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少尉ですが何か?改修  作者: 背徳の魔王
第四章
46/123

過去の出来事


━━8年前。




━━アレイ学園史上初めて……、


ミザイナ部隊が、学園ポイントを貯めて。世界中を旅する栄誉を受けた。ことは知られている。



ただ……その内容は、ある事件によってあまり口外されない。深い理由があった……、



━━当時。



━━ただ一船だけ、世界中の国々を回ることを許される中立国があった。


それが……移動国家ダナイ、巨大魔導船リバイアサンである。



一度の航海は一年がかりであるが。卒業生と在学生が含まれた場合に限り、乗船許可は3ヶ月の短い期間になるが……、


その年━━数年振りに世界会議が、リバイアサンで、行われる運びになっていた。


「あの当時は、前魔王……ヒザン・アオザが出席した年でしたか?、生憎私は行けませんでしたが……」


カレイラは当時の記録を思い出す。サミュ・リジル外務官とギル・エバーソン国王は、


「その当時、学生でしたな?」


ブラレールの疑問に微笑を返して、


「私とギルは、成績優秀でしたので、国王からリバイアサンに乗船するのを、特別に許可されたのです」


ドヴィア騎士参謀イブロ・レダン、ラトワニア神国、神官長補佐セシル、現ナターシャ王妃、


「イブロとオーラルがいなければ。私とギルは死んでたでしょうね」


西大陸最強の剣士。聖帝サウザンドロードが、魔王ヒザン・アオザを暗殺しようとしたことから、魔王が怒り狂い。聖帝に怪我を負わせた。聖帝の剣と呼ばれる。聖騎士ナタク・レブロ以下、聖騎士達が魔王の行動に憤り。一斉に蜂起。各国の要人を人質に取る。暴挙に出た。



━━知られれば大スキャンダルである。


中立国であった。リバイアサンの国王ネプチューンは、自国での暴挙に怒り。魔王ヒザンの力を借りて、聖帝サウザンドロードと対決した……、


「海が割れたと。レゾン陛下から聞いてますが……、確か…姫様が行方不明になられたと」


すっかり忘れていたが、秘密にされてる事が多すぎて、重鎮の一握りにだけ。ひっそりと伝えられた大事件だ……



━━その後……、



最強の剣士と、最強の魔法使いの戦いにより、移動国家ダナイの魔法船リバイアサンは、航行不能になったと聞く。

今リバイアサンは、機械と船造りで有名な島国にあると言う……が、国王ネプチューン以下。行方不明者は甚大であった……、


「こちらの記憶では、ミザイナ部隊が、姫様を助けたと聞き及んでおりますが?」


確か……報告書を書いたのは、リリア・カーベンと言う宮廷魔導師。エドナ筆頭のお気に入り……、


「まさかオーラルは?」


生徒を見るような眼差しで、サミュは懐かしそうに眼を細めた。



当時、退学となっていたオーラルを、エドナ筆頭とリリアがごまかして、リバイアサンに乗り込ませる事から、海洋ファンタジー真っ青な、冒険が始まった。


「イブロとミザイナ部隊の面々。そしてオーラル、私とギルは、力を合わせて、海に投げ出された彼女の救出を行いました。ただし……、魔王ヒザンの魔法、ネプチューン王の強力な水魔法により。私達は、海をさ迷う毎になりましたが……」


サミュ外交官の話に。当時を思い出したようだ、


「ああ~そうですの!、養成学校でオーラルを見た時。とても懐かしかったですの、助けられた時に、もう大丈夫ですの、と思いましたわ」


姫の興奮した様子に……、サミュの話が、嘘ではなく。信憑性が生まれた。



リバイアサンから投げ出された沢山の人々は、激しい戦いの余波で、巨大な津波に流されて、死の恐怖を感じた。まるで地獄絵図の中。オーラルは見える範囲の人々に、水中でも息が出来る。風の魔法を使う、


