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花に咲く星々。  作者: すもちー
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伊吹夏無


放課後、学園の何処に何があるか把握しきれてないので散策している。

中心から6つ飛び出た形をしているこの学園は一つ一つの棟に名前があり。奇数組に当たる棟に夏の大三角形の「デネブ」、「アルタイル」、「ベガ」とついている。

偶数組には冬の大三角形の「シリウス」、「プロキオン」、「ベテルギウス」となっている。

六花学園と言う名前なのに棟の名前は星の名前と言う疑問があるが、クラスの誰に聞いても由縁は知らないようだ。

学園に咲いている花ならと思って聞いてみてもわからないと言う答えばかりで収穫はなかった。


「んーある程度は場所もわかったし帰ろう。」


ポツリと独り言をこぼした。その瞬間にすごい騒ぎの声が聞こえてきた。

今日も彼女がいるのだろう。

昨日の件、謝りたいし少しだけ見に行こうかな。





「2日続けてだけど皆元気かなー?」


「「「おぉぉぉぉお!」」」


「うん!それじゃあ今日は新曲歌っちゃうよー!」


「「「うぉぉぉおお!!」」」


「聞いてください、私と君と。」


------------------------------------------


夏無は凄い。たった一人で多くの人を魅了している。人を惹き付ける力があるんだ。歌に踊りに一挙一動に、ここに集まっている人は虜にされている。


私は同年代でこんなにも人の心を動かすことの出来る夏無を尊敬する。


今日のライブも終わり夏無の回りから人が掃けてきたので挨拶に行く。


「夏無ちゃん、お疲れ様。昨日はなんか変な感じになってごめんね。今日のライブも大盛況だね。」


「えー、もしかして鈴ちゃん!わざわざ会いに来てくれるなんて嬉しいな!こちらこそ昨日はごめんね。バチって静電気かな?驚いちゃって、困らせちゃったかな?」


「ううん、大丈夫だよ。夏無ちゃんは凄いね。こんな大人数の前でも素敵なパフォーマンスが出来るなんて。尊敬する。」


「私も最初から出来たわけではないよ。やっぱり真のアイドルになるためには、怯んだり、怖じ気づいたりしたらダメかなって。多くの人に幸せを届けなきゃってね!」


「同年代なのに、私には無理だな。私ももっと成長しないとな。」


「いいのよ、人の出来ることはそれぞれ。出来ないことに焦がれるのは必然。出来ないことに固執するのはダメだよ。出来ることを今以上に出来るようにすればいいんじゃないかな?夏無はこう言うのが得意なだけで、勉強とかは・・・ね。だから鈴ちゃんも自分が得意なことを磨けばいいんじゃないかな!ネガティブになるのはダメだよ!」


「考え方も私と違って、うん。そうだね、出来ないって落ち込むのはやめよう。でも私の得意なことってなんだろ・・・」


「鈴ちゃんも考えることで成長するよ。今日はライブに来てくれてありがとね。今度はプライベートでも会っちゃう??っと言っても同じ学園だからすれ違ったときは挨拶してね!」


「うん、夏無ちゃんありがと。またライブある時は呼んでね。」



夏無は大きく両手を振りながらその場から去っていった。

仲良くなれたようでよかった。最初はあまり関わりたくないと思っていたけど、話してみると私よりもよく考えている子だと思うと申し訳なくなる。

これからも仲良くしていこう。



------------------------------------------


今日も終わった。なんとか終わった。

2日続けては少し疲れたな。

家に帰ってゆっくりお風呂に浸かろう。

しかし今日も会いに来てくれるなんて嬉しいな。

事前に伝えるのを忘れていたから今日は来ないかと思っていたけど、案外私は念じなくても既に夢中にさせる力がついたってことかな。

このままもっと多くの人に知ってもらって必ず見返してやるんだから。



「ちょっといいかしら?」


「ん?誰かな?わざわざ人気の無い場所で夏無に話しかけてくるのは。」


「人気の無い場所の方が貴女にとっても都合がいいと思ったのだけれども。自己紹介必要あるかしら?」



何で生徒会長がこんなところに。ライブは無許可でしてたのは流石にまずかったかな。めんどくさいから何時ものようにてきとーに流しますか。



「生徒会長さんが何のようです?あーライブの事ですか?許可なくしてしまったことは謝罪しますが過去にもしている人は居たらしいのいいのかなって。ごめんね☆」



「まぁその件は今はいいです。貴女の人の集め方に問題があるので。そちらの話なのですが。ずいぶん面白い能力ですのね。」


「なんの事ですか?能力?私はただライブをしたまででその中に偶然私がこの学園に入る前に活動していたことを知ってる人が居てくれて、人を集めてくださっただけですよ。感謝ですね☆」


「そうなのかしら?その過去に知っていると言っていた人を調べてみたのだけれども、彼はアイドルに関して全く興味がない人だとわかりましたの。身辺調査してみても昨日から突然変わったとわかりましたわ。」



なんなのこいつ。なんで私の力の事を知っているの。この生徒会長は何者なの。はったりではなさそう。どうすれば、私はこんなところで終わるわけには。



「へ、へぇー。最近の生徒会長はそんなことまでするんだ。でも変わったと言ってもそれは私の魅力に気づいてそうなったんじゃない?私が何かしたと言う証拠にはなりませんよね?」


