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第1話 変わってしまった日常

初執筆のため拙い文章です。

それでも良い方はよろしくお願いします!

 


―1D.Kの部屋に6時のアラームが鳴り響いた。


 4月中旬―暖かくなり始めた季節に朝の少しの肌寒さが心地良い。


二度寝への誘惑に打ち勝ち、重たい体を起こして仕事の支度を始める。


顔を洗って歯を磨いて服を着替えて。

朝ごはんを作る時間もないので昨日買っておいた惣菜パンを片手に化粧をして家を出る。


いつも通りの朝。


変わらない日常の......はずだった。








 私は黒澤 美希(くろさわ みき) 23歳!

社会人2年目で限りなくブラックに近いグレー企業のOLをしてるの!片田舎から上京してきて一人暮らし満喫中!…ちなみに彼氏はナシ。


……ふぅ。

なんで突然自己紹介するのかって?

そりゃあ、もちろん。アレだよ。


「目ェ開けたら知らない森ん中に居たからだよー!」



 理解の出来ないこの状況を理解するために周りを見渡す。

地平線まで続く木々と草花。

小鳥の鳴く声が響き渡り、近くには川があるのか水音が微かに聞こえた。


…電車に揺られて思わず居眠りした私がいけない?


いや、11連勤最終日で浮かれてたけどね。

サビ残当たり前で終電で帰宅が基本。

そのせいで睡眠時間も殆ど取れず、そのくせ早朝出勤強制させる会社のせいだよ!!多分。


少し目を瞑って、次に目を開けたら森。

あり得ない状況すぎてため息が漏れる。


「はぁ…。会社どうしよう。行かなくていいなら嬉しいけど。」


近場にあったちょうど良い高さの石にハンカチを敷いて座り、状況を整理し始める。




…なんであんまり慌てていないのか?


慌てるというよりも、これは放心に近い。

頭が理解するのを拒んでいる。


高校生の時、空前の山ガールブームが起こって友達に誘われるがまま大自然に触れていた。


出身も山に囲まれた片田舎だから子供の頃はよく山や川に遊びに行って自然と触れ合ってきた。


だからこそ、社会人になってからはずっと、大自然に触れたいと思っていたけれど………。




頭に、パッと1つの言葉が思い浮かんだ。


『異世界』



いや、まさか…でもこれは。


…よくある展開と捉えていいのだろうか?


異世界。

この場合転生ではなく転移になるだろう。

赤ちゃんじゃないし、死亡してないし。…多分。


でも神様(?)に会ってないし使命も受けていない。

ゲームで廃プレイヤーだった訳でもない。

乙女ゲームをやっていた訳でもない。

誰かの召喚に巻き込まれた訳でもない。


…次元の狭間に入っちゃった系か、コレ。



 私の趣味に本当に感謝。

漫画もラノベもネット小説も好き嫌いせずに色々なジャンルの作品を読んでよかった。


仕事が休みの時且つ外出の予定がない時は殆どパソコンの前に張り付いて、趣味の世界に入り浸ってた。


 だからもしここが異世界でも、これからどうすればいいのかとか、これから起こるかもしれない事に対して様々な選択肢や事項が思い浮かんでくる。





…いやでも。異世界じゃない可能性もある。


 異世界云々はあくまでも架空・想像の産物として割り切って読んでいたけれど、もしかしたら疲れすぎて勝手に体が大自然を求めて歩いてしまって脳が記憶を消した可能性も……多分ある。


さっきまで電車で通勤途中だったはず。

朝の早い時間帯だったけれど、満員ではないが結構な人数が一緒の車両に乗っていた。


…でも、こんな見渡す限り森しかない場所に来るならそれなりの距離を移動しないといけないはず。


…考えれば考えるだけ無駄か?


もう異世界と想定して動いた方が良い気もする。




「と、取り敢えず持ち物の確認しよう。」


少し大きめな愛用の鞄の中身を確認する。


 中には、社員証・会議用の書類・ボールペン・スマホ・財布・メイクポーチ・小物入れポーチ・水筒・昼用の惣菜パン・カーディガン。


…必要最低限しか入ってなかった。


そりゃそうだよね。

会社用の鞄だし。

会社に必要ないものは持って行かないよね。普通。


 この場合、手持ちの食料を考えたら街を探して動いた方がいいのかもしれない。


けれど、見渡す限り森だから街がどこにあるのかが分からない。

近くに道も無いからどっちに進むべきか見当もつかない。


頭上も、木の葉が屋根のようになっていてあまり空が見えない。



…なら、少し開けた場所を探すしかない。


 ここが異世界だとするならば多分この森は危険地帯だと思う。

暗いしジメジメしてるし。


冒険者がいると仮定しても、こんな鬱蒼とした森の中まで来るような好事家など少ないだろう。



…それにこの世界に魔獣がいるのかは分からないが、出会ったら即OUT。


普通の野生動物がいる可能性もあるけれど、危険なことには変わりない。



 木が生えていない開けた場所から山を確認できれば街の方向がわかるかもしれない。


……山と反対方向に行って街を探そう。


わざわざ山に街を作る必要もないだろうし、私だったら山から離れたところに街を作る。



ここが地球なら、人を探して道を聞こう。


………でももしここが異世界だとしたら。

地球に帰る方法を探して、地球に帰ろう。



 少し頭の中が整理できた。

気合いを入れて立ち上がり、敷いていたハンカチを鞄に入れなおす。




「…ちょっくら頑張ってみるか。」




山ガールが流行っていた事を覚えてる人はいるのでしょうか......。

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