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約束のデート

 俺のSAT (大学進学適性試験)スコアは上がった。親父も喜んでたぜ。俺だってやればできるんだ。康代とのデートが楽しみだ。俺に落とせない女なんていないからな。


 康代は、俺のスコアをみて頷うなずいてたぜ。

「ロバートの成績が上がってよかったわ。これで私の役目も終わりね」


 おいおい……俺はお前とデートできると思ったから頑張ったんだぜ。

「康代……約束通り、今週末に俺とデートしようぜ」


「そうね。約束だから仕方ないわね。朝11時に迎えにくるわ」


 俺は康代が住んでいるアパートが見たかった。

「俺が迎えに行くぜ」


「私、週末の朝は図書館で勉強するのが習慣だから、勉強が終わってからここまで車でくるわ。ロバートが運転したいなら、ここからあなたの車で移動しましょう」


 俺は、子供のようにウキウキしたぜ。当日、俺は朝早くに目が覚めた。いつものようにシャワーを浴び、髪型もバッチリ決めた。子供っぽく見られないように、ヒゲは剃らないでおこう。どうだ、鏡に映る俺の顔は、最高にイケてるぜ!




◇ ◆ ◇


 10時50分に康代がやって来た。


 今日に限って親父もお袋もいるが、二人は朝から大喧嘩だ。俺はあの整形・贅沢ババァが大嫌いだったから、さっさと別れろと心の中で叫んでたぜ。


 二人が修羅場の喧嘩をしている最中に康代が家に入って来た。


 あのババア、「慰謝料、高いわよ! 今後は、私の弁護士を通して」と泣き叫びながら家を出ていった。突然のことで康代は目を白黒させてた。


 まっ、俺はスカッとした気分だったが、離婚するとはさすがに驚いたぜ。何も知らない康代がびっくりするのも仕方ないよな。


 俺は、びっくりしている康代にやさしい言葉を掛けようと思い、走り寄ったんだ。「心配するな、俺は両親の離婚なんてなんとも思ってない」ってな。


 そんな時だったぜ……



「康代、お前と一緒になりたいんだ。俺は真剣なんだ! 」


 横から大声で親父が叫んだんだ。


 俺は耳を疑った。親父のピンクの花柄ネクタイは康代のためだったのか? 康代が俺の新しいお袋になるというのか ?

 

 嘘だろう! 俺のデートはどうなるんだよ。親父、自分の年齢としを考えろ!! 俺は、康代とデートするために勉強、頑張ったんだぞ!


 頼むから、嘘だと言ってくれ!!


  俺たち親子は、康代の顔をじっと見ながら、返事を待ったんだ。


「リチャード、結婚は私が大学を卒業するまで、できないわ。でも、一緒に住んでもいいわよ」


 俺は、脳天をかち割られた。



 康代は親父の恋人だったんだ。親父は、ニコニコ顔で康代を抱きしめた。


 俺は……顔面蒼白で、その場に立ち尽くしたぜ。

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