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花に咲く星々。  作者: すもちー
16/19

side:鈴&桜


「さて桜ちゃん、食堂に行きましょう。」


放課後になり花壇の手入れを手短に終わらせ私は伝える。


「そうだな、鈴。未確認生物と聞くとワクワクするな。どんな奴なんだろうなぁ。」


桜は片付けを手早く済ませて足早に駆けていく。それに続いて私も食堂へ向かう。


「ここが現場か鈴君。」


「はい、どこから当たりましょうか桜ちゃん。」


「もーノリが悪いぞ鈴。」


昨日見たドラマの台詞を真似てみたのだろうか。どう返答していいのかわからずいつも通り返事をしてしまい少しだけ桜の機嫌が悪くなる。


「さてこう言うときはまず依頼人から話を聞いて、それから周辺の人の目撃証言を聞いて回りましょう。」


桜の機嫌はすぐに治る。まずは依頼をこなそう。そうしてるうちにいつもの調子に戻るはずだ。


「鈴、なに食べる?私はプリンな!」


すでにいつもの調子に戻っていた。


「もー桜ちゃん、食べに来た訳じゃないでしょ。まぁいいか。私はシュークリームでお願いします。」


甘いものの前では皆無力。勝てなかった、あぁ会長すみません。




「それで貴女達が生徒会から依頼を解決しに来た人たちで間違いないのですね?」


私と桜は3時のおやつを食べ終わり無事に依頼人と合流した。しかし何故か不満げな顔をしている。無理もない、新入生と見ため小学生の三年生のコンビ。依頼も謎の生き物を討伐。私が依頼側でも不安に思える。


「鈴、今失礼なこと考えたろ、怒るぞ。」


桜はエスパーであった。


「えーと、それで謎の生き物ってどんな感じなのか、どのように現れてどんなことをしていくのかお伺いしてもいいでしょうか?」


私は桜の言葉を聞かなかったことにして依頼主と話を進める。


「追い返すのも気が引けるからお願いするわね。ここの料理長の白鳥よ。現れ始めたのは入学式の次の日からね。実際にどんな物か見てないのだけど食材が無くなっていたり、生徒の食事を奪い去ったりしているのよ。解決できるかしら?」


