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萌えるプロムダンス

 プロム当日、俺は親父が用意したリムジンに乗り込んでローラを迎えに行った。ローラの家には、ジョーニーやチェルシーなど俺の仲間たちが集まり、ワイワイと写真撮影をしていた。


 ローラは、胸元の開いたブルーのマーメイドスタイルのドレスを着ていて、まるで人魚姫のようだ。ローラのスタイルの良さがバッチリわかる、品のあるデザインがとても綺麗だった。俺は、用意してきた真っ赤なバラのコサージュをローラの手首につけた。ローラも俺のタキシードの胸元へ花をつけ軽くキスをしてきた。


「ローラ、綺麗だぜ」


 そこへ、雑誌記者がやってきたんだ。

「ローラさん、写真を撮りますので、ポーズお願いします」


 ローラは腕を俺に巻きつけ微笑んでた。俺もカメラに向かって口角を上げバッチリとポーズを決めたぜ。


「ありがとうございました。ローラさんと一緒にいるのは……?」


「俺は、ロバート・スペードだ! 」


「もしかして……スペード家の方ですか? 」


 親父のことを知ってるのか、驚いたように記者はメモを取ってたぜ。


 この一枚の写真が俺の人生を変えることになるとは、その時はまだ知るすべもなかった。




「さぁ、そろそろ時間ですので……みなさんリムジンに乗ってください」


 リムジンの運転手が俺たちを会場まで運ぶために声をかけた。俺たちはリムジンに乗り込み出発し、予約していたレストランへと向かった。レストランは、ちょっと気取ったフレンチレストランで親父に予約を頼んでおいたんだ。もちろん、会計は親父だ。


 俺たちは満腹になって、会場へと向かった。会場に入るとカメラを持った同級生の奴らが俺たちの写真を撮りにきた。ローラはすでに有名人だったし、俺は学校一のモテ男だから、そんな俺たちを記念に写したかったんだろう。


「ローラ、踊ろうぜ」


 俺はローラの手をとり、フロアへと連れ出した。そして、小さな声で呟いたんだ。


「今日のお前は最高だ。今夜はオールナイトだな。ホテルを予約してるんだ。俺たちはもう大人だからな」


「いいわよ、ロバート。私、あなたが一番好きよ」


 パーティでは、ダンスをして夜中まで騒いだ。もちろん、プロムクイーンとキングは俺とローラだった。


 

 高校生活最後のプロムパーティは、俺たちにとって大人への入り口なんだ。そうさ、アメリカの高校生にとって、成人式みたいなもんよ。みんな期待でウキウキしてた。



 俺たちは、玉手箱を開ける直前の緊張と興奮を味わってた。


 大人になることにドキドキしてたんだ!


 これから始まる人生の荒波を……誰一人、まだ知らずに!

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