最奥地の中では比較的浅い場所にあったため早く着くことが出来た。


……美希とヴァルがいた草原の近くである。


 叫び声の中心地付近であったため、もちろん強い魔獣が出てくることは一回もなく順調に女性の手掛かりを探していた。



「レイモンド副団長!ここに女性と思われる小さな足跡があります。確認をお願いします。」


「どこですか?………確かに小さな足跡ですね。」


「僕はこの靴の跡を追います。」


「1人で大丈夫ですか?いくら魔獣が出てこないとはいえ森は危険です。…団員を何名か連れて行ってくださいね。」


「ありがとうございます!行ってきます!女性を発見した際は使い魔を送りますね。」


 "レイモンド・オーウェン"

 王国第三騎士団・副団長であり、常に冷静で表情があまり変わらないため『氷の副団長』という二つ名を持つ男である。

無表情ながらも、気遣いに溢れているため団員達からの信頼が厚い。



「レイモンド副団長おおおおおお!」


「いきなり飛び込んでくるのは危険ですよ。それで?何故そんなに興奮しているんですか……?」


「すごく良い場所を発見いたしました!物凄く良い場所です!」


「良い場所?……一応聞きますがどんな所ですか。」


「ちらっと見えただけなんですけど、一面芝生が生えていたんですよ!城門前広場くらいの広さがあったんです!僕、お昼そこで食べたいです!」


言わずもがな美希達のいた草原のことである。


「……城門前広場?そんな広い場所が本当に東の森にあったのですか?最奥地ですよ?」


「副団長!なんで信じてくれないんですか!取り敢えずお昼はそこで食べましょう?ね?」


「あー。分かりましたから。それじゃあエドウィンはその場所の安全性を確認してきてください。」


「はい!任せといて下さい!じゃあ!」



"エドウィン"

 諜報部隊に所属している団員の1人。

情報を取り扱うのが上手く、非常に優秀である。

ポジティブで押しが強く非常に明るい性格で、騎士団内のムードメーカー的存在。



「開けた場所…。しかも草原など東の森には無かったはずですが……。」




次回、出会うかもしれません。多分。おそらく。

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