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少尉ですが何か?改修  作者: 背徳の魔王
第一章
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魔法討論会・本選



━━翌日の昼。宿舎に戻ると、ケイタが不機嫌に出迎えた。二人が戻らないから。拗ねていたようだ。これから実技試験だから、不安もあるのだろう、



━━アレイク王国。宮廷魔導師筆頭エドナの執務室。



その日の夜━━。

リリアより、報告を受けたエドナは、エドワード家を誰にも語らず訪問していた。


「これはこれはエドナ筆頭、お珍しい……」


たるんだ頬を揺らし、嫌らしい眼差しで、エドナの豊かな肢体をなめ回すように見て、弛緩させる。


「ブリュクヒル様。ご無沙汰しております。忙しい中。このように会談を設けて頂き、感謝いたします」


気持ち悪さに、吐き気に見舞われたが、表にはおくびにも出さない。


「わざわざエドナ筆頭が、来られるとは、何事ですかな?」


素知らぬ顔のブリュクヒル公爵の態度に。密かに眉を潜める。


「昨日のことなのですが……」


言い置いて。笑みを深め。獰猛な牙を剥き出しにした。


「我が、学園内に起きました事ですが、黒衣の者と思われる。刺客が、学生を襲いました……」


スッと表情が消えるブリュクヒル公、


「それは……大変なことだな…、して学生はどうなったのだ?」


期待に満ちた光を。脂肪で細くなっている目に宿していた。やはりこの男か……、怒鳴り散らしたい衝動を抑え。


「大事に至らず。優秀な生徒自身の手で、捕縛されました。先ほどケレル殿下の命により。ただいま調査されておりますので……。間もなく首謀者は発見され。きっと厳重に処罰されるでしょう」


にこやかにしばし会談していたが、微笑むエドナとは対象的に。血の気を失った。ブリュクヒル公は上の空であった。おいとまを告げ。エドナが屋敷を後にしたと聞いた瞬間。


「………のれ…、おのれ、おのれ、おのれ!、たかが学生ごときに我が……、許さぬ。許さぬぞオーラル!」


盛大に高価なグラスを壁に叩きつけ。ワインが滴り落ち。高価な絨毯を汚した。



━━ギル・ジータ王国。



離宮にある。兵の訓練所にて。魔法討論会・本選に参加してる。学生達が集められていた。



実技試験は、広い場所が、必要になるためで。数日前から準備させられた。魔方陣の中で行われる。



魔方陣の周囲には、更に強力な結界が張り巡らされており。多少の失敗は、全てカバー出来る準備がされたのだ。ギル・ジータの宮廷魔導師が、数人。魔方陣の側に控え。万が一の不測の事態に備えている。


「では、始めてもらおう」


各国が誇る。宮廷魔導師達が、審査をするため、右側にたつと、1人ずつ魔方陣の中に呼ばれた。



開催国のギル・ジータ学園からの順番で。


エバーソンが最初に披露するようだ。

ギル・ジータ王国の魔法は、ファレイナ公国と同じく。風の魔法を得意としている。がファレイナ公国が肉体強化の補助魔法に特化してるのに。似て否なるのが、防御魔法と制御の難しい、解呪系を得意としていた点である。エバーソンも制御の難しい。解呪の術式を組み込んだ、小さな限定空間。結界を造り出した。しかも魔力は、世界に漂う。精製されてないマナを用いた。エコ魔法をだ。



魔導師にとって。魔法を封じられた時……、魔力を何らかの理由で、失った状態からでも使える魔法と言う。逆の発想である。



続いて、リジルは、付属魔法を得意としてるようで、自作のマジックアイテムを自身で使って見せた、他の2人も研鑽の見受けられた見事な魔法ばかりで、オーラルは息を詰め。好奇心一杯に見ていた。



アレイ学園の番は、最後となっていた。


シルビアが最初で。召喚魔方陣を使う魔法をやるようだ。アレイク王国には聖獣とされる生き物がいる。土竜である。初めて見る生徒が多い中。光を嫌う土竜の為。結界内に。光を遮断する魔法を使い。薄暗い空間を作っていた。まだ子供の土竜を見た瞬間。オーラルは懐かしい気持ちになってた……、



