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SinceNowReStart  作者: 東風陽炎
第2章 覚醒するnewcolors篇
18/26

16話 究極のSalvation

用語解説

緊急脱出

神霊花装共通搭載のシステム

搭乗者の任意で機体から瞬時に分離される。

あくまで生存率を上げるために作られたが分離後の移動能力や食料不足等で使うものは居ない。

「弱者たちよ、日向様の為に此処で散れ!」

赤き鳳を模した機体〈ruby-phoenix〉はその翼を広げ残像を出しながら夜桜達に迫る。

「なんなんですかアナタは?」

藍が少し困惑気味に問い掛けながら攻撃を避けるが答えは帰ってこない。否、返答はすれ違いざまに刃をもって成されていた。

black-lilyの右脇腹に位置する箇所に大きな切り傷がある。

「くっ!」

断末魔の如く声を漏らした藍と共にblack-lilyは海に落ち沈んでいくがすんでのところでwhite-lilyがそれを支え持ち堪える。

「しっかりしてよ藍!」

「茜、藍と共に帰投しろ!」

夜桜の支持が飛び茜は指示通り機体を飛ばすがそれを良しとしないruby-phoenixにより茜も負傷してしまう。

この時点で暁星島、延いてはNCB保有の最高戦力である神霊花装部隊はたった1機の聖獣鎧に対し2機大破という醜態を晒している。

こうしている間にもruby-phoenixの猛攻もとい鏖戦は続き得意の連撃で追い込もうとしていたpurple-azaleaが腕を2本とも二の腕から下を切り落とされ首が飛び大破、それを援護していたblue-roseも肉薄され渾身のボディーブローを喰らい神霊花装の主軸(メインフレーム)が歪み堕ちていく。

「みんな!おいそこの赤いの!いったいどこのどいつで何が目的だ?」

一応質問しているが夜桜の中では検討はついていた。

赤く染まった機体に圧倒的戦力差、そしてこの鏖戦の様子。

全くもって着任当初の赤椿鳳姫襲撃と同じなのだ。

「私は赤椿、日向様の為に此処でお前達を鏖殺する者だ」

「そんな、なんで鳳姫さんが聖獣鎧に乗っているのですか?」

美緑はまだ小破程度のyellow-chrysanthemumを動かしながら叫ぶ。

「いい加減貴様らを嬲るのも飽きた!さっさと散・・・ウア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」

先程まで圧倒的なまでに威圧感(プレッシャー)を放ち威風堂々と鏖戦をしていたruby-phoenixと赤椿は断末魔の様な奇声をあげ突如撤退していく。

「みんな、一旦引くぞ…」

神霊花装部隊は旗機night-cherryblossomが小破、母艦yellow-chrysanthemumが中破、以下出撃した所属機体全機が大破し壊滅的な被害を被りながらも撤退に成功した。


NCB会議室①

撤退後俺は簡易的なメディカルチェックを受け終わった後五月雨や睦月といったNCBの主要メンバーを集めruby-phoenix対策会議を開いていた。

「それにしても酷い状況だね、よく生還できたものだよ」

「突如として向こうが奇声をあげて苦しみながら撤退してくれたおかげだ」

五月雨の言っていることは紛うことなき事実だ。

緋奈も茜も藍も美緑も桃華もみんな生きているのが奇跡ではないかと思うくらい傷ついてる。

「もし仮にruby-phoenixが再度侵攻をしてきた場合本土防衛能力でならある程度は阻害できますがやはり肉薄されては神霊花装が無いと厳しいですね」

確かに睦月の言う通りNCBの本土防衛能力は仮に某国がICBMを発射してこようとも即時迎撃が可能である程に優れているが流石に人形の機動兵器を相手に封殺するのは不可能である。