お腹の空いた生き物の仕業なのだろうか。食べ物限定でとられているようだけど。


「あれだな、その生き物用に食事の用意をすれば万事解決だな!これで終わりだ!」


「確かに盗まれる事は無くなるかもしれませんが、それにはお金がとれないのでこちらとしてはあまりやりたくないですね。まぁ廃棄するものをとる分には。」


桜の考えもわからなくはないが根本的な解決には至ってない。仕事上売り上げが入らない白鳥の考えもわかる。


「桜ちゃん、やっぱりここは私達もその生き物を見ないことには始まらないので張り込みしましょ!白鳥さん、その生き物がよく現れる時間帯ってわかりますか?」


「そうだね、お昼時を少し過ぎた時間、人の掃けてきた頃がよく現れるね。あまり人に見られたくないんだろう。」


なるほど、それならその時間に食事をしていれば見つかるかもしれない。うまくいけば私達の食べ物をとっていくかもしれない。


「なら話は早い方がいいな鈴、明日は食堂でランチだ!」


桜は嬉しそうに話しかけてくる。


「そうしましょうか桜ちゃん。白鳥さん、よくとられるメニューとかわかります?それを私は明日の昼食にしようかなって。」


「手頃なサンドイッチだとかパンケーキみたいなものがよくとられるからそれにするといいよ。これで解決してくれるとありがたいよ。」


サンドイッチやパンケーキね。カレーや麺類、定番ランチはとらないのか。軽くてとりやすいものを狙ってるのかな。


「それじゃあ明日はよろしく頼むな!私は美味しいオムライスがいいぞ!ちゃんと旗をつけてくれよ!」


桜は事件を関係なしに食べたいものを頼むみたいだ。旗って可愛いな。


---------------------------------------------


翌日の昼、私達は食堂でお昼を食べながら張り込みをしている。

今日はまだ現れてはないみたいだ。周辺の花達にも張り込みの協力をお願いしたから現れたら捕まえられるだろう。


「ふっふふーん。オムライスー。鈴が欲しいって言ってもあげないからな?」


そう言って大事そうにオムライスにつけてもらった旗をとる。


「そんな桜ちゃんと私は違うんだからとらないよ。」


私は昨日聞いた通りにサンドイッチを頼んでいる。しゃきしゃきのレタスに玉子、ハム、きゅうり、トマトと具沢山のサンドイッチである。意外と多くて残してしまったら持ち帰ろうかな。


「それよりもその変な生き物は本当に現れるのか?これだけ噂になって警戒されていたら来ないと思うんだけどな。」


「白鳥さん曰く、騒ぎ立てても罠を張っても毎日取りに来るそうなので安心して張り込みしてくれって言われました。だから今日もくるんじゃないかな?あぁ桜ちゃん、口の回りにケチャップ付いてますよ。」