「勿論ギルの助けが必要でした。当時ギルだけが、その魔法が使えたので」


初めて使う魔法。多大な疲労に、オーラルは気絶する。

咄嗟に彼と少女を背負いながら、無人島まで泳いだのがイブロであった。


「無人島まで無事に着いた、私達100名は、途方に暮れました……」


無人島に漂着して5日。

奇妙な病に苦しむ人々が出始めた……。


「当時の私達は知りませんでしたが、鉄分欠乏症と言うそうです。ミレーヌもその病に掛かり。死の縁にありました。」


足りない食料……、飢えと喉の渇きは限界だった……、不安とストレスから罵り会う人々。いつ殺しいが合が起こるかの瀬戸際。レイナとピアンザが、大型の獲物を仕留めて戻り、


「オーラルとイブロの二人が、血を使った料理をして振る舞いどうにか、助かったのです」


皆で助け合い。船を造り、近くの国にたどり着いたのは、


遭難して24日後のこと━━。



馬車が、ゆっくり止まり。扉が開かれて、


「ようこそ我がギル・ジータに」


美しい男装の麗人。サミュ外務官は、何事もなく先に降りる。


長旅に、疲れた姫は先に部屋で、休まれている。品の良い調度品の並ぶラウンジで、ラフに衣服を着崩すブラレールと顔を合わせ。先程のサミュ外務官の話について話し合う、


「これは予想外であるなカレイラ……、我が国はギル・ジータ………それ処か。各国の要職にある彼等に。大恩があるとは……」


自慢の髭を扱きながら、苦悩するブラレール。彼は、人々の安全を守るフロスト騎士である。人道上はその通りだが……、



一方で━━。



「なぜ今。そのカードを切ったか……」


意図が見えない。謁見の場で、話せば、少なくとも、ギル・ジータ王国には、利益を得た可能性が高いのに……、外交とは過去とは関係がない。いかな事があったとして……、


「そう言うことか……、これは中々厄介ですね」


重たい吐息を吐いた。サミュ外交官━━いや、ギル・ジータ王国は……、


それ処か、いかな国とも同盟を組むつもりはない。それがギル・ジータ王国の相違……。難しい顔をするカレイラに対して、ブラレールは首を竦めていた。



数日後━━━。

ギル・ジータ王国は中立国となると宣言する。この先如何な事があろうと、世界中の国々に介入しないと、正式に発表した。




━━その頃。第一分隊の面々は、3つの村を周り、様々な経験を積んだカールとエルの二人は、少しずつ変わり始めていた。

今まで消極的だったエルは、積極的にみんなの手伝いを申し出るようになり、カールは補助魔法の勉強を暇があればしてる姿を見るようになった。


第一分隊の面々も。自分の役割をこなす位は、旅に慣れたようだ。


「次の村で、最後だね」


洗い物を終えたクエナとエルが、片付けを手伝う、


「えっ……あ、うん」


ミラの歯切れが悪い、幾分浮かない顔をしていたが、夕飯は綺麗に平らげたから、体調の問題では無いだろう、流石に一月近く、旅に出たので、疲れたのだろうか?、

明日の昼近く。最後の村に到着するはずである。



━━━西大陸。パレストア帝国=元魔導王国レバンナ、


ギラムから急を知らされたピアンザは、寺院に急ぐ。待合室に、憔悴しきったギラムが……、力なく座り込み。不安な眼差しで、時折。処置室を見ては唇を噛み締めていた。


「ギラム………、ラグの様子は……」


ハッと驚くギラムだが、小さく首を首肯していた。


「今のところ問題はない……」


ほっと吐息をついた、出てきた術者に話を聞いたが、


「多少傷は残りますが、大丈夫です」


ピアンザが静かに頭を下ると、慌てる術者に断りを入れて、処置室に入った。ベッドの上で、痛々しく全身包帯が巻かれる小柄な少女……、ピアンザは静かに苦悩する。此度のことは……、魔王と呼ばれながら、ピアンザの甘さが招いた事だ……、

