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親父とは違う!

 バチュラーパーティも無事終了し、自宅に戻った俺はすぐに子猫のソフィアを呼んだ。何も知らないソフィアは急いでやって来た。俺はソフィアを抱きしめ、すぐにベッドへと押し倒す。


 ソフィアは、可愛い笑顔で何もかも許してくれる。


「お前は、いい子だ」


 そうさ、ソフィアは何も聞かない。俺の切ない気持ちを優しく癒してくれるのはソフィアしかいない。



「ロバート、今日は元気ないね。ねっ、元気出して」


 つぶらな瞳で俺の胸に抱きついくる。そうさ、こんな時はソフィアを抱いて気分を盛り上げるのさ。


 ソフィアの首と耳を吸うように激しく口づける。ソフィアの可愛い顔と体が潤しいほどに震えだす。つきあいはじめてからさらに膨らんだ胸元にしゃぶりつくと、たまらなくなったのか俺の背中に爪を立て、切なそうに声を上げる。ソフィアは、可憐な少女から大人になっていた。それは俺だけが知っている。


 ソフィアを抱くと心がほっと落ち着く。


「俺だけのソフィア、お前はいい子だ」



 ソフィアを一晩中抱きしめて朝が来るのを待った。




◇ ◆ ◇



 俺は急いで車を走らせていた。今日は、大学の課題レポートを康代に手伝ってもらうことになっている。



「ソフィア、悪いな。今日は親父と会う約束してるんだ」


 朝が来て、ソフィアを帰した。



 まずは、シャワーを浴びる。康代に会うのに、他の女の余韻を感じ取られたくない。 一晩中ソフィアを抱いた今日の俺は康代に対して、少しは自制が効くはずだ。康代の匂い、チェリーブロッサムを嗅ぐと、俺の理性が崩れて行きそうになるからな。



 

 久しぶりの実家だった。長年自分が住んでいた家なのに親父と康代の愛の巣だと思うと腹立たしさで、足が遠のいていた。だが、親父の秘密を知った今は違う。



「さっ、勉強よ」


「おい、わかってるって。そう急かすなよ」


 

 テーブルに並んで座る。


「親父は、いないのか」


「リチャードなら仕事よ。でも、もうすぐ帰って来るはずだわ」



 親父、今日もあの秘書と仕事かよ。帰って来んなよ。鬱陶うっとおしいぜ!



 隣に座る康代の胸元をチラッと覗き込むと俺がプレゼントしたネックレスがキラキラと光っている。肌身離さずつけてくれてるんだな。



「これは、こう書いていくのよ」


「そうか、こう書くのか」


 ほのかに香るチェリーブラッサムの香りに酔いながら俺は机に向かっていた。



 真剣に勉強している最中だった。




 トゥルル〜。トゥルル〜。




「あら、電話だわ。誰かしら。ちょっと待っててね」


 康代が席を離れた。




「もしもし、はい。リチャードは私の婚約者です」


「……えっ、今なんて……すぐそちらに向かいます」




 康代の瞳から大粒の涙が溢れていた。


「リチャードが事故に遭って病院に運ばれたらしいの。今すぐ行かなくちゃ」


「なんだって。親父が事故にあったのか。康代、俺も一緒に行くから落ち着け」



 康代を乗せ、親父が運ばれた病院へと車を走らせる。


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