「証拠ねぇ・・・次回のライブにその人が来ないように元に戻すことはこちらで可能なのだけれども。それでどうかしら?私としてはその力を自供することをお奨めしますが。それともう一点、お話がありますわ。生徒会に入りなさい。」


「えっ?それはどうゆうことかな?夏無アイドルしてるのに困っちゃう。」


「そう言うのは私の前ではいいわ。もう一度言います、生徒会に入りなさい。私に貴女の力を貸しなさい。」


「生徒会に入って私に利益はあるわけ?無いなら別にいいわ。ここでなくとも別の場所でまた最初から始めればいいだけ。あーあ、なんでこうなってしまうかなぁ。」


「貴女は目立ちすぎた、ただそれだけよ。利益ならあるわ。貴女には今後もアイドルとしての活動を続けてもらう。その中で貴女の力の使い方を変えてもらう。貴女は生徒会の広報となっていただくわ。」


「それは利益にはなりえませんね?この話は無かったこととさせていただきます。」


「あら、人の話は最後まで聞くべきだわ。この学園は多くの繋がりをもつ。その中で大手のプロダクションに貴女を紹介することも可能よ。もちろん、最初から売り出しアイドルとして育成してもらうように計らうことも出来てよ。まぁ自力でそこまで行けると自負しているのであればこれ以上私は貴女を引き留めることは出来ないわね。過去に見捨てられてもなお、売れると思っているのであればね。」


「お前はどこまで知っているんだ!!何が言いたい!」


普通知り得るはずの無い事をべらべらと、人の勘に触る事を。ふざけるな。お前に何がわかる。



「やっぱり人気の無い所でよかったわね。それもこれも貴女の行動次第。どう?生徒会に入る気になったかしら。貴女を歓迎するわよ。」


「今ここでお前を黙らせる事も出来る。生徒会長さんにそれを止める術はあるのかな?」


そう、最初から口封じをすればよかった。簡単なことだ。黙らせれば何も怖いものはない。

そう生徒会長に掴かかろうとした瞬間、後ろに吹き飛ばされた。

一体何が起きたのか、何をされたか理解出来なかった。


「止める術はあるわよ。貴女は私に近づけない。そして近づけたとしてもまだ手はあるわ。」


「へぇ、最初から私には断ることは出来なかったと言うわけ?」


悔しい、何時もは力を使い私に逆らわないようにするのに。何もする間も無く、無様に尻餅をつかされている。痛みはさほど無い。土汚れのついた辺りを手で払いながら再度生徒会長の前に立つ。


「いえ?貴女がそのまま立ち去れば終わっていた話。ですがこの事を知った以上貴女を野放しにはしない。貴女の能力は私にとって必要なの。力になってくれないかしら。」


「まんまと挑発に乗せられた私の負けね。わかった。1つだけ条件。貴女に力は貸してあげる。代わりにライブはするのを手伝いなさい。」


「ライブをする手配なら、広報の一環としてしていただく予定でしたので問題なく手伝わせてもらうわ。」


「よし、やり。準備に片付けがめんどくさかったのよね。」


「では改めて、一年二組伊吹夏無。貴女にはこれから生徒会に入って私に力を貸しなさい。そうすれば私も貴女の助けをするわ。」


「わかりました。生徒会長のために力を貸しますよ。ただ気にくわないんだけど。どうやって私のこの力の事を知ったの。」


「それについては私が説明いたしましょう。流石生徒会長殿ですな。途中肝を冷やしましたぞ。あぁ私が学園の事を調査している者ですよ。同じ生徒会の一員として以後お見知りおきを。」


「えっ、いつからそこに。」


一人の女生徒がそこにいた。何処から表れたのか、全く気づかなかった。まるで最初からそこにいたかのようにそこに立っていた。この生徒会長は私達に何をさせるつもりなのか。


「それが私の能力でして、詳しくは割愛させていただきたく。過去の事を少し調べさせてもらい、そこで少し不可解な事が起きていると言うことで調査に乗り出したのでござる。夏無殿は力を使うとき、間違いなく両手で相手を触れ、その時に目を合わせると能力が使われるのですな。何人か使用しているとこを目撃したので間違いないかと。 」


「凄いわね、そこまでわかるものなの。同じ能力者なんて初めて見たのにまだ多くいるのね。」


他に能力者なんて考えたこともなかった。私に這い上がるための力を私達のためにくれたのだとばかりに思っていた。



「さて夏無さん。今後は生徒会の為に力を使っていただきますわよ。詳しくは明日に、生徒会室でお待ちしてますわ。」


「生徒会室って何処に。」


「中央エレベーターに乗れば空木さんが案内してくれますわ。」


「私にお任せくださいでありますよ。」



二人が去っていく。私はこれでよかったのか。わからない。

ただあの生徒会長を使えば夢に近づくことは間違いない。だからこっちも利用させてもらう。それで今は考えるのをやめよう。


とりあえず明日。私はどうすればいいのかわかるはずだ。あの連中もどういうやつらかをそこで知ればいい。


疲れた。早く家に帰ってお風呂に浸かろう。


・・・そうだね。



主人公の出番は少な目になり、夏無ちゃんと生徒会長の話です。

夏無ちゃんはアイドル側面以外はとても筆が乗ります。アイドルの時は書く内容に時間かかるし、へんてこになるので困りものです。

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