張り込みをしに来ているはずだけどまったりと食事をして過ごしている。桜は口の回りにケチャップをいっぱいつけながらもがつがつとオムライスを食べ続ける。


その時、回りの花がざわつき始めた。


「気をつけて鈴さん、何かがそちらに行きました。」


そう花の声が聞こえたと思ったときにはサンドイッチが無くなっていた。

ばっと回りを見渡しサンドイッチを持って逃げる影のようなものが見えた。


「いた、行くよ桜ちゃん。追いかけないと。」


桜の手を引き向かおうとしたが動かない。


「待ってくれ鈴、まだ食べ終わってないんだよ。」


桜はまだ美味しそうに食べていたがしかたない。抱えてでもあれを追いかけないと。


「待って、あぁー私のオムライスがぁぁぁあ。旗ぁぁああ。」


そんな断絶魔の用な声を残しながら私達は食堂を後にする。


---------------------------------------------


「ぐすん、酷いぞ鈴!後でまたオムライスをご馳走しろよ!旗は2本ないと許さないからな!」


「はい、ちゃんと依頼をこなせば白鳥さんも旗を何本もつけてくれて今日よりもよりいっそう腕によりをかけてくれるはずだから頑張りましょうね。」


そう言い聞かせて桜と謎の生き物を追いかける。

と言ってももう姿も影も見えなくなっているのだが、そこは私の花との会話能力でどちらに行ったかを聞きながら追いかけている所だ。


「本当にこっちで合っているのか?その生き物捕まえたら許さないからな!私のご飯の邪魔をしやがって!」


桜は今までで一番やる気になっているようだ。頼もしい用で怒るところが子供みたいで微笑ましい。


さてこの角を曲がればいるみたいだけども。鬼が出るか蛇が出るか。

こっそりと覗きこむ。

そこにいたのは女性徒だった。


「あのーすみません。こちらに変な生き物が・・・」


どちらに逃げたか聞こうとするとその女性徒の手にあるのは私が先程食べていたサンドイッチだった。


「あ、え、逃げなきゃ。」


その女性徒はその場から逃げようとしたが桜が回り込んでいた。ふんすと鼻から煙を出しているかの用な剣幕で。


「おいこら、お前は見たところ新入生だな。どうして逃げようとしている。別にやましいことをしてなければ変な顔をするだけだよな!」


「そ、それは驚いてしまいまして。私人見知りなもので・・・。」


オドオドとその女性徒は話す。


「んーと、名前をうかがってもいいかな?」


「五美と言います。」


「それじゃあ五美ちゃん。そのサンドイッチはどうしたのかな?」


「こ、これはその、食堂で買ってきたもので・・・。」


なるほど、買ってきたか。オドオドとして何か隠し事をしているようですぐにばれると思うんだけどな。


「おい五美とやら。白鳥から聞いた話によるよ今日はサンドイッチ頼んだの鈴だけらしいぞ。嘘をつくのも止めて白状しろ!そして私のオムライスを返せ!」


桜の怒りが爆発しそうだ。これ以上はよくないな。


「五美ちゃん。私は怒らないから訳を聞かせてくれないかな?他の人の迷惑にもなるからね?」


「ご、ごめんなさい。私ここに来てからお金を無くしてしまって・・・。大金を無くしたってことを親にも言えずに。それで・・・」


「それで人の食べ物を盗んでいい理由にはならないだろ!この、」


「はい、桜ちゃんはいい子だから少し待っててね。はい、飴ちゃんあるよー。」


襲いかかろうとする桜を制止し、飴でご機嫌をとる。


「さっき桜ちゃんも言ってたのを言うけどお金を落としたり無くしてしまったのなら相談してくれたら良かったのに。盗むのはダメだよ。それよりどうやって盗んでたのかな?変な生き物がとっていったみたいなんだけど。」


ふと疑問を問いかける。五美は手を前に出し目をつむり何かをし始める。


「こうやって念じたら影が出てその願いを叶えてくれるんです。簡単なことしか願ったことは無いのですが。それでも無くしたお金は見つからなかったんですけどね・・・。」


そう念じている五美。風が吹いたと感じたときに目の前に犬のような生き物が現れていた。

かなり小さく空をふわふわ浮かんでいるようだ。


「私のお友達のくぅちゃんです。この子が私の願いを。でもあれなんです、わざと盗んでたわけではなくですね、お腹すいたと思うとくぅちゃんが何処からか持ってきてくれて。一度何処からか見ていると食堂からとっているのを知ってしまい。でもお腹はすいて。捨ててしまうとくぅちゃんが悲しそうな顔をしてしまうので・・・。」


なるほど、彼女もこちら側の、能力者だったのか。今後の能力の使用を控えてもらえるように何とか言わないと。


「五美さん、その力は危険です。人前では絶対に使わないようにしてください。それと出来れば今後の使用も控えていただきたいかなと。」


「え?くぅちゃん出したらダメ?そしたら一人になって寂しいよ。寂しく思っていると勝手に出てきちゃうからどうしようもないんだけども・・・。」


困った。自分の意思に関わらず無意識に発動してしまうのか。人目につかないようにするためにはどうするべきなんだろうか。


「五美、それなら私達と一緒にいれば寂しくないだろ。そしてオムライスを私にご馳走するのだ。そうすれば今回の事は私が綺麗に無かったことにしてやるぞ。」


桜はオムライスの事で頭がいっぱいのようだ。だけどもそれで能力の発動を抑えられるのならそうするのはいいだろう。むしろ自分達の目の届くところでなら能力の発動をしてしまっても問題はない。


「桜ちゃんはいい子ですね。五美さん、それでどうでしょうか?もしくぅちゃんと会いたいのであれば私達が居るときなら大丈夫ですよ。私達が五美さんとくぅちゃんの事を他の人にばれないようにしますから。後はご自宅で一人の時とかは会っても問題ないと思います。」


「そうですか・・・。うん、くぅちゃんとずっと会えないわけでもなく、貴女達が一緒にいてくれるんですね。それなら私頑張ります。前から人目につかないようには気を付けてきてはいたのですが、寂しくてついくぅちゃんを呼んじゃうときがありましたので。」


「私の名前は鈴、花野鈴だよ。これからよろしくね。」


「秋風桜だ。みんな馬鹿にするけど三年生だから敬うようにな!」


「えっ?桜さんは新入生ではないんですか?!」


「ほら見たことか、五美のことやっぱり許さないからな。」



そうしてこの事件は解決した・・・かな。


白鳥さんには今後はでないと思う。もし出たときはすぐに私たちに連絡くださいと言いお礼にオムライスを作ってもらった。

桜は嬉しそうに食べ旗を2本両手にもって走り回った。とても可愛くて写真に収めた。



諸事情により一週間伸びましたが続きを書いていきます。


初期案桜ちゃんはこんな子ではなかったんや・・・なんでや。

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