続いて。ピアンザは見た目とのギャプで、動物操作と言う、物珍しい魔法とコミカルな演目に、会場を沸かせていた。



ピアンザの優しい眼差しに頷き、


三番手にオーラルが、訓練場中央に立った、シルビアの側にはまだ送還されていない土竜を見て、首に掛けた、笛を吹くと、

「ピーュー、ピーュー」

土竜が答え。オーラルの元に飛んで来た。周りの人が青ざめる。審判の魔導師が魔法を唱えるのを制止して、オーラルは笛の音で、土竜の制御をして見せ、あのシルビアさえも驚かせた。

オーラルは左手で、複雑な魔方陣を描き、同時に笛を操りながら、魔法を唱え。上空に放つ、爆炎の魔法よりも、音に驚く土竜に向け、因子を変えた。 眠りの魔法で……、うとうと眠った土竜に。



ザワリ……、


驚き、ざわめいた。


宮廷魔導師達は、今目にした出来事に、騒然となっていた。あの生徒は確かに爆炎の魔法を使ったはずである。それが一瞬で効果が消え失せ。その魔法を眠りの魔法に切り替えた……。その事実に驚愕していた。パチリ指を鳴らすと。眠りの魔法を解いていた。



土竜は、直ぐに目覚め。きょとんとクリクリした黒目をぱちくり。首を傾げていた。

非常に頭がよい土竜は、不思議そうな目でオーラル見ていた。だから笛で合図をして、土竜を操りながら、シルビアの側に連れて戻ると、不機嫌そうに睨まれた、やり過ぎたかな?、冷や汗流しながら謝る。



興奮冷めやらぬ。各国の魔法関係者を他所に。訓練場の中央に、いつの間にかケイタがいて、

一瞬で、複雑な魔方陣を足元に作り出していた。各国の宮廷魔導師達を驚かせ度肝を抜いた。



ケイタの身体から、白霊=アストラル体 がモヤモヤと現れた。ケイタの目前で魔方陣が、時間差で動き出すや。自動召喚が始まる。現れたのは、アビシスと呼ばれる。中型の肉食猫である。戸惑いが隠せぬアビシスに、ケイタ=アストラルが触れた、ほんの一部。アビシスに入り込むのが見える。警戒していたアビシスの眼差しが、理知的な光を宿し。やがて喉を鳴らしながら、ケイタに撫でられ嬉しそうに、頭を擦り付けてきた、しばらくアビシスをかまいながら、落ち着いたところで、自分の傍らに来るよう命じれば、大人しく従い。隣に控えた。

「おおおー」

感嘆の声が漏れ。ケイタは女の子のように。照れた赤い顔をして、歓声に応える。



ケイタの勇姿をじっとりと見ていたシルビアは、頬を赤くし身をくねらせ、そっとため息などついて、艶然と微笑などしていた。目に妖しげな光が見えたが……、視線に気付いたシルビアと眼を合わせぬよう避けていた。なんとなくヤバい予感がしたのだ。総合1位は、誰の文句なく。ケイタに決まった。


「オーラル君!。少し良いかな?」


サムエを着た、ギル・ジータの宮廷魔導師の審査官から。声を掛けられた。


「まて!、此方が先だオーラル君」


確か、ドヴィア国の宮廷魔導師だったか、


「いや、我がラトワニア神国が先だ」


「リドラニア公国こそ先だ!」


すっか囲まれ。戸惑いが隠せぬオーラルを。


「先輩!凄い。さっきのあれどうやったんですか」


ケイタが絡み付いて来たので、仕方なく簡単に仕組みを説明すると、眼を輝かせる。


「先輩、」


ケイタが絡み付いて来たので、仕方なく簡単に魔法の仕組みを説明すると、眼を輝かせる。


「先輩、あの土竜はどうやって操ってたんですか!」


鼻息荒く、女の子にしか見えない風貌のケイタに迫られ、苦笑しながら、


「父が、土竜騎士でね」


オーラルの家の事情を思い出すと。ケイタは、口を閉ざした。オーラルは何でもないと肩をすくめていた。



混乱が生じそうな、空気にバレンタイン教頭が手を叩いて注目を集めていた、


「さて皆さん、オーラルの新たな系統は、レポートに纏め配布すると決まってます。価格の相談は此方で……」


「おお!誠に」


すっかり作り手のオーラルを他所に、交渉が始まっていた。



「リリア先生と、バレンタイン教頭に言われた通りだったな……」


半分呆れながら、各国の宮廷魔導師達が、白熱してるのを横目に。


「夏休みのバイト代以上になってほしいな~」


切に願うばかりだ。











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