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トラブルはごめんだぜ!

 目的地に着いた頃には、エレーナの気分も盛り上がってたぜ。夜景の見えるこの高台には、すでに常連達の車が止まっている。あの黄色いカマロに乗ってる男は、今日も違う女を連れてきてるようだ。確か、あいつは隣町のやつだよな。俺も人のことは言えねぇが、あんな目立つ車で毎回違う女とは、あいつもやるじゃないかと心でエールを送ってやったのさ。


 俺も今夜は決めてやるぜ! とひとけの少ない場所に車を止めた。


 エレーナは、少し震えていた。怯えたような潤んだ目で俺を見ている。こんな純情な女を抱くのは久しぶりだから、時間をかけてじっくり落とすしかないと即座に今夜の調理方法を決めたのさ。


 握っていた手をわざと冷たく離して、何も期待していないかのようにおしゃべりに集中するんだ。


 ここに来るまでエレーナには、俺のキスだけで興奮を味わわせておいた。女は期待してるだろう。焦じらせてやるんだ。少し冷たい態度をとると女は焦あせるんだ。ほら見てみろよ。エレーナから俺にすり寄ってきたぜ。攻撃は、いまだ。俺は激しい欲情でエレーナにくちづける。唇をこじ開け舌を絡めて呼吸すら出来ないくらい攻めるのさ。唇を攻めた後は、耳元で情熱を伝えるんだ。


「お前、最高の女だな」


 大抵の女は、これで落ちる!


 それから俺は、耳元で呟いたあと、耳たぶを舐めるようなキスでいたぶるんだ。耳を攻めると大抵の女は喘ぎ始める。それが合図だ。そのまま首元まで唇を落としていく。ここで焦って事を急いで失敗したこともあったから、ここは時間をかけて攻めるんだ。俺の唇は、舐めながら首筋から胸へと移り、さらに下へとしゃぶるように愛撫するのさ。そこまで上手く行ったら、今夜の獲物は頂きだ。あとは、喘ぐ女のパンティを脱がせ、感度を確かめ頂きだ。今夜の女狩かりも大成功で俺は絶好調だ。



 まずい。真っ赤な血がシートについている。エレーナは初めてだったんだ。女に恥ずかしい思いをさせることなどできない。俺は着ていたTシャツを脱いでそっとシートを拭いたんだ。エレーナは、恥ずかしそうにパンティを履いて身支度を整えていた。


「ロバート。愛してるわ」


 エレーナの口から告げられた言葉。


 俺はこの言葉で、もうこの女に未練などないと悟ったんだ。

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