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少尉ですが何か?改修  作者: 背徳の魔王
第二章
24/123

魔王の真実の姿を………、エピローグ



━━━5年前。西の大陸、魔導王国レバンナ、



魔王を倒す事を決めたビアンザは、緑の民のネットワークを使い、魔王の動向を探る事にした。



理由は近年。魔王の手によって、沢山の白の民が、ひっそり消された疑いがあるからだ。



魔王ヒザンは、闇の民の長であり、魔法王国レバンナこそ、古代の民が、住まうただ一つの国であったと言う……、



━━古代の民が、消え始めたのが、今から20年前からであった。



それまでは厳格ではあったが、優しい王であったという……、



━━何故。突然。心変わりしたのか、ラグ達にも分からないそうだ……、



━━丁度20年前……。



ピアンザは、レバンナの孤児院に捨てられていた。


「噂では、魔王の城の地下に、広大な地下迷宮がある。そう言われているわ」


もしや……他の古代の民は?、疑問はあるが、調べてみる価値はあった。他の古代の民が、生きている可能性はあった。

ラグ達は消えた多くの古代の民。それを救うべくレジスタンスを結成したと教えられた。ラグともう1人レジスタンスのリーダー格の青年。ロドラ・ギドリス、長身の剣士で、緑の民の若長でもあった。



4、5年前ほどからか、この村を根城に、隠れ住むことに━━。


数は少ないが、住民のおおくが緑の民あることをピアンザは知る。



━━そして……、ピアンザこそが……、

魔王の子であると……、告げられたのだ。


「あんたが魔王に棄てられたのは……」


ピアンザが生まれつき、魔力が低いことだったと知ることになった……、



古代の民とは、生まれつき人間よりも魔力が強く。魔力の容量も高いため。生まれ落ちたその瞬間から、魔法の使い手ばかりである。


だが…ピアンザは………、生まれつき魔力が低く、容量も浅い。魔王は嘆き。ピアンザを棄てたと言う……、



そうピアンザこそ。不遇の皇子だと教えられた。が、あまり気にはならなかった。



━━ピアンザにとって大切なのは、過去ではない今だと考えれたからだ。


やはり彼女を愛し始めていた。白の民である。少女シレーヌの存在と。友人達のお陰であろう……、


ラグ達緑の民の願いは、魔王の手から、消えた仲間を助けるため。魔王と戦うことである。ピアンザに迷いはあったが、いきなりいないと思っていた実の父は生きていて、悪いことしてるから。倒すのに手を貸せと言われても………。



直ぐに決意するには、色々と分からない事が、あまりに多すぎた━━、



━━突然………、変わった魔王………、



凶行に走り。ラグ達のように、隠れ住まなくてはならない民、恐怖と恐れ、様々な感情が渦巻く胸中だ……。迷っていたある日のことを思い出す。



ピアンザの噂を聞いた。闇の民の生き残りが現れた。その者の中に。魔王の凶行を恐れて、ピアンザを逃がしたと言う者がいたのだ……、

名をダレーク・アートと言い、ピアンザと年の変わらぬ青年であった。



━━後日。詳しい話を聞くことになった。


「お久しぶりです」


錆びのある。愁いを含む声音。


「あの日……、若様を逃がした罪で」


ダレークの家族は、逃げた彼以外、ダレークの幼い妹すら……、

魔王に、連れ去られたと言う……、


「まさか……、そこまでしたと言うのか?」


愕然としていた。自分の生い立ち。自分の知らない間にそのようなことになっていたとは……、


「わかったよ……、魔王ヒザンを倒そう!」


ピアンザの精悍な顔立ちに、静かな怒りが彩りを与えた。まずは魔王の動向を知らねばならない。


「まじ、魔王あり得ないわ」


ラグは、呆れたようにがなりたてる彼女はロドラ・ギドリスと2人で、行動することが多い。

ラグは幻影魔法を使い、城に侵入してきたが、忌々しそうに鼻を鳴らしていた。


「城内、魔法のトラップだらけで、参ったわよ~」


疲れの滲む顔、苦々しい表情が、苛立ちに歪む。


「だが分かったこともある。魔王ヒザンは、ここ数年。あまり表に姿を見せていないのだ」


どうやら城の地下迷宮にある。研究所から出ることは、稀であるらしい。



━━現在。国内外の政治は、魔法学院長ゼノン・ガレイに一任されているため、魔王がいなくても、国としての機能は滞りがない……、


「もし……。魔王が姿を表すとしたら、明後日に行われる。魔法学院の卒業式じゃないかな?」


ふっとピアンザは考えてしまう。友人のケイタ・イナバが、国外で学ぶ事がゆるされたのは……、かれが普通の人間だったからではないか?、


ダレークから詳しく当時の話を聞く限り。


古代の民には、ハーフと呼ばれる。人間と古代の民の間に生まれた者が、この国民には多く。将兵のほとんどが、血族と聞いたからだ。


ハーフは、国から出ることを、禁じられてると聞いて。魔王が研究所から出ない理由。古代の民が消えた理由もその辺りにあるかもしれない。



現在わかっているのは、ハーフの中には希に。魔力の強い子供が生まれるため国外に出せば、混乱を生むとの最もらしい理由からだった。



問題は……自分たちのせいで、隠れ住む民の存在が知られて、何かあった場合のこと。知られれば魔王に襲われかねない、村には、ロドラの年端もいかない弟や、幼い子供達を危険に晒す。だからではないが、危険を減らすため。ピアンザ達は秘密りに調べる必要があった。