オーラルは、それほど甘い相手ではない、侮っていたのは自分もだ……、


「僕に………殺せるのか?、あのオーラルを……」


キリキリ胸が締め付けられる。深い想いである。


「……殺す。あいつを殺す……」


うわ言のようにギラムが呟いていた。



━━━ギル・ジータ王国、王都。


尾行に気が付いてた二人とミレーヌを見失っていた銀髪の鋭い顔立ちのナタク・レブロは、王宮近くで、しばらく中を伺っていた。


「うむ……、一手交えるかいなか」


静かに腰の剣を抜いた。一瞬の銀光。


ガキ……刃が噛み合った。驚くナタクの前に、必殺の抜き打ちを受け止めたのが、細身の二本のナイフだと知り、驚き目を見張る。


「ほ~うこれは珍しい武器であるな」


感嘆の声を出していた。ナイフは古代の民の作った。特殊な力が秘められた物であるようだ。


「六将が1人、ナタク・レブロ殿とお見受ける……」


褐色の肌、精悍な顔立ち、品のある若者は、王族だけが身に付けることを許される。カーキ色のマントを羽織る。


「ギル・エバーソン国王か?、まさか国王自ら現れるとは……」


聖騎士ナタクは、ただ強き者と戦えることを望み。戦場を駆けた。言わば魔王ピアンザが、謀略の申し子なら、ナタクは剣の申し子。自身の一部である剣を。息をするのと同じくらい扱えた。そのナタクの一撃を、二本のナイフで止めて見せた。ただの飾りの国王ではなさそうである。


「狙いはカレイラ殿かな?、我が国でこれ以上の介入はお断りしたいですな……ナタク殿」


ギロリ殺気の隠る眼差しを、涼しい顔で受け流しながら、なおかつ笑みすら深め。


「移動国ダナイでの暗殺未遂は、聖帝の暴走ではなく、貴方の差し金と調べがついてます。いや……真の聖帝ナタク殿、大人しく投稿すれば、命までは奪いません」


ナタクの目がすっとすがめられる。

緊張を孕む。無言の会合……。



静寂━━……。



静かなる立ち回り。どれだけそうしていたか……、ほんの僅かな時間であるはず、だが……軽い高揚感と、倍以上の疲労を自覚する。フッとナタクは微笑して、剣を納めた。


「これ程か……、まさかカレイラ以上の好敵手に会えるとはな、良かろう……、我を真の聖帝と見破った三人目の男よ。貴様に免じ、今は退こう……」


すっと殺気が、嘘のように消えた。辺りから動物の鳴く声が、再び聞こえて来て……、安堵した瞬間。再びナタクを見たが……、いつの間にか、姿はなかった……、



じっとり汗の滲む手を拭いながら、大柄のナイフを仕舞い。ナタク・レブロのいた辺りを見つめて。腕をさする。その行為は粟立つ肌を温めるためのもの。


「オーラル……貴方が、望まぬ限り、僕は、罵りを受けよう……、中立を守ります」


苦難な道を選んだていた。だがこの道はいずれ、我が国を世界が必要とする。最初のステップ、そんな予感があった……。




━━なだらかな山道。木々は途切れることなく、どこまでも広がる広大な森を、轍に沿って、第一分隊は進み。間もなく、最後の村に到着する予定だ。


「暑いわね~」


クエナが馬上で、汗を拭う。

夏の真っ只中。今頃は、都の中央公園で、夏祭りが行われである。沢山の屋台が並んでるだろう。


なだらかな坂が終わり、森の一部を開拓した畑が、村の入り口まで続く。小麦の穂が、重く頭をたれ、山風に静かにゆれる。田舎の風景、


「ん…………?」


微かに、見られてる気配があった。オーラルに向けられた視線ではない……、

ミラ先輩?、青白く血の気を失って、唇をかみ、微かに震えていた……、



何処にでもある田舎の風景……。



そう…何もかもが、普通……普通の村だ、にこやかに出迎えてくれる村人達。ぼくとつとした印象は、第一分隊を歓待してくれていた。



代表して青年団を束ねてると言う、30代の男が、宿として離れを提供してくれる。パン屋まで。案内してくれた。

パン屋は森に近い離れにあって。馬小屋まであるとのこと、安堵のクエナと共に馬車から馬を外して、水を与え。寝藁を用意していると……、


「ようこそ皆様、この暑い中、お疲れ様でした……」


柔和な顔立ちのパン屋の主人は、美しい娘を連れていて、第一分隊の食事の世話を、手伝ってくれるという、


「レイカです。何でも言ってくださいね♪」


目元が……ミラ先輩に似ていた、一瞬だが、レイカが、ミラ先輩を見ると、驚きと、嬉しさが顔に浮かぶのを見逃さなかった。カールは鼻の下を伸ばして。今にも抱き着きそうな様子に、ムッとして、エルがわざと重たい本を、足に落として……、痛みに悶えた。