その為に神霊花装部隊が編成され俺達が居るのだがその部隊も最早風前の灯火である。

「しかし、本当にruby-phoenixに搭乗していたのは赤椿少尉なのかい?」

「まさか、赤椿少尉が我々だけでなく姫斬司令も裏切ったと?」

「それは無い、確かにあれは鳳姫だが恐らく1種の精神操作をされた状態にあると思う」

そう、俺が着任してすぐの頃に鳳姫がまだ赤椿と名乗っていた頃と同じように。

「高速で接近する熱源を補足、機体固有周波数該当無し・・・これはruby-phoenixと断定!」

来た、破壊と鏖殺を司りし赤き鳳の悪魔が。

「領主代理として全島民に避難勧告を発令!並びに本施設に居る治療中の緋奈達を含めた全職員は至急地下シェルターに避難せよ!これは命令である」

当然1人で相手をして生きて帰れる保証など無くましてや鳳姫を取り戻すなんていくら確率論に0がないといってもこれは無理である。

「それでも、やらなきゃなんねぇ事があんだろうが!」

決意を叫び夜桜は愛機であるnight-cherryblossomに搭乗する。

「姫斬夜桜、night-cherryblossom出撃する!」

こうして夜桜は赤き鳳の待つ蒼空に向かった。



「また来たか、倒されるだけの弱者が」

「鳳姫!いい加減戻ってこい!」

「何を言う、私は戻る場所も無ければ待つ者も居ない!ただ貴様を殺して(ころして)滅して(ころして)消し(ころし)尽くすだけだ」

その殺害予告(せんげん)が開戦の証となり両機共に動きつつ相手を牽制し始める。




戦いは既に三時間を超えているが両者共に集中が切れることなく全力戦闘をしていたが勝敗は突如決した。

「鳳姫!何度も言ってるがいい加減戻ってこい!」

「五月蝿い!煩い!うるさい!黙れ!これ以上私を苦しめるな!」

ruby-phoenixが翼を広げ特攻を仕掛けてきた、しかし夜桜はそれを避けないで受け止める。

「五月蝿いなら俺の口を塞いでみな!そう、殺してでもな!」

そう言って最接近して啀み合ってる中夜桜はnight-cherryblossomから緊急脱出(イジェクト)され海上に一直線に落ちて行く。

其の様子を虚をつかれた鳳姫はただ呆然と見ていた。

「とりま作戦第一段階成功!」

そう言って夜桜は懐からひとつの端末を取り出しそれに向かい音声入力する。

「来い!red-camellia」

すると端末のred-camelliaの表示が水上待機から自動操縦に代わり水上を高速で移動するred-camelliaが現れた。

「鳳姫!これで決着(チェックメイト)だ!」

夜桜は綺麗な落下姿勢を保ちつつred-camelliaに搭乗し即座に主砲である《赤椿》をnight-cherryblossomと啀み合っているruby-phoenixに照準を合わせ引き金を引いた。

そしてそれは見事に命中しnight-cherryblossomは大破着底、ruby-phoenixは中破だが鳳姫が気を失ったのだろうか動かない為空中でruby-phoenixを捕まえる。

「鳳姫、大丈夫か?」

しばらく返事が無かったが程なくして返答が帰ってくる。

「主砲で撃って大丈夫か?は流石に無いと思うぞ、でもありがとう」

良かった、俺は文字通り死ぬこと無く、やり直すことなく鳳姫を取り返せたんだ。


そして帰投しようとred-camelliaを転進させようとした時背後から声が聞こえる。

「赤椿鳳姫よ、真実と共に闇に追放してやる」

その言葉を言い放ったのはいつかの聖獣鎧3体であった。



圧倒的戦力差を奇策によって覆し鳳姫を取り戻した夜桜。

しかし倒したはずの聖獣鎧3体が再び現れ鳳姫の殺害を予告。

この連続してやってくるピンチをどう乗り越える?

次回 SinceNowReState17話 暴走する愛のflowers

新年、あけましておめでとうございます。

2018年一本目の投稿はSinceNowReState16話でしたが如何でしたか?

とても新年1発目とは思えない内容でしたがまぁ仕方ないですね。

実は少し他作品のネタが混じっています、気がついたでしょうか?

わたしもその作品が好きだからこそオマージュさせて頂いたのでどうかお許しください。

それでは本年も気合い!入れて!書き続けていくので宜しくお願い致します!

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