「卒業式の日……、城に侵入出来るのか?」


魔王の居城は、堅牢とわかっただけである。なら魔王を直接見れば、何か手を思い付くかもしれない、現状を打開するためにも。どうにか古代の民が地下施設を調べれないか、


「ん~、入り込むだけならなんとかね~」




━━━翌日。ラグの手引きで、


ピアンザ、ロドラの3人は、魔法学院の卒業式に紛れ込んでいた。



緊張を孕む。魔法学院の学生達は、学院長の話も上の空で、息すらつめていた。期待に満ちた学生達の顔、それに答えるように、学院長は笑みを浮かべて、話を早々に切り上げた。




すると……。



ビリビリ…、

肌が、泡立つ、凄まじい魔力が、講堂内に、溢れ出した、息すらするのも忘れ、ピアンザは無言で、壇上に見入っていた。



現れたのは中肉中背の痩せた男。夜のとばりを身に纏い。あらゆる魔法を使いこなす者。西大陸の覇者、小国であるレバンナが、他国を制せている理由……、



━━━魔王ヒザン・アオザの前に屈服するしかなかった……。



ピアンザは理解した。魔王のあまりにも強大な魔力が、身体すら浮かせていたのだ……、ただ壇上を歩く。ただそれだけで……、膨大な魔力が溢れ放たれる。



齢300を越える。伝説の魔神が、降臨したのである。


「あれが………魔王ヒザン…」


ピアンザにとって敵であり、実の父である。面影はピアンザに、とても似ていた……。



ラグは息を飲み、ロドラは眼を細めた、


「諸君……、諸君等の卒業を祝福する。我が……魔王ヒザン・アオザの名に置いて願おう。研鑽を積み重ね。我が国の礎となるがよい」


大歓声が上がった。中には涙する者までいた、狂喜……魔王ヒザンの眼には、暗い狂喜が宿るように見えた。




ピアンザはあまりのことに滴る汗を拭い、秘かに恐怖していた。


たった今…、ピアンザは、オーラルの使う、因子を組み込む魔法を放ったのだが……、魔王ヒザンは、気付きもせず魔王の本質である。自身の魔力だけで、魔法が発動する前に。破壊されたのだ……、


『桁が、違いすぎた。』


だが……、わかった事もある。

ほんの小さな綻び、普通なら見落とす。僅かな綻び、ピアンザだからこそ、見抜けたことがあった。


「かりそめか……」


あの魔力は、魔王ヒザン自身の魔力ではな……、



ピアンザ自身。魔力が……、強くない。

普通の人間より恐らく弱く、また容量が少ないから……、ピアンザは、借りていたのだ……。友人達から、必要な魔力を…、本人に気付かれずに。その中でもオーラルは、本人も気付けてないほど、強大な魔力を秘めていた。


「オーラルは恐らく……」


優しすぎる友人は、ピアンザの事を知っても何も言わなかっただろう、今なら思う。気付いてた可能も高い。魔力を、借りていたことにだ、だから………、



ただ1人……、心から信頼出来た、友として、ピアンザの秘密を知る者として、魔王は、ピアンザと同じ方法で、魔力を借りている。



そう、確信した。



今宵にも忍び込む。決意をした。

途中まで、ラグの魔法で、侵入したが、この先、魔王の魔力に、反応する扉や、魔王に認められた者。例えば、魔法学院ゼノン・ガレイの持つ。銀の精緻な腕輪とか……、男の…中年の持つ物ではない。



ピアンザは、魔王の魔力の残しを集めると、オーラルから←チャージしていた魔力を、両手に集め収束機(カチューシャ)に、上書きした。 これでピアンザは、魔王に成り済ます事が出来た筈である。



視認すれば見破られる杜撰な代物だが、魔力を測るだけのシステムなら、誤魔化せる筈である。



ピアンザが、地下に降りる扉に触れると…。


魔力障壁が消え。静かに扉が開いた。



━━━━━。



静寂だけが包む。地下施設、ピアンザは息を詰めながら。見たことのない。金属を使った閉鎖空間。絶えず周囲に注意しながら、奥に急いだ。


「この施設はまるで、ギル・ジーダ王国で見た、海中都市のようだな……」


辺りは、不思議な光沢があって。仄かな魔力に満ちていた。多分光沢ある金属は、魔力を停滞させる力があるのか?、

もうひとつ気付いたのが、地下に降りてから。魔力が濃密であったこと。この場所ならばピアンザとて、強力な魔法が使える気がした。



素早く魔力を感知する。魔法を使うと……、魔王の魔力が、遥か地下から感じられた。ピアンザは不安に思ったが、どんどん降りてく……。途中居住区もあったのだが、無人であった。