「あらあらクスクス、大丈夫ですか?」


カールが怨めしそうに。軽くエルを睨むが、レイカに心配され満更ではないようだ。

人の視線がカールに向いた一瞬で、パン屋の主人から、手紙を受け取っていた。


`今夜、任務´


やはりさっきの視線の主は、この男か……、

上手く誤魔化してるが、かなりの手練れだと、僅かな挙動で見抜いていた。



レイカが夕食作りに来てくれて、オーラルは、馬達の餌やりと、馬車の補強に必要な木材がないか、村長に聞いて来ると言葉を残し、夕食を早々済ませて。離れを出たのは、辺りが真っ暗になってからだ。



村長の家に向かう途中から、森に入り、奥まった先の小川で立ち止まった。


「この辺りでいいかな?、ミラ先輩のお父さん」


僅かな気配が動き、昼間は柔和だった。パン屋の主人が木陰から顔を出して、真逆な無表情に。あらゆる感情の起伏が消え失せ。オーラルを物を見るような鋭い眼差を向けていた。


「いつ気付きました?」


とって着けたような、にこやかに笑ってはいるが、凄まじい殺気を放っていた。


「確信は今。ミラ先輩を見た瞬間の貴方の娘のレイカて女性が、嬉しそうな目を見てね」


「あやつは……」


困ったように笑うパン屋の主に向けて。


「それに先輩の髪色は、どう見ても染めてるし、最近化粧で誤魔化していた。ミラ先輩の姉……らしき女性と会いました。それで漠然と予想してました」


「はぁ~なるほど……『オールラウンダー』には、いつも騙せないな……」


フッとパン屋の主人から、圧力が消えた。再び柔和な顔を作り。


「貴方の考えてる通りです。オーラル殿」


パン屋の主人=黒衣の村長ゲント・エンディ=オーマ、



━━オーマ一族と言うのが、黒衣の総称。オーラルが会った女性こそ。現場の長であり、ゲントの娘、ミラは、真ん中、レイカの姉であるようだ。


「わざわざこんな回りくどいことするんですかな?。恐らく魔王の手。六将がらみですよね?」


はいと頷き直ぐには任務を伝えず。何やら考えているようだ。


「ノルカから聞いておる。オーラル殿が幻影の魔女、緑眼の騎士の二人を手玉に取ったと……、それにミラを、黒衣の一族と知りながら、密かにあれを鍛えてるとな」


やれやれ……、黒衣の一族の情報収集力は凄まじいな、呆れながら、嘆息して。誤魔化しなく本音を口にしていた。


「本来の手は退けました。この地にいる。残党は何人ですか?、出来れば、第一分隊の手柄にしたいですからね」


今のオーラルの立場は、あくまでも新人の少尉に過ぎず。


第一分隊は所詮新しい分隊である。秘密理に六将を退けようと。表立った手柄なくば、オーラルの立場は変わらない。

今や友は自国を守り、国を奪う戦いをしている。


「……オーラル殿、敢えて聞く。そんなに急いて上に立ち。何をするつもりかな?」


眼光鋭く、一挙一動すら、見られてると感じた。恐らくはそれこそがケレル……、違うな、彼等黒衣の狙いか、



……少しだけ迷う、自分が口にしていいのかを……、しばしの迷い。でもあえてゆっくりと口内で、言葉に練り直し、黒衣の村の村長の眼差しを正面から受け止めていた。


「ピアンザと対人して、真意と真実を知ろうと思います」


一つ頷き先を促す。まずはそれを聞いてからでも、決断するのは遅くない。


「そもそもが全て違和感がありました。ピアンザは優しい人間です。わざわざ面倒な魔王になる理由が知りたい」


ほう……ゲントは、眼を好奇に細めた。


「貴殿に問う、それが、重大な物として、いかとする?」


またもや胸中を鋭く斬り込んで来た。その意図は解らないが、オーラルは素直に答える道を選ぶ。


「ピアンザが、どんな思いで、混乱を招いてるか解らないが、重大な理由があるならば……、俺で出来る範囲で、友を助けます。ただし……それが、無用と判断したら、友……魔王を殺します」


今までピアンザが行っていきた。卑劣な行いすら……、オーラルは必要と判断すれば赦すと言う。





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