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個人的で日常的な詩

喫茶店

作者: 菅野リオン

ただ 時間は過ぎていく。

この全てが許されたような

特別な空間の中でも。


私は それでも構わなかった

この時間が 生きる感覚を

私に与えて くれるなら。


ここでは 何もいらない。

それに なにもなくさずにすむ

この心と 一杯のコーヒーさえあれば


待つことを楽しめる場所が

急がないことの許される世界が

確かに ここにはある。


私は 初めて知った

価値観の合わない君と

コーヒーと紅茶を並べ

語らい合う時の この貴さを。


世界が そこに生まれる

このコーヒーカップに この空気の中に

砂糖は雪のように降り積もり

地面に花を咲かせ

静かに 溶けていく


ここでは 何も失わずに済む。

荒れた心を 疲れた体を

優しい香りが そっと撫で。


この空気に溢れる 幾億幾千の時間が

何ひとつ 潰されることなく

ただ 溶けていく。


私はそれが うれしい

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