『来てしまったのか……レオン』


唐突のこと、頭に響くような、思念が聞こえていた。まるで郷愁と切なさと、慈愛に満ちた、優しい思念に、ピアンザは違和感を感じていた。


『やはりさっき感じた魔力は、レオンだったか……』


諦め、疲れの滲む思念に、ピアンザは言い知れぬ、不安感に襲われていた。だが敢えて魔王の甘言と、心強く、歩みを進めた……、



明滅する。巨体なクリスタル、予感はあった……、部屋中一面に、棺桶のように………、



部屋一面に、眠るように……、



古代の民(エルフ)たちの姿、何百、嫌……、何千人もの古代の民が、クリスタルに入っていた。


「よく来たな……、愚息レオンよ」


目鼻立ちが、ピアンザにとても似ていた、ただひとつ哀しげな眼差しに、胸騒ぎが止まらない。


「大方、緑の民の村で聞いたのだろう…」


今度こそ、ピアンザの顔色が変わる。そんなピアンザに苦笑を漏らしながら、コミカルに肩をすくめていた。


「お前は、世界の深淵を聞く勇気はあるのか?、無いなら、帰るが良い。そして……、アレイク王国で、幸せに生きるがいい。愚息よ……」


「何を言ってる?魔王ヒザン…、まるでお前は……」


何かを守るために。非道をしてるようではいかといい募ろうとして、まさかと口をつぐむ。


「貴方の考えてる通りです。レオン皇子」


いつの間にか、ピアンザの背後に。魔法学院長ゼノン・ガレイと。


「ごめんなさい……」


ラグ、ロドラの2人が、魔法生物に拘束され、捕まっていた。



普段があれだけ自信満々のラグだが、自分たちのせいで窮地にあるピアンザの身を案じ、今にも泣きそうである。


「魔王様、最早皇子を……、安全な、アレイク王国に帰すのは、不可能でございます」


苦悩に満ちる。ゼノン学院長の無念そうな苦悩の顔、魔王ヒザンは、静かに、我が子、ピアンザを見詰め。


「済まぬリエ……。我が子の幸せを願った。そなたの……願いすら。叶えてやれぬ……」


澄みきった湖畔のような、眼差しをピアンザに向けて…、


「この世界に侵略する。冥界の扉……、我の身で、今一度封印する!。よって、レオン……嫌。今は、ピアンザか、そなたに王位を与えようぞ、この世界を守れ!。この扉を守るのだ!」


魔王は、玉座の背後にある。禍々しい扉を、睨み付け、決意の眼差しを扉に向けていた。


「ゼノンよ……そなたに、我が子ピアンザの補佐を命じる」


「魔王様!」


蒼白なゼノンは、唇を噛みしめ、ついに1つ頷いていた。魔王は最後に、我が子ピアンザを見て、笑った、




そして……。



魔王ヒザンは、禍々しい扉を開け放ち、その中に入った刹那、魔力の光が、扉の奥から爆発的に広がり、



……光が消える。と、



禍々しい扉は、力を失い、静かに閉じていた。


「なっ、何今の…」


蒼白で、血の気を失ってるラグは、確かに見た。闇色の光の中。無数の異形が魔王に集る姿を。




その日……ピアンザは知った。




世界は……、



魔王ヒザンと彼に賛同した。光と闇の民が、生命を捨て。世界を守るため……、



犠牲になってる事実を……、


「そんな……」


ラグは、ロドラは、愕然と立ち竦む。



此処に眠る古代の民の決意と、



━━父たる魔王の優しさを……、



ただピアンザは唇を破り、流れる血が、気にならないほど立ち尽くしていた。




やがて……、



ピアンザは、父の跡を継いで魔王になることを決意する。優し過ぎる父の愛を感じ……、ピアンザはうち震えていた。




そして……、


世界を統一して、冥界からの侵略に備えると。



全ては……みんなの為に…、優しい魔王ピアンザは、覇道を歩み始めたのだ。



━━━現在。


ラグ=幻影の魔女ラグラド・エルバの報告に眼を通しながら、思わず微笑していた。

「あら珍しいこと、うれしそうねピア♪」

妻シレーヌが、お茶の準備しながら、愛しげに腹部に手をやる。だいぶ目立ってきていた、

「シレーヌ……、オーラルが『オールラウンダー』の称号を得たよ」

「まあ……あのオーラル様が……」

懐かしげに、そして寂しそうに、微笑する妻を、優しく抱き寄せる。



結果的に、ピアンザの魔手から、王族を守ってと、皮肉な話だが……、


今もオーラルは、唯一心赦せる友であると、ピアンザは思っていた。

例え、いつか闘うことになるかもしれない…、

そう思うだけで、チクリ、胸に、痛みが走る。



もしも赦される時があるならば、ピアンザは願う。恨まれ謗られようと。どのような形でもいい。傍らに……、仲間達……、ミザイナ部隊で集まる事が出来るならば、今がどんなに辛くとも。覇道を歩むことが出来る。



そして……、心から。

『おめでとう……』

そっと呟いていた。

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